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日本には金属を何層にも張り合わせて熱で融着したのちに削り、金属を木目のように見せる『木目金』という技法があります。
wikipedia:木目金
とある外国人がこの木目金の作成法を勉強し、実際に指輪を作っていました。




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1.これが自分が作った初めての木目金の指輪
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三週間にわたる日本の美術の奇妙で難しい勉強の末に銅と真鍮をシームレスに繋いだ木目金の指輪が出来た。
後で内側に銀の指輪をはんだ付けしたから技術的にはシームレスじゃないけど。


2.まずは準備
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最初に銅と真鍮のプレートをカットして磨く。
今回は50mm×50mm×0.7mmのものを用意して、4種類のサンドペーパーで擦った後にパッドで磨いてから工業用アルコールに浸した。
浸した後は素手では触らずにピンセットで扱った。


3.炉に入れる準備
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アルコールから出して乾かし、ホウ酸水溶液ですすいだ後に重ね合わせ、別の金属で挟み込んだ。
さあフライの時間だ。
毎秒毎にシートに酸化物の膜が追加されていくから、出来るだけ早く火の中に入れなくちゃいけない。
補助として油圧プレスと頑丈なボルトを使う事にした。

4.アビスを見つめてはならぬ、さもなくば眉毛を失うだろう
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大いなる謎の部分だ。
科学者によると固相拡散接合(熱圧着)と呼ばれるものが起こってるらしいが、自分にとっては炉の中に材料を入れて、汚い接着をしないように金属をなだめるだけだ。
材料を熱する方法は他もあるが、自分がやった方法はこれ。
融点に達した時を魂の中に刻み込めなくてはいけない。
圧力によってお互いをくっつけ合わせるためだ。
材料が完全に固まった状態になってから炉から取り出す。


5.木目を作る
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圧力と熱はカタルシスだ。
19世紀、オランダ人が室温で金と鉛を拡散接合させることに成功した。
(魔女裁判で火あぶりにされる事なく)
2年間かけて行ったのだ。
圧力と熱はそれをスピードアップさせる。
これは10トンの油圧プレスだ。


6.Ye! utuvienyes!ビレット(金属塊)が出来た!
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洗浄した後に周囲をグラインダーで削ってみたら熱圧着が完全に上手くいっていた。
これで木目金用のビレットが手に入ったわけだ。
10mm×10mm角に切ってから鍛造の準備に入る。
今や自分はフィンランドの神、ウッコの持つ神秘的なハンマー、ウコンバサラをその身に宿し、そしてこの神秘的な金属はその神秘のハンマーに耐えられるほどに結合している。
(訳注:Ye! utuvienyes!は『指輪物語』に出てくるセリフ。”やった!見つけた!”という意味)


7.金属の法に逆らって捩じる
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木目金を鍛えるというのは熱してから捻って冷ます事だ。
この仕事は鍛冶屋には無い。
鍛冶屋は鉄を鍛える前に熱するが、木目金職人はビレットを熱し、それから急冷する。
金属を破壊しないために捩じるのは4回までにした。


8.熱は破壊されなくなるという、通常にはない効果を与える
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捩じりに一定の熱を与えるのがキーだ。
木目金を赤い炎で熱し、90°捻る度に急冷した。
そう、内部にはまだ熱が残っているのだ。
捩じりが完成すると素材の中に木目が姿を現し始める。


9.ドリルで穴を開け、ノコを入れて形状を出す
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シームレスな部分。
リングは真ん中に開けられた楕円の穴から始まる。


10.さらに金属を傷めつけた所からリング作りは始まる
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神秘的な冷たい金属が如何に抵抗しようとも、我が意思は結果を出した。


11.戦いに勝利し、指輪が形作られた
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数多のハンマーの末、遂に金属を征服した。
余分な部分をカットして加熱。


12.素材をクリーニングした後の木目を見てみよう
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銀の部分はブリッツと呼ばれる緑青で、これがもっと別の形にする様にと主張してきたから素材のラインが完璧な形状になるように最終形態を決める事にした。


13.シームレス。忍耐は実を結んだ
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完成。
2つの金属を1つにしたシームレスなリングが出来た。
グラインダーと研磨で形をリファイン。
形が出来たら硝酸に付け込んで緑青と真鍮の表面を溶かす事で模様が更に露わになる。


14.形は完成、あとは内部のリングを付けるだけ
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汗によって金属が腐食し、指に色が付くのを防ぐために内部に銀のリングを付ける。
銀のリングははんだ付けした。
その後にシルバーリングの余分な部分を取り去り、継ぎ目が見えないようにサンドペーパーをかける。


15.完成
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リングは出来た。しかし逃げなくてはいけない。
奴らが後に迫っている。
捕まったらグワイス=イ=ミーアダイン(トールキンの小説に出てくるエルフの金銀細工師達)の秘密を吐けと一生幽閉されてしまうだろう。


●TheUglyGuy
凄く良い作品だな!

●waitbutactually
これをプロとして作ってるんだろうか?
ウェブサイトとか持ってる?

●ilmastodontti(投稿主)
↑売るために作ってるけど、秋まで道具を使うことが出来ないんだ。
メッセージをくれたらもっと詳しい情報を送るよ。

●stealthmouse328
どこでこういうのを習ったんだい?

●ilmastodontti(投稿主)
2つの学校で別々の先生に習ったんだ。
英語で書かれた本もたくさんあるよ。

●morningstarimmortal
サウロンには売るな。
良いね?

