japan_popcurture

アニメ、漫画、ゲーム等海外でも人気となっている日本発のポップカルチャーは多岐に渡っています。
イギリスのサイト『THE SPECTATOR』が何故日本はポップカルチャーで世界を席巻しているのか記事にしていました。


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大陸から離れた島国がある。
その国は軍事力によって帝国を拡大し、貿易によって国を高めた。
全ての帝国がそうであるように、その帝国もまた歴史の中で衰退していった。
しかし、その島国はそれで終わる事は無かった。
軍事力や経済力よりももっと素晴らしい別の方法で後を引き継いだのだ。
それはポップカルチャーだ。
そのテリトリーは今や君の家のロビーにあるテレビや君の耳に掛かっているヘッドホンにまで広がっている。

イギリスの事じゃないかって?
確かに我々はしばしばそう自慢している。
ビートルズに始まり、今年はオスカーにもノミネートされ、我々の国は文化的にかなりパンチ力がある。
しかし、私の頭の中には別の島国が浮かんでいる。
人口当たりでパンチ力は2倍も重く、遥かに多くのパンチを持った国。
日本だ。

もし君が日本の影響力を見たいのであれば今週地元の映画館に行くと良いだろう。
ディズニーの最新映画『ビッグヒーロー6(ベイマックス)』がリリースされているから。
悪役に立ち向かう少年と彼のロボットというプロットは格別際立っているわけではない。
しかし、スタイルと舞台は際立っている。
舞台は素敵素晴らしい未来都市のサンフランソーキョー…完璧なハイブリッド…のはずだ。
赤レンガのオフィスの上には煌びやかなネオンサイン、ケーブルカーの角には紙で出来た提灯が揺れている。
ウォルト・ディズニーまで日本人になっているのだ。

オタクならここで即座に『ビッグヒーロー6』の原作はアメリカのコミックだと指摘するだろう。
この映画はディズニーが大枚をはたいて自分の物にしたマーベルのキャラが初めて登場するディズニー映画でもある。
しかし、コミックをサッと読み通してみると――特に2008年にデビッド・ナカヤマが2008年に描いた5冊のシリーズを―――これは明らかにアジアを先祖に持っているのが分かる。
舞台が日本であるだけでなく、日本の漫画から色んな物を参考にしているのだ。
巨大なメカニカルバトルスーツ、巨大なツンツン髪等々。
ディズニーバージョンには取り入れていない部分もある。

日本とアメリカ文化の混合はここ何十年も続いていて、第二次世界大戦後すぐには(映画監督の)ジョン・フォード監督が初めて黒澤明の映画のセットに訪れている。
彼はスタジオを去る時に”監督によろしく伝えておいてくれ”とスタジオスタッフの1人に伝言を残した。
しかし、13年後に彼は自分自身でそれを伝える事になる。
黒澤明がジョン・フォードのスタジオを訪れた時、その場にいたキャストとスタッフは全員立ち上がってこの日本人の監督を出迎えた。
戦争の恐ろしい記憶もこの2人のアーティストの繋がりを断ち切る事は出来なかった。

それでもこの太陽(日本)の光を全身に浴びているのは戦後世代の人々だ。
過去30年間のおよそ全ての子供達が日本発の物に熱狂している。
トランスフォーマ―、パワーレンジャー(スーパー戦隊シリーズ)、たまごっち、ポケモン等々等々…
そしてこれらは一緒になって異なるメディア間を吹き荒れている。

この文化的な侵攻の背後にあるものの1つはもちろん金だ。
おそらくは島国であるという状態に日本が他の世界に自分や製品を売り込むコツがあるのだろう。
その一例がポケモンやその他多くのゲームの背後にいる会社、任天堂だ。
任天堂はアメリカでゲームコンソールを何百万台も売る前からアメリカに進出していた。
どうやら、当時の社長だった山内溥は1959年代にディズニーの幹部と打ち合わせをした時に触発されていたらしい。
彼は祖父が行っていたトランプビジネスを世界展開する事に心血を注いでいた。

人々がしばしハリウッド映画に対してそうしているように、会議室から出るアートを冷笑する事は簡単だ。
しかし、日本の文化が日本の生み出すコンテンツの品質によって維持されているのは紛れもない事実でもある。
任天堂の生み出したもっとも有名な子供(キャラ)であるマリオはアメリカのアーケードゲームを維持するために生まれたとはいえ、クラシックなファンタジーや日本の民話伝承で描かれた世界の住人だ。
もしマリオの背景に何もなかったら、君達の子供はマリオの描かれた弁当箱やパジャマにエキサイトする事も無かっただろう。

そしてそれは子供達の為だけではない。
日本は大人のための娯楽も好きなのだ。
これは著名な人類学者だけが説明できる事だと思うが、かの国の文化の最も奇妙な事の1つに思春期を越えて続いていくという点がある。
もしとある人物が12歳の時に漫画やアニメに嵌ったとしたら、何故その人物が14歳、40歳、果ては80歳でもそのままでいてはいけないのか?
年齢に応じて興味の対象は変わっていくだろうが、形式を変える必要はないのだ。
現在Breakdown Pressから英語版の作品が出版されている松本正彦は1950年代から大人のために犯罪をテーマにした漫画を販売していた程だ。
日本で大ヒットし西洋でも人気が爆発した最新の作品も大人を対象としている。
その1つが漫画が原作の『進撃の巨人』というアニメだ。
全体の感触を掴むためにもまずは最初の1話を見る事をお勧めする。
肌の無い巨人が都市を囲む塀越しに覗き込むシーンは実に素晴らしい。
最終的に他の巨人達は街をヒエロニムス・ボッシュの三部作のような姿に変えていく。
主人公は逃亡の途中で母親が巨人に半身を食われ、血飛沫がスローモーションの雨粒の様に地面に降りかかる所を目撃する。
こんなのは日本だけだ。

