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日本ではフィクション・ノンフィクション含め数多くの時代小説が出版されており、中には海外で出版されている作品もあります。
海外の日本の歴史をこよなく愛する人達が戦国時代の小説で何か面白いものはないかと語り合っていました。


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●LordKenshin:ニュージャージー州、アメリカ
戦国時代を舞台にした面白い小説は無いかな?
特に上杉謙信を題材にしたのとか。
最近古代中国を舞台にした『Romance of the Three Kingdoms(三国志演義)』という本を読んで戦国時代を舞台にした小説に興味を持ったんだ。

●nagaeyari:日本
吉川栄治の『Taiko(太閣記)』はどうかな。
かなりの大作だ。
作者はあの名高い宮本武蔵の小説も書いてる。

●kitsuno:ホノルル、ハワイ州、アメリカ
日本では羽柴秀長から伊達政宗、山内一豊、毛利元就、秀吉、信長、家康、更にマイナーな人物まで、何百冊ものフィクションが出版されてるのが何よりも最悪だ。
知ってる限り英語で出版されてるのが『Taiko』だけなんて残念すぎる。
訳注:日本では数多くの歴史小説が出版されているのに英訳版はごく僅かしかないのが最悪だ、という意

●LordKenshin:ニュージャージー州、アメリカ
↑誰について書かれた本なんだ?
誰が書いてる?

●kitsuno:ホノルル、ハワイ州、アメリカ
↑『Taiko: An Epic Novel of War and Glory in Feudal Japan』By吉川栄治。
自分が読んだ時からカバーが変わってるみたいだ。

●LordKenshin:ニュージャージー州、アメリカ
↑サンキュー。
読んでみようと思う。
他にも知らないか?

●AJBryant
自分のお勧めは辻邦生の『The Signore(安土往還記)』だね。
講談社インターナショナルから英語版のペーパーバック(日本でいう所の単行本)が出てるよ。
この作品は後に信長(タイトルの”シニョーレ”だ)の部下となったイタリアのジェントルマンな冒険家にして神父のオルガンティノが母国に送った長い手紙という形を取っているんだ。
特徴はイエズス会の翻字によって日本の固有名詞が全てイタリア語になってるという事だね。
(安土城が”the Palazzo”になっていたり)

●kitsuno:ホノルル、ハワイ州、アメリカ
↑なかなか難しそうだな…

●AJBryant
↑読んでみてくれ。
好きなフィクションの1つだよ。

●Obenjo Kusanosuke:日本
自分も同意。
『安土往還記』は素晴らしい作品だし、フィクションだけど孤独で思慮深いというあまり見られない信長の一面を描いてて興味深いからね。
自分は井上靖の『風林火山』もお勧めするよ。
少し前に英語版が出ていて、NHKの大河ドラマにもなってる。
戦国時代に日本有数の武将だった武田信玄の躍進を陰で支えた有能な部下の一人で華麗なる戦略家である謎多き山本勘助について書いた本だ。
この本は川中島の4度目の合戦の所で終わっていて、参考として越後の虎と甲斐の信濃地方の覇権を狙って争い合っていた事が書かれている。
実在の人物について書かれた本ではあるけど、これはフィクションだ。
実際の所、山本勘助が実在したかどうかという事すらも議論がある。
おそらく実在したんだろうけど、多分井上靖が作中で作った人物とはかなり違ってたと思う。
この本の翻訳を気に入っていない人もいるけど、この時代に関しての本はあまり英訳されていないだけに選択の余地はないかな。
個人的に翻訳は問題ないと思ってるし、この本は凄く読みやすいからね。

英語の本だと他には、関ヶ原の戦いで石田三成が家康を牽制するために人質にしようとしたけど出来なかった、敬虔なカソリックでもある細川ガラシャを描いた『Gracia(細川ガラシャ夫人)』もお勧めだね。
細川ガラシャは信長を裏切った事で有名な明智光秀の娘で、ジェームズ・クラベルの『将軍』に出てくるまり子のモデルでもある。
『風林火山』と同じように、この小説も実在の人物を題材にしていて出来事も本当にあった事だけどフィクションだ。
凄く良いフィクションだよ。

●DMarie84
どれも面白そうだね。
図書館の相互貸出しで見つけられたら読んでみようかな。
自分はもっと国際文学を読みたいと思ってるんだけど、英語翻訳版はなかなか無いんだよね。

