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5月23日は分類学の父と呼ばれるスウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネの誕生日です。
ニューヨーク州立大国際生物種探査研究所は彼の功績を記念して2008年から毎年5月23日付近に前年見つかった最もクールな新種生物トップ10を発表しています。
今年も昨年発見された1万8000種の中からトップ10が選ばれ、中には日本で発見されたミステリーサークルを作るフグもランクインしていました。
日本で発見された新種の生物がランクインするのは初めてのことだとか。



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※順不同

■白い斑点を持ったフグ:(Torquigener albomoaculosus:アマミホシゾラフグ)
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ここ20年間、漁師は日本の海底で見つかる美しくも不気味な”ミステリーサークル”に悩まされてきた。
科学者の観察により、ようやくそれはエイリアンが地球に訪れたのではなく大人しいフグが伴侶を求めて作り上げたものだと判明した。
雄のフグが砂の中で体を振って輪を作り、雌のフグがその輪の中心で卵を孵すのだ。




■地獄から来た恐竜鶏(Anzu wyliei)
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オウムのような骨でできた嘴、中空の骨を持ち、鳥の様に卵が孵るまで抱きかかえる。
立ち上がれば1.5m(5フィート)の高さになる。
これは巨大な鶏で、そこに爪の生えた手、頭上に薄い鶏冠、トカゲのような奇妙な尻尾が加わっている。
研究者はこの生き物にメソポタミア神話に出てくる悪魔のAnzū(アンズ―)の名を付けた。
恐竜の骨がたくさん見つかる事で有名なアメリカ・モンタナ州のヘルクリーク層で発見され、植物や小動物卵などを食べていたと考えられている。


■サンゴ植物(Balanophora coralliformis)
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一見すると海底に住んでいるように見せるが驚くべきことにこの植物は標高1465~1735mの山肌に生息している。
サンゴに似た外見からこの名前が付けられ、Balanophora coralliformisは発見当時から50株ほどしか知られておらず即座に絶滅危惧種リストに登録された。
実際には寄生植物であり、宿主から全ての栄養素を取得するために光合成を行うクロロフィルを必要としていない。


■The X-Phyla(謎の動物門)(Dendrogramma enigmatica)
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キノコのように見えるが実際はオーストラリア沖1000mの深海にすむ多細胞生物だ。
他の新種生物と一緒に発見されたこのD. discoidsはクラゲや深海コームゼリーの仲間である可能性が高いと考えられているが、この2つのグループが持つ大きな特徴も持っておらず、信じられない事に分類学上2番目のクラスである動物門を新たに作る事になるかもしれない。


■歩く枝(Phryganistria tamdaoensis)
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世界一長いという訳ではないが、22.8cmはいずれにせよ短くはない。
その印象的なカモフラージュ能力のお蔭て昆虫学者が頻繁に訪れるベトナムの町タムダオではごく一般的な昆虫だったのにもかかわらず、同定を免れてきた。
世界一長いのナナフシはDatuk Chan Chew Lunがロンドン自然史博物館に寄付したChan's Megastickで長さはなんと56.7cmある。


■Fanged frog:牙を持った蛙(Limnonectes larvaepartus)
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外見的特徴は雄であると明らかなのだが、この生物の雄が何をするのかはよく分かっていない。
体外受精をする10数種類の蛙の中の1つであり、この種はその中でも独特だ。
この蛙の雌は受精卵を産むでもなければ蛙の形に変態した後の子蛙を産むでもなく、オタマジャクシを産み落とすのだ。
母蛙の内部構造を見るに、おそらくオタマジャクシは母蛙の排せつ物と死んだ兄弟の遺体を食べていると思われる。
(訳注:死んだ兄弟の遺体を食べるところから記事では牙を持ってると呼称していると思われる)


■死骸で家を作る蜂(Deuteragenia ossarium)
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中国のこの恐るべき蜂は自分の子供達を死骸で守っている。
雌蜂は卵を産む時に巣の部屋1つ1つに卵と一緒に蜘蛛の死骸を置いて土で蓋をするのだが、それだけに留まらない。
巣の入り口にたくさんの蟻の死骸を置いて塞いでもいるのだ。
これは蟻が発した科学的なシグナルが蜂の幼虫の匂いを塞ぎ、捕食者から護るためだと考えられている。


■クリスマス・パイナップル(Tillandsia religiosa)
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この生物もまたありふれた風景の中に隠れていた。
科学者に記録されたのはごく最近だがメキシコの村ではクリスマスの飾りとして普通に使われていた。
崖の急斜面に生え、12月から3月にかけて花を咲かせる。
色が赤と緑なので近隣の村がクリスマス飾りに使うのも不思議ではないだろう。


