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TPPの交渉が佳境に入ろうとしています。
日本の貿易方針にとって大きな転換点になる協定ですが、それによって日本の農家は窮地に立たされるかもしれない、という記事が海外のサイトで紹介されていました。




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日本の成田市は首都である東京に人を送り込む大きな空港がある事で知られている。
しかし、成田は稲作の長い伝統を持つ千葉県の一地方でもあるのだ。
夏の終わりに向けて成田では豊作を祈るために人々が集まる。
そして踊り、音楽を奏でながら豪奢な山車に乗るのだ。
村人たちが穏やかな成田の田舎道を引き歩く様は、山車が緑豊かな水田の海を滑っているかのようにも見える。
今年、数戸の農家はこの伝統が消滅の危機にあるのではないかと危ぶんでいる。

日本がTPPこと環太平洋戦略的経済連携協定に加盟しようとしているからだ。
政府は二十年以上続く景気低迷から脱出する大事な景気刺激策になると主張している。
貿易の自由化を含む規制緩和は長期的な経済成長の助けになると期待しているのだ。
しかし、米農家であり地方の活動家であるオグラ・タケシはTPPへの参加は日本にとって悪い取引になると語っている。
「日本の農家は非常に高コストです」
オグラはそう語った。
「政府には営利事業として食品を扱ってほしくないのです。我々の食料主権を護って欲しいのです」
日本の農業に関する問題が幾つかの重大な象徴となっているのは確かな事だ。
しかし、TPPは保険や自動車産業や他の産業など農業以上に様々な人達や雇用を持った日本経済を大きく占めている項目を含んでいる。

TPPは太平洋に面する11の国家が参加しており、そのメンバーは世界の貿易における40%を占めているのだ。
オグラは自分で栽培した作物で育ってきたことに誇りを持っており、彼は自分達の伝統を貴ぶコミュニティで生きている。
彼はTPPが自分の生きてきた道を脅かすとも語っている。

「水田と稲作は我々の文化の核です。」
「稲作は地元の祭りを通して文化と結びついているのです。しかし、稲作が止まってしまえばこの文化も破壊されてしまうでしょう」
がっしりとした60歳を超えるオグラは、日本の農家の代表的な姿だ。
彼の農地は25エーカー以下(約25ヘクタール)で、家計のために副業も行っている。
子供達は彼の仕事を継ぐことに熱心ではない。

彼は最近の選挙で共産党に投票した。
実際の所自分はマルクス主義ではないと彼は打ち明けた。
これは言ってみれば抵抗票であって、TPP反対を拒否している大政党にうんざりしている事を示すためなのだと。

「政治家は我々の言葉に耳を傾けるふりをしているだけです」
「特に選挙の際には共感している顔をして、助けになってくれるようにも見えます。
候補者の中にはTPP反対を約束した人もいました。
しかし彼らはその約束を破り、(TPPに)賛成したのです。」

TPPに対するオグラの苦闘は、とある稲作農家達とキクチ・ソゴロウという名の村長を思い起こさせる。
1653年にソゴロウは将軍に破壊的な年貢を低くしてもらうよう嘆願するために千葉から後の日本の首都となる江戸へと向かった。
当時それは違法であり、将軍はその行為を無礼とみなし彼と彼の4人の息子の首をはねた。
しかし、将軍は年貢の引き下げも行ったのだった。
成田の農民達はソゴロウの勇敢な行為に感謝して寺院を建立し、以後毎年お祭りを行っている。

現在、日本の農家は強力な農業ロビーに護られ、輸入関税は700%を超えている。
また、(日本の)農業は先進国の中で最も非効率でもある。

東京でJPモルガンのディレクターをしているJesper Kollは大きな農場を少人数で運営し、輸出用の高級作物を作る事でこの苦境から抜け出せると主張している。

「もし、Mr.オグラがコシヒカリと呼ばれるような高級ブランド米を作るようにスイッチしたら、中国の百貨店で日本の8倍の価格で売ることが出来るだろう。」と。

TPPに参加して日本が安い外国米を輸入するようになれば消費者の家計も助かるはずだと彼は追加している。
オグラ・タケシは険しい顔でおそらく政府はTPPに参加するだろうと語った。
しかし、土壇場で拒否する事もありえると見ている。
「我々がこういう事で苦労している唯一の理由は、我々が先祖代々からの土地を持っているという事です。
一族で(この土地を)護ってきたのです。」
「しかし、米の価格が下がれば我々は土地を手放さざるを得ないでしょう。
我々は今、瀬戸際に立たされています。」