>英語の本だと他には、関ヶ原の戦いで石田三成が家康を牽制するために人質にしようとしたけど出来なかった、敬虔なカソリックでもある細川ガラシャを描いた『Gracia(細川ガラシャ夫人)』もお勧めだね。
これは読んでみたい。
私は彼女の物語を書いてみようと思ってて、もっとリサーチが必要だから。

●ltdomer98:ワシントン州、アメリカ
自分も『シニョーレ』は好きだ。

●owari no utsuke:エルカホン、カリフォルニア州、アメリカ
Alibris(オンラインショップ)で『シニョーレ』を注文してきた。
受け取るのは二週間後くらいかな。
中古だったから7ドルと安かった。
読むのが楽しみだ。

●Shisendo:カナダ
自分も他のスレッドのユーザー達と戦国時代の小説が少ない事へのフラストレーションをシェアしてた。
自分の好きな侍、石川丈山の小説を書こうと思ってるんだけど十分な資料が見つからなかったんだ。
wikipedia:石川丈山 
まだ出版はされてないけど、もし時間があれば率直な意見を聞かせて欲しいな。
彼の人生についてみんなが興味を持ちそうな要素はこんな感じ
1)彼は徳川家康の直の部下だった
2)彼は関ヶ原の戦いと大坂の陣(1614、1615年)に出征した
この3つの戦いはどれも小説で取り上げてるけど、まだアップロードはされてない。

追記:
これが自分の書いた本
『The Samurai Poet』
戦国時代と江戸時代を結ぶ歴史フィクションだ。

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訳注:『The Samurai Poet』は石川丈山を描いた小説
戦場でのミスにより主人である家康の命を危険にさらしてしまった石川丈山。
家康は切腹を命じる代わりに彼の忠心を再度確認するためにより残酷な罰を与える事に決めた。
集団に属さない事が個人の最大の障害となった新しい世界秩序の中、石川丈山は一人で自分の道を切り開いていくことになる。

●owari no utsuke:エルカホン、カリフォルニア州、アメリカ
『シニョーレ』を受け取ってきたよ。
これは凄い本だな。
作者は信長の孤独さに深く切り込んでる。
これは予想外だった。
もしこの内容が真実だったとしたら、彼の孤独の理由が分かる気がする。
この尾張の男は日本では珍しい独立独歩の男だったからだな。
彼は神が自分に才能を与え、限界までその技術を突き進める事を知っていた。
個人的に、彼の孤立は誰も彼を理解できなかったからだと思う。
この本を読んでたら涙が出てきて、最後には尾張の男に対して暖かな気持ちを抱くようになった。
この本は彼を人として描いてるね。

●Tatsunoshi:日本/シンシナティ、オハイオ州、アメリカ
今愛読してる最中なのがデイヴィッド・ミッチェルの『ヤコブ・デ・ゾートの千の秋』。
先月イギリスで出版されたばかりなんだけどベストセラーチャートの1位になったんだ。
舞台は長崎にあるオランダとの貿易島である出島で、その近くの丘にある寺院で起きたおかしな出来事を描いてる。
どのキャラも良く描かれていて(西洋人も日本人も)、様々な出来事が交錯して話を織り上げている素晴らしい本だ。
良く書けてて刺激的な本ではあるけど、個人的には時代背景が40~50年早すぎるかな。
(舞台は1799年だ)
作者は日本の歴史についてかなり勉強してるけど、登場人物の名前はポップカルチャーから持ってきてるように感じる。
(将軍や天誅シリーズ、犬夜叉等々)
読んでて、”いやいや、これは無いだろ”と思うのはそれ位かな。
これはマツオカ・タカシ(日系アメリカ人の作家)の『Cloud of Sparrows』(こんなに超常現象は扱ってない)やローラ・ジョー・ローランドの『佐野 一郎』シリーズ(ここまで歴史に関する考察ミスは無い)のような冒険小説というよりも現実的な人物を描いた”歴史小説”だね。

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訳注:『Cloud of Sparrows』は1861年を舞台にした源氏の若い当主アカオカの苦闘を描いた小説。
彼はアメリカからきた女性宣教師、復讐を遂げようとするアメリカ人と関わり、恋人の芸者、剣の達人の叔父と共に敵やニンジャと戦う。

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↑『佐野 一郎』シリーズは徳川5代将軍徳川綱吉に仕える主任捜査官佐野一郎を描いたシリーズ。
彼は妻の上田玲子(麗子?)と共に武士道と将軍への忠誠の板挟みになりながら仕事を進めていく。

