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漫画は今や世界各国の言語に翻訳・出版されているワールドワイドな娯楽となっています。
そして海外で出版するうえで欠かせない職業が翻訳家です。
翻訳家を志す人も多いようで、そういった翻訳家志望者のために海外のサイトで漫画翻訳家に対するインタビューを行っていました。



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Q.あなたが活動してる分野は主にどんなもの?

A.文学翻訳、フリーランスの翻訳、通訳、漫画の翻訳だね。

Q.その分野で仕事をするようになってどの位?

A.10年。

Q.どうして文学翻訳に興味を持つようになったの?

A.前から読書が大好きで、本を読んでお金を貰える仕事がずっと夢だったから。
翻訳をやってみたらそれがまさにその通りだったと。

Q.翻訳家としての一番最初の仕事は何だった?

A.確か最初の翻訳は短編だったと思う。もう覚えてないけど。

Q.文学翻訳を仕事にするのに一番必要な事って何?

A.読書が好きな事。
そして両方の(翻訳をする全ての)言語で読書をする事。
それぞれ異なる言語で作者の言わんとしてる事を読み取って、単語間の微妙な違いを学ぶ事かな。

Q.こういうタイプの翻訳をするためにベストな学校ってある?

A.分からない。私はそういう学校には通ってないから。

Q.オーケィ、じゃあこの分野に入ったばかりの新人が仕事を探すにはどうしたらいいんだろう?

A.翻訳業界の新人だったら、『Words Without Borders』のような文学の翻訳に力を入れてる雑誌にコンタクトを取る事をお勧めするかな。
編集者が長編を任せられると信用できるよう最初の評価を得るために短編小説の翻訳仕事をゲットするよう努力するのが良いと思う。

Q.文学翻訳の競争ってどんな感じ?
他の翻訳家と”コンペ”をした事とかある?

A.私は他の翻訳家と競合したことはないね。
とは言っても、編集者は私を雇う前に他の翻訳家も候補に入れてると思うけど。
でも、英語に翻訳される(海外の)出版物はあまりないから、かなり競争の激しい業界だと思うな。
 
Q.しばらくこの分野でやってきた身として、どういう風に文学翻訳の仕事をゲットしてるの?

A.正直言うと私の仕事は編集者や出版社が持ってきてるんだよね。
プロジェクトを聞きつけて、それに加わりたいと思った時は自分から手を伸ばしてるけど、ほとんどの場合は私と一緒に仕事をした事がある人や、そういう人から勧められて私にコンタクトを取ってくる場合が多いね。

Q.どうしてフリーランスの翻訳に興味を持ったの?

A.それは商業翻訳という意味かな。
基本的に私は翻訳に興味があって、商業仕事が一番ゲットしやすかったからだね。

Q.フリーランスになってからの最初の仕事は何だった?

A.私は翻訳会社の社内翻訳者として数年過ごしてからフリーランスになって、独立してからもその会社との繋がりはあったわけ。
今でもその会社から時々仕事を受けてるよ。

Q.フリーランスの翻訳家として仕事を見つけるにはどうしたらいい?

A.根気よく探し回ること。
自分が特化したいジャンルの翻訳エージェントやクライアントに自分の職歴を送るとか、電話をするとか。
相手は翻訳テストや、どの位の能力があるのかちょっとした仕事を依頼してくると思う。
締め切りを守ってちゃんとした結果を送れば次の仕事をゲットできるようになるよ。

Q.フリーランスの翻訳って仕事はたくさんある?

A.自分の特化してるジャンルによるけど、基本的にはあると思うな。
グローバルビジネスは翻訳業を必要としてるからね。
私は自動車業界や工業系の翻訳仕事をしてるけど、(捌ききれずに)いつも断ってるし。

Q.フリーランスの翻訳家としてどんな仕事がある?

A.私がしてる仕事のほとんどは社内で使われるドキュメントやプレゼンテーション資料で、ユーザーマニュアルや学術論文の翻訳をする事もあるかな。

Q.フリーランスの翻訳家になろうとしてる人達へのアドバイスは?

A.ハードワークを厭わない事。
フリーランスになってから(最低でも)最初の数年間は、評判を積み上げるためにも家賃を払うためにも来た仕事は全部受ける必要があると思う。
それから、数年間社内翻訳をする事、有名な翻訳家の下で働く事も技術を学ぶと同時に安定したリスクのない給料を稼ぐうえで素晴らしいやり方だと思うな。

Q.通訳について。どうして通訳に興味を持ったの?

A.通訳が私に興味を持ったという感じかな。
私は漫画翻訳をしていて、最終的に漫画家のために通訳をしてくれないかと頼まれたわけだから。

Q.最初のインタビューの仕事はどんな感じだった?どんな事をした?