●JackCrevalle
西洋の人間が本当に理解するために、この文では語られていない事を知っておく必要があるだろうな。
日本における米のコストはポンド当たり20~30ドル(1kg当たり400~600円)だ。
日本には我々がカルテルやトラストと呼ぶ、米の価格を設定するものがあるって事なんだ。
これが容認されているのは日本の稲作は重要な文化財であること、日本人は米や自国で栽培された米に非常にうるさいからで、政府がカルテルを支持してるから日本の国民は米の選択が限られているんだ。
とは言え、バブル崩壊後に政府は多少の外国産食品の輸入を認めたから、外国米に切り替えた家庭も出てきた。
カリフォルニア米なんかは関税のせいで7~8倍の値段になってるけど、日常的に食べられているね。
何が間違っているかとかを言うつもりはないけど、有機農法とか非遺伝子組み換え作物なんかと同じように、今回の件を理解するうえで背景を知っておくのは必要な事だと思うんだ。
西洋だと有機栽培と遺伝子組み換え作物では20~30%の価格差があるけど、日本での(国産と輸入作物の)価格差は全くの別次元なんだ。

●Yagisama
↑1ポンド当たり20~30ドルってのは知らなかった。
日本には何度も行ってるし、それこそスーパーマーケットには数えきれないほど行ってるんだけど。
大体平均して5kg2000円くらいだったかな。
これだと1ポンドあたり1.8ドル(1kg約360円)位だよね。
それに日本人が国産の米を好んでるのはタイ米なんかとは正反対で粘り気が強いからじゃないかな。

●JackCrevalle
↑ああ、すまなかった。
1袋当たりと言うべきだったね。
そう、確かに5kgだ。

●Beatrix Pierre
日本の米って凄く高いよね。
日本人が米を食べなくなったから農家が大変なんじゃ。
(会話した日本人から得た情報だからパーセンテージは知らないけど)
パンが好まれるようになってるみたいだよ。
米の値段が高くなっても気にしないんじゃないかな。
(3.11の後はパンやヨーグルト、牛乳が並べた端から売切れてったそうだし)

●General Specific
外人としてこの山車を引っ張った事あるけど、滅茶苦茶重かったぞ。
後で酒をたくさん振る舞ってもらえたのが良かったな。
それと、アメリカの米が日本の米くらい美味しいって話は聞いた事がないな。

●Beatrix Pierre
↑私は短粒米を使うんであれば、コシヒカリでもササニシキでもカリフォルニア・コシヒカリでも気にしないけどね。
野生米や玄米を食べるようになってからは以前ほど食べる事もなくなったかな。
最近読んだのだと、熊本で作ってる『森のくまさん』が最高だとか。
(訳注:日本穀物検定協会が発表する2012年産の「食味ランキング」で1位になった)

●david jenson
日本は楽しい国だったし、アップルサイダーとジョージアのコーヒーが懐かしいよ。

●Linus Scot
自分にとってはメキシコの農家を苦しめる事になったNAFTA(北米自由貿易協定)と同じくらい酷いもののように見えるけどな。
結局メキシコは作物を輸入するようになってしまったんだ。
(特にトルティーヤ用のトウモロコシを)
農家はみんな工場で働くようになってしまった。
(90年代後半、中国製の安物が出回る前は安物と言えばHecho en Mexico(メキシコ製)だったのを思い出さないか?)
その後で工場は中国に進出するために閉鎖され、我々が彼らの持続可能な仕事を破壊した事によって急増する不法移民を見る事になったという訳だ。
NAFTA前の不法移民は年間2万人だったけど、NAFTA後は年間40万人だ。
政治家はみんなその事を知っているし、かれらは金を設けるごく一部に属しているからこそ(TPPを)推進してるんだと確信してるよ。
伝統を維持し、他国の食料資源や農業を壊滅させるのは止めよう。

●Ivan Vega
>現在、日本の農家は強力な農業ロビーに護られ、輸入関税は700%を超えている。
ワオ、これは知らなかった。
これが変わったらアメリカの稲作農家も助かるだろうな。
自分の地元の米農家が作ってる米は日本を含む外国に輸出されてるみたいだからね。
でも、日本の文化は生き残ることが出来ると思うな。
文化は流動的な物だし、1000年、500年、200年前だって今と同じという事は無いわけだし。