●TheGoodReverendCleophusJamesoftheTripleRockBaptistChurch
コンピュータ修理業なんて嫌いだ。
自分もこういう物を作りたい。
男なら何かを作らなきゃ。

●WhatAWorldWhatAWorld
↑人は何かを作る趣味を持つべきだというのが自分の持論だ。

●slaitch
↑だからこそ自分はこれを見てるんだ。
これは大したもんだよ。

●failedprocess
自分はコンピューターが好きだしコンピューターで食べてるけど、鍛冶屋になりたいといつも思ってるよ。

●Robvp
自分も何かを作る事がしたい。
コンピューターの前でやる事以外のスキルは持ってないけど。

●ravien999
どうやってこういう道具を揃えたんだ?

●ilmastodontti(投稿主)
↑地元の銀細工の学校で作ったんだ。
でも、家に無いのはプレス位だよ。
炉すらDIYで作った。

●DMorison
アメージング!
1つ作るのにどの位掛かったか教えてくれないかな?

●ilmastodontti(投稿主)
↑最初の1個は120時間くらい掛かったかな。
でも、それが正確な時間という訳でもないね。
大きなビレットを作れば5個は作れるから。

●reflectedsoundofundergroundspirits
フィンランドの神話を引用し、日本の金属加工技術を用いて、トールキンの言葉を語る。
とんでもない奴だな。

●iratusestdraco
自分も金属加工をするけどこれにはとても及ばない。
自分のショップを持ったらこれに挑戦してみるつもりだ。

●awakeasleep
自分は金細工職人で学校に行ってた時に友達の1人が木目金を作ってたね。
あれも良かったけど投稿主の方法のほうが効果的だと思う。
尊敬するよ。

●WhatAWorldWhatAWorld
指輪は着けない性質だけど、これは着けてみたいな。
ところで見習い募集中だったりしない?

●CorgisButtsDriveMeNuts
マジシャンなのか鍛冶師なのか宝飾屋なのか。

●stresstwig
ホーリィシット、これは素敵だ。
1つ欲しいね。

●racinghammock
これは凄い。
どこかでこういうのを買えないかな?
女性用?男性用?

●RedJack3t
↑誰が着けても合うと思うぞ。

●yellowlime
宝飾屋が来ましたよっと。
これは素晴らしいね。
木目金の魅力にすっかりやられてしまったよ。
キャプションも素晴らしかった。

●LuccaMoondrop
婚約指輪と結婚指輪は木目金にしよう。
ユニークで凄く良いね!

●LuccaMoondrop
↑プラチナとゴールドで出来た奴になるな。

●IrishAssassin67
とんでもなく美しいな。

●Popyseed11
尊敬するよ。
こういうのを作る鍛冶師になりたいといつも思ってるんだ。
凄く面白そうだ。

●metdear
木目金ってクールだな!

●coppergod
こういうのを作る人がいるというのが良いな。

●jankenboy
投稿主みたいに気軽に”初めてやってみた”という言葉と共に信じられないようなスキルでこういうのを作るのが好きだ。

●ilmastodontti(投稿主)
↑ま、2回目は大失敗だったんだけどね。

●Emohockey342
こういうの買いたい。
売ってくれ!

●ElitaNoShoes
技能職ってかっこいい。

●PantsAreAnIllusionAndSoIsDeath
↑”男らしい手で男らしい物を作れます”って感じだもんな。

●captainobvioustits
まるでダークウッドで出来た指輪みたいだ。

●EDMmusicflowsthroughstrangeplaces
自分も金属加工のクラスでこういう指輪を作ったよ。
見た目は全然違うけど…

●Zephyrium
なんでみんな鍛冶が出来るんだ?
こんなものを買う余裕もないよ。

●BlackMatters
もっと投稿してくれ。
こういうクールな鍛造品は大好きなんだ!
いつか自分もこういうのを作れるマスターになりたい…

●torimosan
ダイアモンドの指輪よりもこういう指輪でプロポーズしたい。

●LiRivera
こういう指輪でプロポーズされたら”ヘル・イエス!”と答えちゃうね。
嘘じゃないよ。

●TheFreakAZoid
こういう物を作れるようになるまでにどれ程の勉強が必要なんだろうか。

●qussow
木目金は日本語だけど、後に出てきた文字は違うよな。
ウェールズ語?

●ziffin
↑技法のオリジナルは日本だけど、投稿主は『指輪物語』の台詞を入れてるんだ。

●jenmorse
↑ウェールズじゃなくてエルフだな。

●massivemy
投稿主はサウロンだったりして。

●slaitch
Instructable(自分の作った作品を投稿するSNS)で色んなグレードの金を使った木目金の結婚指輪を作ってた人がいたな。

●ilmastodontti(投稿主)
↑金はくっつけやすいんだ。
どんな純度でも特性は変わらないし。
コストはバカ高くなるけどね。

●Hazjibab
これが自分の作ったの。
でも投稿主の作ったのの方がずっと良いな!
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●WhenInDoubtC4
↑いやいや、美しいと思うぞ。
仕事で作った?それともワークショップに通って?

●Hazjibab
↑金属美術を習ってたんだ。
ワークショップにも通ってたね。
宝飾品よりも家具を作ってたんだけど、これもいい経験だったよ。

●psychintraining
結婚相手が見つかったらこういう結婚指輪を買いたい。

●TheFreakAZoid
このレベルの物が出来るようになるまでにどれ程危険な目に遭ったんだろうか。

●TheLivinLegend
この指輪はまさに”愛しいシト(precious)”。





銅と真鍮が美しい木目を作り上げています。
木目金は海外でも人気があるようで、木目金の製品のみを扱ったサイトもあります。
こちらは日本の木目金専門のお店
http://www.mokumeganeya.com

追記:特製→特性に修正。ご指摘ありがとうございます。



木目金の教科書
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