A.通訳をしてたのは会社で働いていた時の会議の時だったけど、会社以外での初めての仕事は漫画家への通訳で、彼が訪問してる間付き添ってイベントなどで彼の言葉を通訳するという感じだったね。

Q.通訳をやりたい場合は何をするべき?

A.耳をそばだてる事。副言語をたくさん聞く事。
通訳の練習も。
通訳コースはかなり助けになると思うな。

Q.通訳家としての仕事はどうやって見つけてる?
新米通訳/卒業したばかりの人間がすべきことって?

A.私の通訳としての仕事は漫画に集中していて、幸いな事に私は漫画家と一緒の仕事をたくさんしてると知られているから、向こうが私を探してるという感じかな。
興味を持ってる分野の組織でボランティア通訳をするのは自分が通訳をやりたい分野で名前を売る良い方法だよ。
例えば、あなたがアニメや漫画に興味を持っているなら地元のアニメ/漫画コンベンションで通訳の仕事を募集してないか探してみてはどうかな。

Q.翻訳と通訳、必要とされるスキルの違いはどんなものがあると言える?

A.通訳はその瞬間が大変。
通訳をするために集中して高速で思考する事が必要になるね。
意味が正しく伝わっていれば、状況にあった完璧な言葉かどうかはそれほど問題ではないかな。
翻訳は正確に感情を伝えるのに適切な言葉を探すのに終始する事になるよ。
(少なくとも締め切りまでは)
それから通訳の為には一定レベルの対人スキルがいるけど、翻訳の場合はどこでも出来るし、基本的に人と会うという事はないね。

Q.通訳をやろうと思っている人間が知っておくべき一番大事な事は何?

A.結構ストレスがある事を覚悟しておく事かな。
それからディナー時に通訳を頼まれてる時は事前に何かを食べておく事。
私の腹の虫が会話を中断させちゃった事があるから。

Q.最後のトピックは漫画!漫画翻訳に興味を持ったのはなんで?

A.私は漫画も(西洋の)コミックも好きで、翻訳の仕事を始めた時にそれが次の段階として理に叶ってると思ったから。

Q.漫画翻訳の最初の仕事は何だった?

A.最初はBL漫画の翻訳だったかな。
誰の作品だったかは忘れてしまったけど。

Q.ローカライゼーションと翻訳に違いはある?

A.大雑把に言うと、翻訳は言葉を英語に置き換える事で、ローカライゼーションは英語市場にマッチするような英語にする事で、多分スムーズになるように翻訳の端々がラフになると思う。

Q.漫画翻訳の仕事をゲットするのに一般的な方法ってある?

A.正直分からない。
その人ごとに違った道があると思うよ。

Q.漫画翻訳の顧客やサイトとのコンタクトはどういう風にゲットしたの?

A.ほとんどの漫画出版社には”Jobs(募集)”やコンタクト用のページがあるから。
どういう風に接触するか向こうから教えてくれるよ。
最悪なのは一般的な連絡用のE-Mailアドレスの場合。
ちゃんと担当者に届くようにタイトルは分かりやすくした方が良いよ。

Q.現在の漫画やアニメに精通してる事は翻訳の助けになるかな?それともそんなに重要ではない?

A.今の漫画に詳しい事が助けになるかどうかは分からないかな。
(アニメに関してはそっちの分野で仕事をしていないから何とも言えない)
でも、漫画全般について詳しい事は助けになるね。
比喩やスタイルを知っていると仕事がしやすくなるし、仕事の質もよくなるから。

Q.例えば編集ソフトとか、何か知っておくべきプログラムはある?

A.特に長編小説のためにScrivener(文章作成支援ソフト)を使ってるけど、自分の翻訳はWordドキュメントで送ってるし出版社から別のフォーマットにしろと言われた事もないね。
だから、仕事ではどんなソフトも使えるけど、チェックと最終翻訳を送るのはWordを使えばいいんじゃないかな。

Q.漫画翻訳をしたい人間が知っておくべき一番大事な事って何?

A.締め切りを守る事。
これは全ての翻訳に言えることだけどね。
文字通り、これが一番大事な事。
(当然だけど、翻訳がGoogle翻訳そのままでは駄目だよ)
プロジェクトにはスケジュールがあって、翻訳はその第一段階だから、もし翻訳の締め切りが遅れたらスケジュール全体が狂ってしまう事になるわけ。
もしどうしても設定された締切に納得がいかない場合は出版社に伝える事。
スケジュールは基本的にそれ程タイトじゃないし、どうにかして大体上手くいってるから。
でも、もし締め切りを破って何も対処してないのであれば、それは出版社(あるいはクライアントに)自分は信用のおけない人間ですと言ってるようなものだね。

Q.日本語を勉強して始めて翻訳の仕事をゲットするのにどの位掛かった?

A.数年かな。
私が日本語の勉強を始めたのは日本に引っ越してからで、日本語に囲まれてたからそれがちょっと有利に働いたね。

Q.日本語を勉強しようとしてる人に何かお勧めやアドバイスはある?

