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ナチスドイツがシンボルに使っていたこともあり、世界ではかぎ十字(スワスチカ)にナチスのイメージを持つ人もいますが、元々は宗教的シンボルであり世界中の宗教で使われています。
日本では地図で寺院のシンボルに使われており、寺院でもかぎ十字は数多く見る事が出来ます。

日本のかぎ十字に対する海外の反応です。




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記事ではかぎ十字は日本(とアジア)においてはナチスや反ユダヤ主義を意味するものではなく、そもそも何千年も前から世界中の様々な文化で独自に作られた幾何学シンボルの1つである事と説明しています。

かぎ十字は基本的に宗教的・文化的なシンボルとして使われ、ナバホインディアンは治癒の儀式にかぎ十字を使ってきました。
ヨーロッパではソーやオーディーンといった北欧の神々と関係したシンボルになってて、アジアではヒンドゥーや仏教と密接に結びついています。

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スワスチカ(かぎ十字)は元々サンスクリット語の『स्वस्तिक,』から来ており、基本的にこれは幸運のお守りと翻訳されるものです。
人類の歴史の大半において、スワスチカは聖なるものであり、正の側のシンボルでした。
その後でナチスが来たのです。

当時、ナチスは自らの目的のために他の文化から様々な物を奪い、我が物としていました。
その中にはスワスチカ(彼らはアーリア人の誇りを象徴していると考えていた)だけでなく、北欧、ゲルマン、セルティック、その他様々なヨーロッパ文化からも略奪していたのです。
その後、ナチスの行った様々な恐ろしい行為により、スワスチカはナチスの恐怖と憎しみのシンボルとなり、ナチスはスワスチカを国旗や車、バナー、制服、腕章などあらゆるものに採用したため、スワスチカがナチスと無関係であることは困難となってしまったのです。

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たった30年足らずの間に1000年以上続いた正のシンボルであるスワスチカを負のシンボルに変貌させてしまった事はある種驚きでもあります。


日本においてはスワスチカはマンジと呼ばれています。
コンピュータで”まんじ”とタイプすればスワスチカのシンボルである”卍”を出すこともできます。

日本においてマンジは西洋のようなスティグマ(負の側面)を持っておらず、仏教の伝統の中では頻繁に使われてきています。

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実際、グーグルマップで日本の地図を見ると、特に京都や奈良ではたくさんの卍が仏教寺院の位置を示す記号に使われているのが分かるはずです。

日本では、スワスチカは慈悲からくるポジティブなイメージを持っているのです。
日本で見かけるスワスチカは反ユダヤ主義のシンボルではありません。
基本的には仏教のポジティブなシンボルとして使われています。

西洋でスワスチカが否定的な意味合いを持っている事は理解できますが、何千年も使ってきた日本の歴史は、西洋の持っている(スワスチカへの)悪しきイメージをも超えているのです。



●Rashmi
人気漫画の『NATUTO』のキャラの日向ネジは額にスワスチカのシンボルが焼印されてたよね。
公式の英語翻訳版ではXに修正されてたけど。

●Paul
↑自分もそこに気づいた。

●Apfelmarmelade
ドイツだとスワスチカは特に公共の場で使う事は法律で禁止されてるんだ。
芸術や科学、それにもちろん教育の場(例えば歴史とか)でのみ許されるんだよね。
宗教的シンボルとしての扱いがどうなってるのかは分からないけど…

●Stroopwafel 
難しくてセンシティブな内容だよね。
でも、1つ見落としてる物があるとも思う。
ナチスが使っているスワスチカは、地図や仏教文化で使ってる物(卍)と向きが反対だって事。
基本的にスワスチカの端が時計回りになっているものはナチスのシンボルである可能性があって、反時計回りの物はマンジって事だね。
(訳注:仏教のシンボルには逆卍もある)

●Justin Gareau
↑上のヒンドゥーの写真は逆(時計回り)になってるぞ。

●Hashi(記者)
↑そう、この記事を書く前は自分も一方がナチスのシンボルで、その反対が宗教的シンボルだと聞いていたんだけど、そうとも限らないみたいなんだ。

●Peter
自分が驚いたのはヒンドゥーの時計回りのシンボルを見たからだけではないけど、ナチスの紋章は腕章についてるのなんかを見た時に対角だと思ってたように、斜めになっているよね。

●Jeremias Grym
実際日本の深いシンボリズムの中には表卍と裏卍があって、両方とも仏教に繋がってるんだ。

●Peptron
ヒトラーが盗んだせいでシンボルが悪者になっちゃったけど、ちょび髭はチャップリンの物だよね!

●Franklin
自分が(スワスチカの向きについて)聞いた事のある唯一の場所はアメリカだな。
自分は日本に住んでいて、インドやバリで過ごしたこともある。
これは白人がナチスとスワスチカを分離するために言い始めたという伝承以外の何物でもないと思う。
意図は良いけど、単純な合理化とまとめ以外の何物でもないと思うね。

●Juli
>一方がナチスのシンボルで、その反対が宗教的シンボルだと聞いていた
自分もずっとそう思ってたよ。

●Asdfa
サンキュー!
インド人として何でスワスチカが私達の文化に使われているのかアメリカ人に説明するのは凄く難しかったから、ここで取り上げてくれて嬉しいよ!

