honda


1972年、当時はパスする事は不可能とまで言われていたアメリカの厳しい排ガス規制法であるマスキー法の規制値をホンダの開発したCVCCエンジンが世界で初めてパスしました。
その後CVCCは様々な自動車メーカーが採用していきます。
しかし中にはCVCCに懐疑的な発言をするメーカーもあり、その時にホンダの創設者である本田宗一郎氏が取った行動が海外のサイトで紹介されていました。



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※以下敬称略

記事の内容をまとめるとこんな感じ。

マスキー法をパスしたCVCCエンジンは様々な自動車メーカーがライセンス契約にサインする事になります。
アメリカのフォードとクライスラーもホンダと契約を結びましたが、GMだけは契約しませんでした。
当時GMのCEOだったRichard GerstenbergはホンダのCVCC技術に対して「小さなオモチャ(Little Toy)のエンジンには効果があるだろうが、GMの車に乗る事は無いだろう」とすら言っていました。

その言葉は本田宗一郎の耳にも届き、その言葉を聞いた彼は即座に5.7L V8エンジンを積んだGMシボレー・インパラを購入して日本に空輸しました。
そして、インパラのサイズに合わせたCVCCエンジンを組み上げてインパラに乗せ、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)でテストさせるべくアメリカへと送り返したのです。

結果、ホンダがCVCCエンジンに乗せ換えたインパラは触媒コンバーター無しでみごとEPAの排ガス試験をパスしてみせたのです。
出力は160馬力で、わずかではあるもの燃費も向上していました。
窒素酸化物の除去に関してはコンバーター付きのエンジンには敵わない物の、当時のエンジンの中では格段に優秀な結果を叩きだし、EPAの要求する基準は余裕でパスしました。

honda2

GMのCEOの放った侮蔑の言葉に対して本田宗一郎は公の場で非難するのではなく、GMの車を改良してみせる事で自分達のできる事を示したのです。




●colorfulyawn
自動車業界のエピソードの中でもこれは好きな話なんだ。
本田宗一郎はモータースポーツ界においてエンツォ・フェラーリ、フェルディナント・ポルシェと肩を並べる偉人だと思う。
ホンダには彼の復活が必要だ。

●mazda500SEL
↑スティーブ・ジョブスの復活がアップルに必要なように、だな。

●Jason Torchinsky
>本田宗一郎はモータースポーツ界においてエンツォ・フェラーリ、フェルディナント・ポルシェと肩を並べる偉人だと思う。
彼の設計した空冷デザインを見た事があるか?
あれは芸術だ。

●Dr. Hoon
>本田宗一郎はモータースポーツ界においてエンツォ・フェラーリ、フェルディナント・ポルシェと肩を並べる偉人だと思う。
同意!
ここで会話をする時にエンツォ、フェルディナント、宗一郎、ヘンリー(フォード)は苗字を付ける必要がないと思うね。
彼らはアイコンだ。
残念ながら宗一郎以外の3人は身内に脛までかじられる事になっちゃったけど、彼らのやった事は本物だ。

●kbasa
Honda-sanは本当にかっこいいな。
個人的に彼の死後ホンダは沈んでいったと思う。

●Jason Torchinsky
↑悲しい事に、今のホンダは昔ほどワクワクさせてくれないんだよな。

●Felipe Andrade
↑多分来年が新たなスタートになるぞ。
ホンダがF1に帰ってくるんだから。

●Ferrari400i
ホンダジェットもあるでよ!

●webmonkees
>悲しい事に、今のホンダは昔ほどワクワクさせてくれないんだよな。
大会社全部に言えることだね。
技術開発の画一化が進んでるから。
誰もが買えるおとなしい製品って事。

●kbasa
俺達には出来るから、という理由でCBXなんかを作ってしまう会社は遠くなりにけりだ。

●Jafarklabar
↑でも、NSX、インテグラTypeR、90年代のシビックSi、S2000が出たのは本田宗一郎が亡くなった後だし、当時の車は良かったと思うぞ。
ホンダが以前のような情熱を持たなくなったのは2005年ごろだと思う。

●merlyn11a
GM経営陣の典型的な傲慢さだな。

●Jason Torchinsky
↑公平に言うなら、当時は日本の自動車会社の攻勢に対してアメリカの自動車会社はどこも傲慢な態度だったんだ。

●jphamilton
この話はこれで全部ではないんだけどな。
ホンダはGMを説得しようとしてたんだけど、当時のGMはロータリーエンジンを開発中だったんだ。
GMに公平を期していうなら、確かCVCCエンジンは効果があったけどかなり高価だったし触媒コンバーター程には効果がなかったんだな。
最終的にはホンダもCVCCから撤退する事になるし。

●HydrogenOnion
そして歴史は大なり小なり繰り返すことになり、2000年中盤にガソリンの価格が最高値を付けた時にまともなハイブリッドカーや電気自動車が無かったからプリウスに行列を作る事になった訳だな。
皮肉な事に、1998~2000年頃はハイブリッドカー開発においてGMの方がトヨタよりも先を行ってたんだよな。
ジオ・メトロエンジンなんかもその中に含まれてる。

●T5Killer
これは嬉しくなるね。
グッジョブ、宗一郎!