A.日本に行く事。
常に可能という訳じゃない事は知ってるけど、没入するのは何時だって最高の方法だから。
もし日本に行けないのなら、TVやポッドキャスト、本なんかで身の回りを日本語だらけにすることだね。

Q.翻訳や通訳の仕事をする前にどの位のレベルの日本語検定をパスしておけばいいかな?

A.日本語検定が実践的な能力の指針に良いとは思えないんだよね。
自分は日本語検定1級を持ってるけど、全然使わないような事を勉強するのにかなりの時間を割いてきたから。
もし日本のクライアントと一緒に仕事をしたいのなら、1級ないし2級を持っていれば十分信用されると思うな。

Q.職歴はどういう風に強化していった?仕事を始めるのに何か良いやり方はある?

A.ボランティアは職歴の強化に役立つよ。
翻訳エージェントも仕事の始めとしては良い場所になると思うな。

Q.日本語から英語への翻訳で一番難しいのは何?
記憶に残ってる難しかったフレーズや言葉はある?

A.フレーズの組み合わせはいつも難しいね。
”よろしくお願いします”や”頑張る”みたいなよく使われる言葉はそれぞれの文脈で異なった意味を持ってるから。
覚えてる限り一番難しかったのは落語の話を漫画した作品の洒落の部分かな。
ストーリー全体が言葉を曲げて2つの意味を持たせるようになってたから。
本当に気も狂わんばかりだったよ。

Q.そのままの意味で翻訳すべき?同等な意味のものに置き換えるべき?
状況によりけり?

A.文脈が全て。
常に読者を、文を、自分の翻訳に金を払っている人を見るべきだね。
この業界には厳格なルールというのが無くて、商業ベースのクライアントは基本的にそのまま訳すのを好んでるけど、それだって絶対って訳じゃないから。

Q.より質の高い仕事をゲットするためには医学、工業、自動車、コンピューターサイエンスみたいに特定のジャンルに特化した方が良いのかな?

A.絶対に。
特化はより高い報酬、より面白い仕事をゲットするためのキーだよ。

Q.あなたやあなたがチームで働いた一般的なプロジェクトはどの位の期間を掛けてるか例とか教えてもらえないかな。

A.典型的な漫画のプロジェクトだと私は1か月位掛けてるけど、それが唯一という訳でもないね。
小説はもっと長くかかる。
それ以外のプロジェクトの場合はプロジェクトそのものの規模によるかな。
誰かと一緒に翻訳するという意味でなら、私はチームで働いたことはないよ。
編集者が質問やコメントをしに私の所に来ることはあるけど、それはそれだし。

Q.仕事をしていて何か面白い事とかあった?

A.途中でキャラの名前を変えた事なら何度も。
私は名前に関してはほんと駄目で。
幸いな事にいつも編集段階で気付いて直してるんだけど。
それから、言葉の使い方についての質問でいつも友達や家族を困らせてるよ。
妹には子供がいるから、子供達が普段どんな事を言ってるのか知りたい私の矛先になる事が多いかな。

Q.日本に住んでいて翻訳の仕事を見つけるためにするべき事は?

A.根気よく探す事。
日本のクライアントは仕事を頼む前にその人と会うのを好むことが多いね。
翻訳を頼む人抜きで会議によって人選を決めた場合でも、(スケジュールを組んで)オフィスに招く事で関係を構築するし。
顔を合わせるのは日本でのビジネスではかなり大事な事だね。

Q.自分の仕事を楽しんでる?
こういう仕事を楽しめるのはどういうタイプの人間だと思ってる?

A.私はこの仕事を愛してるよ。
1日中読書をしてお金を貰えるなんて信じられない位。
翻訳をするうえでは、自分一人で思考する事に快適さを見いだせる人である事が必要だと思う。
それから、読書家である事も。
とはいえ、読書家じゃないのに翻訳家になりたい人がいるとは思えないけど。

Q.今あなたがいる場所を目指している人に対して何か言いたい事はありますか?

A.今すぐ一番興味がある分野の仕事をゲットできる事は無いかもしれないけど、だからと言って諦めるべきではないね。
望みたいところに行くためには色んな道があるから。
私は大学では数学を勉強して、最初の翻訳の仕事は車会社で、今はフルタイムで漫画とフィクション小説の翻訳をしてる。
前いた所からここに来るまでの道のりは真っ直ぐでは無かったよ。




締め切りが一番大事(真理)
漫画やアニメ以外の日本のコンテンツも海外で販売されていくでしょうし、その逆もまた然り。
今後も翻訳の仕事は世界中で求められていきそうです。
やはりよつばのとーちゃんは勝ち組(色んな意味で)

追記:”落語を題材にした漫画”ではなく、”落語の話を漫画にしたもの”だと思われるので修正しました



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