●Dean Yamasaki
↑文化が流動的というのは良い観点だと思うな。
経済、資源、文化、地政学が今後の50年、100年でどうなっていくのかは凄く興味深いね。
ペリー提督が日本のドアを世界に向けて開いた後、日本は20年で全く別の国になった。
その後数十年で近隣諸国にとって良くも悪くも全く別の存在になったからね。

●Sean Gay
(日本人が)アメリカの米を買うようになるとは思わないけどな。
大して美味しくないし。

●Dean Yamasaki
↑私の好きなアメリカのブランドはコシヒカリスタイルのkagayaki selectで、アメリカの米も日本の米とかなり近くなってると聞いた事があるよ。

●Beatrix Pierre
ブラインドテストしてみればいいんだよ。
日本の短粒米とアメリカの短粒米を食べ比べてみても違いは分からないと思う。

●Red Herring
どちらもたくさん食べてきたけど、味はほとんど一緒だよ。
アメリカ米は美味しくないというステレオタイプが出来てるけど、日本からカリフォルニアに来た人達はみんな嬉しい驚きを味わっているよ。
(自分はベイエリアに住んでるんだ)

●General Specific
自分の役に立たない味覚ですら、日本で食べた米の味とベイエリアを含むアメリカで食べた米の味(中華街含む)の違いは分かったけどね。

●Sean Gay
嬉しい驚きってのは思ってたほどは悪くなかったって事なんじゃ。
米を美味しく思うというのとはかなりの違いがあるよね。
自分は美味しい米と悪い米の違いが分からない人が理解できないんだ。
そういう人は大抵豆腐は味がないとも言ってるんだよね。

●Forbetterlife
日本人が世界で最も長寿を楽しんでいるのは、彼らは自分達の食べる物やそれががどういう風に育てられているかに対して凄く慎重だからだと思う。
彼らが有機的で地場産の食材を食べるのを諦め、遺伝子組み換え作物由来の安い食品を食べるようにさせるポイントは何なんだろう?
確かに、基本的な価値観と健康的なライフスタイルを引き替えに幾ばくかのお金は得られるかもしれない。
皮肉な事にこの国は地場産で有機栽培された作物を探す人達が増えてるんだよね。
TPPってそんなに素晴らしいかな?
車にとってはそうかもしれないけど、食品にとっては違うだろうな。

●AngelSatan
↑日本は食料品のほとんどを輸入してるんだけど。

●Forbetterlife
今じゃ政治家やモンサントが何を食べるか決めてるようなものだ。
米農家が気の毒でならないよ。

●Sean Gay
この問題は実の所もっと複雑だね。
日本は災害で知られた国でもあるから、稲作の維持は伝統の維持だけじゃなくて国家安全保障の意味もあるんだ。
農業基盤を失った国は国際市場の波に対するリスクだけじゃなく自然災害のリスクにも曝される事になる。
ハイチがこうむっている大きな問題の中には農業基盤の不足が原因になってるものもあって、これは世界銀行の命令によってインフラが民営化された結果として起こっている。
日本で作物を育てるのはコストがかかるけど、それに見合った価値があるんだ。
輸入関税が低下したからといって、多くの家庭がアメリカ米に流れるという事にはならないと思うし、特定のレシピでタイ米や中国米が使われる事になったとしても、それはレストランの中でだけだと思うな。
それに農業インフラを維持する事は社会を維持するのにも必要なんだ。






日米首脳会談によりTPP妥結への道筋を特定したという共同声明が発表されましたが、今後どうなっていくかはまだ予断の許さないところであります。
因みに以前も紹介した事がありますが『キングコーン』というアメリカのトウモロコシ農家を取り上げたドキュメンタリー映画がありまして、それによるとアメリカのトウモロコシ農家も普通に作ったら平均的な作付面積当たりの収量ではトウモロコシの単価的に赤字になったしまうんだとか。
ではどうして利益を出しているのかと言うと政府からの助成金があるからであって、アメリカでも農業は利益率の高い産業ではない事が描かれています。
(バイオエタノールを進めていたブッシュ政権下の話なので現状はまた変わってるのかもしれませんが)