●Jason Torchinsky
↑彼の話を読めば読むほど彼の事を好きになっていくよ。

●Cyfun
↑同意。
彼がカブとCT90でやった事は本当にとてつもないよ。
彼はバイクのイメージをヘルズエンジェルスの乗るハーレーからビーチボーイズワナビーな十代の少年達の乗り物に変えたんだ。
バイクに乗る人を安全でクールな人達というイメージにもしてくれた。

●clutchshiftington
クールな話ではあるけど、GMに対して公平であるなら、触媒コンバーターの方がもっと良いよね。
今では全ての車に触媒コンバーターがついてるけど、CVCCは使われてないわけだし。

●Jason Torchinsky
↑CVCCを廃らせたのは燃料噴射システムなんだけどね。
それと触媒コンバーターはGMのアイディアじゃなくてロスに住んでいたフランス人の発案だ。

●Sleeps-So-Well
結局は一時の物だったんじゃなかったっけ?
WikipediaだとホンダがCVCCを採用していたのは10年足らずだったはず。
法律が変わって、燃料噴射方式が優位に立ったんじゃなかったかな。

●Jason Torchinsky
↑CVCCが廃れた理由のほとんどは燃料噴射方式によるものだね。
CVCCはキャブレター時代の終焉間際に生まれた技術で、ゴールとして適切な技術だったし、当時のエンジニアリングとしても正しかった。
でもキャブレター自体が燃料噴射方式に敵わなかったんだ。

●boxjohn
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70年代、80年代、90年代初頭の車の触媒コンバーターを外そうとしてる人達は自分達がどれだけ空気を汚すのか知っていてほしいね。
みんなポンプとコンバーターを外してもスモッグの量はせいぜい2倍から3倍に増える程度だと思っていたけど、本当は違う。
10倍以上になるんだ。
(古い車は自分も持っているけど)1台のコンバーター無しの車が普通の車の10台分ものスモッグを出すことになるんだよ。
改造する前にその事を考えて欲しいね。

●Auto Guy
↑その事に気づいているのはほんの僅かなんだよな。

●mechcozmo
honda2
 
幾つか印象的な変化が見られるな。
簡単にパーセンテージ計算し直してみよう。

触媒コンバーターは排気ガスから炭化水素を78%、一酸化炭素を95%、窒素酸化物を91%除去できる。
CVCCテクノロジーは炭化水素を98.5%、一酸化炭素を98%、窒素酸化物を82%除去できるわけか。

●AmericanWhalingLeague
↑これが”CVCCに改造した”V8エンジンだという事を留意していてくれ。
V8エンジンには2台のCVCCシステムが組み込まれてるんだよ。
つまり、触媒コンバーターを組み込むよりも材料も労働力も技術も必要になるって事だ。
 
●mechcozmo
↑よく分からんけど、それらしく聞こえるな。
とは言え、CVCCは大量生産すればそもそも高価な材料を使う触媒コンバーターよりも安くなるんじゃ。
(明らかにコンシューマー側に立ってコストを出しているけど、競争相手がいるのなら値段も下がるだろうし)
 
自分としては触媒コンバーターよりも優秀な成績をだしているCVCCシステムに対して更に感心するようになったね。
98%除去するとか、どうしたって凄い事だよ。

●Gooberpeaz
第一世代のCVCCを乗せたシビックとアコードが出た時にそれを売った事があるよ。
高価な無鉛ガソリンを買わずに済むというのはかなりの売りだったな。
当時はまだ有鉛ガソリンが現役だったからね。
CVCCは当時の車好きを説得させるための新鮮なガジェットだったね。
欠点はアコードに積んでいた大きいサイズのCVCCの場合、ヘッドガスケットが吹き抜けがちで(確か)2-3シリンダーに冷却水が入ってしまう事だったな。
保証期間内でヘッドガスケットを交換してくれたよ。
CVCCのラインナップで自分が好きだったのはシビックCVCC 5Speedだ。
確かモデルネームで、今も自分が乗っている13年型のシビックSiの祖先だったはず。

●JACU - Dub Azzmacka Skirt 602S
↑その車を思い出した。
相棒が75年型の黄色を買ってたよ。
夜中に走らせてた時に猫をよけようとして思いっきり転がった事もあったけ。
馬鹿な若者だった。

●MaxM
これこそが真実だ。
謙虚さとスマートさは同居することが出来る。

●noringnocare
後は後輪駆動車を作ってくれたら…

●lowflyin
ホンダに新たな宗一郎が必要な理由がこれだ。

●frostypeanuts
その年の後半に宗一郎は社長の座を退いたんだよな。

●reciprocating
親愛なるホンダさん、俺の買えるスポーツカーを出してくれ。
新しいS2000を…
現アキュラオーナーより。

●AntiElvis
ホンダはエンジンを作るために車を組んでる会社だからな。
2004年のシビック・クーペを持っていたことがあって、今もVF1000Fインターセプターに乗ってるから分かる。





実際に作って見せる所が実に本田宗一郎らしい。
今では使われなくなったCVCC技術ですが、排ガスをなるべく綺麗するという考えは今日の自動車産業において欠かす事の出来ない方針となっています。



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