●heron:オーストラリア
『ヤコブ・デ・ゾートの千の秋』は数か月前に読み終わったけど、これは素晴らしい本だと思う。
デイヴィッド・ミッチェルはレベルの高い独自の文学スタイルを持った素晴らしい作家で、テーマに真剣に向き合ってるね。
無限の想像力と様々なキャラを描ける幅広い能力でカルト的な人気を得ている作者だけはある。
自分は今休暇でカナダのオンタリオ州にいるんだけど、昨日ラジオで彼がインタビューを受けてた。
彼が言うにはメイン女性キャラの1人であるオリトは一部シーボルトの娘の楠本イネをモデルにしてるらしい。
読んでて自分もそう思ってた。
自分にとって唯一気になったのは、イネはオリトがいた時代の40年後位に勉強や仕事をしていたはずで、そのせいで長崎の状況が完璧に変わってしまってるんだ。
他のフォーラムではデイヴィッド・ミッチェルは幕末の話を書きたかったんだけど結局作中の1799~1800年にしたからだろうと言ってた。
(小説ではフェートン号事件も1808年から1800年に移動していて、イギリス海軍の名前もポイボス号に変わっている。ポイボス(アポローン)はフェートン(パエトーン)の父親なんだ(笑)wikipedia:フェートン号事件
(自分も医者の娘をメインキャラにした小説を書こうと思ってデイヴィッド・ミッチェルと同じようなリサーチをした)
小さな齟齬は色々見つかったけど英語圏で書かれた日本の歴史小説のサンプルとして『ヤコブ・デ・ゾートの千の秋』は強くお勧めするよ。

で、自分の書いた幕末小説が遂に完成した。
とりあえず10月にはオーストラリアの本屋に並ぶと思う。
『Blossoms and Shadows』というタイトルだ。
来年にはイギリスや他のヨーロッパ諸国でも出版されるはず。
リサーチに協力してくれたみんなに感謝を贈るよ。

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訳注:『Blossoms and Shadows』は19世紀を舞台にした医学歴史小説で、海外の医療技術を学んだ医者の娘ツルが医者は男がなるものという時代の中で医者をめざして悪戦苦闘する物語。

●Shisendo:カナダ
オンタリオでのカナダの日(カナダの建国記念日)のお祝いを楽しんでくれ。
『Blossoms and Shadows』を読むのが楽しみだよ。
海外でも同じタイトルで売るのかな?
医者の娘というキャラのために調査はしたと思うけど、調査の中で江戸時代の病院を訪れたりした?
何故こんな事を聞くかと言うと、成田空港近くの佐倉に当時の病院があるからなんだ。
他にあったかどうかは知らないけど、もう1つは長崎にあったはず。
当時鎖国状態の日本で西洋医学が重要視されていたというのは興味深いね。
訳注:佐藤泰然が設立した病院兼蘭医学塾『佐倉順天堂』の事

●heron:オーストラリア
↑昔の病院兼医学塾・順天堂と佐藤泰然とその一族に関する本は何冊か持ってるよ。
佐倉には何度か行った事がるけど、実際の佐倉順天堂には行った事が無いんだ。
11月にそこからさほど遠くない所に住んでいる友人を訪ねに行くから、その時に行ってみるつもりだ。
海外でも同じタイトルで売ると思うけど、ヨーロッパではどのように翻訳されるかはまだわからないな。
カナダの日のお祝いは何もかも楽しいね。
朝食にワッフルを食べて、夜は花火を見たよ。

●onnamusha:テネシー州、アメリカ
↑ワオ、君の幕末小説がコンペを勝ち抜いて出版される運びになった事におめでとうを贈るよ。
アメリカで出版された時に読むのが楽しみだ。

●owari no utsuke:エルカホン、カリフォルニア州、アメリカ
阿井景子が信長の妻・濃姫を描いた『濃姫孤愁』という小説も結構良いよ。
この小説は濃姫の悲劇と孤独と描いてる。
全然出回ってないけど運よくBook-Offで買えた。




日本だとそれそこ星の数ほど出版されている時代小説ですが、海外に向けて翻訳されているものはほんの一部の有名作だけというのが現状のようです。
実は海外の作家が書いた日本を舞台にした歴史フィクションというのは結構あるので(シリーズ化してるものもある)、潜在的な需要はそれなりにあるのかも。
(そしてそういう海外の小説を和訳したものが日本で出版される事も稀なのですが)

追記:越前→越後に修正。ご指摘感謝です。



信長のシェフ 12巻
信長のシェフ 12巻