●Franklin
日本の地図を開くたびに私が寺院のマークを指さして”ナチス!”と大げさに言うのを妻は大いに嫌がっていたね。

●Empathyart
紹介してくれてありがとう。
京都の伏見に行った時にお寺の上にスワスチカがあったのにはショックを受けたものだよ。
数年前に友達から(日本では)古代から使われてきたシンボルでポジティブな意味があると教えてもらってたのにね。
(宗教上)正の意味の物が邪悪なものとして扱われるという事に驚きは無いけど。

●drayomi
実際の所、(ナチスの)スワスチカはオリジナルのシンボルと見た目が違うよね。
ナチスのスワスチカは鏡文字で対角になるように傾いてるし。
仏教のシンボルから派生してはいるけど、この2つは今では別のシンボルになってるよね。

●Amelia
このシンボルがナチスと何の繋がりもなく使われるようになったら良いのにね。

●Joseph Goforth
もしヒトラーがスワスチカの代わりに超越宗教としてcrucifix(十字架)やそれに類似するものを使ってたらどうなってたんだろうか?
世界は全然別の物になってたかもね。

●linguarum
↑クロス自体キリスト教以前からあったんだけどね。
クロスは古代ペルシャやエジプト考古学でも見る事が出来るよ。
だから、”何でスワスチカが日本に?”と言うのは、”何で古代エジプトにクロスが?”と言っているようなものなんだ。
シンボルを適切に使っている独自の組織や文化が、そのシンボルを模倣していると思われている事の多さには驚くばかりだよ。

●boxie
素晴らしい記事だった!
これは悪はどんなものであろうと、それがシンボルであっても破壊し骨抜きにする事を証明していると思うな。

●HypnoPants
カリフォルニアのグレンデールだと街灯や木の至る所にスワスチカが貼られてるよ。
記憶が正しければ、グレンデールはアメリカで2番目にアメリカ国外から来た人の人口が多いからだと思う。
でも数年ごとにスワスチカが木に貼られている事に反対するグループが現れて、市の職員に”スワスチカは平和のシンボルではない”と言わせてるんだよね。

●Hoshinoko
ようやくこの古代からの神秘的紋章についてちゃんとした考えを持ってくれる人が出てきてくれたよ!
私は薔薇十字団で日蓮宗の宗徒なんだ。
スワスチカは薔薇十字団の色んな作品に使われているんだよね。
ナチスとはなんの関係もないんだ!
記事で述べている様に、何千年も前から神秘的な意図で使われてきたんだよ。
世界中で!
私はサンフランシスコに住む友人がいて、彼はユダヤ人で母親はホロコーストを生き延びてきた人なんだ。
それは凄く悲しい事だけど、その事について私達は何度も議論をしてきたよ。
(それは1920年に建設されたサンフランシスコのビルに元からあったバスルームのタイル床を工事するという事態も巻き起こした)
残念ながら彼はこのシンボルをナチス以外の如何なる物にも使用する事を拒否してたけど。
悲しい事だね。
私は(このシンボルが)遥か昔から日本の一部となっている事を知っているよ。

●Tamas Doczi
”スワスチカは世界中の異なる文化でたくさん用いられてきた”というのはちょっと誇張なんじゃ。
それに、少なくとも自分の知っている限りじゃスワスチカは北欧の神やヨーロッパ文化とは何の関係もないはず。
インド宗教(仏教、ヒンドゥー、ジャイナ教)以外だとスワスチカに関係してるのは歴史的に仏教国だった国だけだと思うんだけど。

とあるブログによると元々卐(右マンジ)と卍(左マンジ)の2パターンあって、今では卍が一般的に使われているんだとか。
漢字の語源には諸説あるけれど、その1つにはこれがサソリから来てるというのもあるらしい。
(かすかにヒンドゥーのスワスチカと繋がりもあるけど、最近読んだ中国の書物によると、中国最古の家系の中には卍の姓を持つものがあるらしい。で、卍は彼らの神話に出てくる熊の足跡の象形文字なんだとか)

中国では万/萬と同じように”wam”と発音して、漢字の万はスワスチカから来てるという説もあるんだとか。
(卍→万)
ともかく、ナチスのスワスチカは45°傾いてるよね。

●Heather Stewart
↑スワスチカはインドにもいたアーリア人からもたらされ、北欧神話やルーンに深く根ざしてるよ。
2つのルーン文字をクロスさせて幸運のお守りとして広まった物がスワスチカになったという可能性だってあるんだ。





元々世界中で宗教的なシンボルとして使われてきただけに、卍マークが否定的な意味で取られてしまうのは残念な事です。
少なくとも、ナチスのハーケンクロイツと卍を含む他のスワスチカは(形は同じでも)別物であると分かってもらえるのが一番かもしれません。

話は変わりますが『ラットレース』というコメディ映画がありまして、大金をかけてアメリカをレースするという内容なのですが、ナチスをネタにした結構際どいジョークが満載で、ブラックジョークが好きな人にはお勧めの一作です。