■ウミウシ(Phyllodesmium acanthorhinum)
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この小さな生き物は見た目以上の衝撃を与えた。
このウミウシはヒドロ虫を捕食する種とサンゴを捕食する種の間のミッシングリンクでもあるのだ。
更には他のウミウシとの関連の起源や腸内に住む藻類の研究のためにも役立っている。
この藻類はウミウシの体内を安全な家とする替わりに光合成を行って栄養を提供している。


■モロッコのとんぼ返りをする蜘蛛(Cebrennus rechenbergi)
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危険が迫った時、この蜘蛛は単純に逃げたりはしない。
転がるのだ
危険から離れるために後方回転をするのではなく、前に転がっていくのだ。
研究者はこの蜘蛛が生息しているのは隠れる砂が少ない場所の為、攻撃こそ最大の防御となるからだと考えている。
正式な名前が付けられる前からこのとんぼ返りをする生態は生態模倣ロボットに取り入れられていた。





●バンコク、タイ:男性
とんぼ返りしようが蜘蛛は怖い。

●不明
むしろ地獄から来たローリングスパイダーだね。

●不明
ウミウシはクールだけどとんぼ返りする蜘蛛はもっとクール。

●ムールーラバ、クイーンズランド州、オーストラリア:男性
凄いな。
ミステリーサークルはエイリアンが作ったとみんな言ってたのを思い出した。
地球の自然は本当に驚きだな。

●マーサー、ペンシルバニア州、アメリカ:男性
10年前にナナフシを見た事あるよ。

●不明
歩く枝ってずっと前から知られてたよね。

●アナンデール、ミネソタ州、アメリカ:女性
↑新しい種が発見されたんだって。
もしかして1種類しかいないと思ってない?

●ポートランド、メイン州、アメリカ:男性
これはかなり問題だな。
コカトリスが実在したとは。

●女性
とんぼ返りする蜘蛛?
この星から逃げ出す時が来たみたい。

●女性
一番の驚きは1年間で18000種の新種が発見されたって事!
人類はまだまだ学ばなきゃいけない事がたくさんあるって事を示してるね。

●ストロングスビル、オハイオ州、アメリカ:女性
今夜の悪夢をありがとう。

●男性
新種のウミウシってそんなに大事か?
いつも新種が見つかってるんだが。

●マニラ、フィリピン:女性
この蜘蛛は全蜘蛛のチアリーダーだね。
この蜘蛛に対する恐怖こそアラクノフォビア(蜘蛛恐怖症)だよ。

●マウントマーサ、ビクトリア州、オーストラリア:女性
ウミウシは綺麗だ。
死んだ蟻を集める蜂はやりすぎ。
これ以上の生き物が見つかったら怖くて死にそう。

●ジャクソンビル、フロリダ州、アメリカ:女性
地獄から来た鶏か…
美味しそう。

●リバティー、ミズーリ州、アメリカ:女性
伴侶のために輪を作るフグが素敵だね。

●女性
実はこのフグがエイリアンとか。

●タウンズビル、クイーンズランド州、オーストラリア:男性
母なる地球って結構いたずら好きなんじゃ。

●不明
自分はとんぼ返りが出来ないし、この蜘蛛は自分よりも才能があるな。

●女性
このフグは驚きだね。

●セントポール、ミネソタ州、アメリカ:男性
この蜂はとんでもなく賢いな。

●男性
全ての鶏は地獄から来ている事をみんなにも知って欲しい。

●ノーサンプトン、マサチューセッツ州、アメリカ
ミステリーサークルを作るフグが一番かな。
でもオタマジャクシを産む蛙ととんぼ返りをする蜘蛛は不気味過ぎる。

●女性
ウミウシがかっこよすぎる。

●ガルフポート、ミシシッピ州、アメリカ:男性
この蜘蛛は近づかない方が身のためだな。

●アーバダ、コロラド州、アメリカ:女性
このフグ凄過ぎ。

●女性
ディノチキン?

●エディンバラ、ビクトリア州、オーストラリア:男性
何千年も経ってるのに今でも新種が見つかるんだな。

●男性
ウミウシが凄いな!
絶滅する生物もいるけど今でも新種が見つかるというのはクールだ。

●ビターン、ビクトリア州、オーストラリア:男性
地獄から来た鶏!オーノー!

●男性
フグが最高。




まったく世界は驚きに満ちています。
ちなみに世界には横転して逃げる蜘蛛というのも存在します。