しかし、他の国も学びつつある。
その様子は1995年に『トイストーリー』を作った会社、ピクサーの作品で見る事が出来るだろう。
当時のピクサーのメンバーは今ではディズニーの幹部になっている。
数年前、彼らは日本の偉大なるアニメ監督・宮崎駿を褒めちぎっていた。
(宮崎駿は)大人も楽しめる子供のための作品を作れる、と。
これは仕事をする年齢になっても子供時代の楽しみは終わらないという事を示している
しかも現金まで持っているのだから。

金の話をするのなら、先週は20周年記念バージョンのソニーのプレイステーションがチャリティオークションで12万9000ドル(約1500万円)で落札された。
これは週末に公開される『ベイマックス』のチケット13000枚分に当たるが、これも同じ現象の1部分に過ぎない。
サンフランソーキョーにようこそ、国民は我々全員だ。




●sakusakusakura_nyo
日本製のものはクールだからね!

●Jim Dawkins
子供だった70年代に日本に住んでたよ。
日本のカートゥーンやオモチャは当時アメリカで出回っていたそれと比べて信じられないくらいだったね。
オモチャのロボット、マトリックスのような漫画、携帯型のゲームですら1978年ごろにはもうあったんだ。
こういう日本の製品は1980年代になるまでアメリカでは販売されなかったな。

●BabsonTask
こういう”インスパイア”は新しい事じゃない。
『ライオンキング』が『Kimba the White Lion(ジャングル大帝)』にインスパイアされたりね…

●Tigress
↑『ライオンキング』は『ジャングル大帝』よりも『ハムレット』にインスパイアされてるんだ。
手塚治虫とディズニーの関係はずっと良好で(手塚治虫のアニメは『バンビ』や『白雪姫』に触発されてるし、『ジャングル大帝』をカラーにするために虫プロはディズニーのスタッフを雇った事もある)『ジャングル大帝』と『ライオンキング』で似た点はメインキャラであるライオンの見た目と名前が似ている位だ。
でも、日本のポップカルチャーはこの記事で指摘している以上に多岐に渡って進出してる。
70年代後半から80年代の西洋のアニメ番組は日本のアニメスタジオに委託していた所も多い。
海外の製作会社は日本のアニメスタジオに光を与え続けて、『AKIRA』や『風の谷のナウシカ』、『蛍の墓』といった実験的な作品を作るための資金を提供してたんだ。

●Tigress checker
『ライオンキング』と『ジャングル大帝』の関連性は名前だけじゃないぞ。
もっと『ジャングル大帝』を見たり読んだりした方が良いな。
ひょっとしたら初めてかもしれないが。
『ライオンキング』のストーリーは『ハムレット』に影響されているかもしれないけど、主要なストーリーボードとキービジュアルは間違いなく『ライオンキング』からだ。
名前以上に、様々なビジュアルシーンレイアウトやストーリーポイントが影響を受けてる。
両作品の類似性を検証したサイトはたくさんあるし、『ライオンキング』のクリエイターが好印象を持つような内容ではないな。
名前が似ていてどちらもライオンだというにはあまりに似た所が多すぎるんだ。

●SackTheJuggler
自分がそうでもないけど、友達が毎年日本を訪れていて行く度に日本の物を好きになっているな。
(SF作家の)ウィリアム・ギブスンが日本とイギリスは色んな部分が似ていると言っていたのを思い出した。
人口過密な島国で、他国の人間には理解できない様々な社会習慣や生活習慣が根付いていると。

●Colonel Mustard
↑違うのは日本は今でも日本で、多文化には陥っていないという点だな。

●Ortega
こういう”日本のカートゥーンは西洋のカートゥーンよりも優れている”という風潮にはうんざりだ。
事実としてそうかもしれないけど、全く意味がない。
日本とアメリカではアニメの立ち位置が全く違うから。
日本のカートゥーン(アニメ)はあらゆるジャンルに渡っていて、20歳以上の人達をターゲットにしている。(セオリー上では)
アメリカのカートゥーンは基本的に子供を対象にしたコメディだ。
これは別に日本の製作者がアメリカの製作者よりも才能があるとかじゃなくて、単にアニメに対する見方の違いなんだ。
みんなだって日本の実写映画がアメリカの実写映画よりも優れているとは思っているとは思えない。
もしアメリカが20歳以上の視聴者を対象にしたSFアクションアニメなんかを真剣に作ろうと思ったら日本のアニメよりも良いものが出来ると思う。
それに現在の日本のアニメはアメリカのカートゥーンよりも優れているだろうけど、ほとんどのアニメは大人の目から見たらせいぜいが平凡って所だ。
特にテレビシリーズとなると顕著だね。
大人の目から見て良作だったり傑作だったりするテレビシリーズのアニメは過去の作品を含めてごく僅かだ。

●lolipedofin
>それに現在の日本のアニメはアメリカのカートゥーンよりも優れているだろうけど、ほとんどのアニメは大人の目から見たらせいぜいが平凡って所だ。
>特にテレビシリーズとなると顕著だね。
>大人の目から見て良作だったり傑作だったりするテレビシリーズのアニメは過去の作品を含めてごく僅かだ。
それってアメリカのテレビ番組(ドラマ)でも同じことが言えないか?
もし真面目にアメリカのドラマの凡作と良作の比率を調べてみたら、日本のアニメのそれと大して変わらない結果になると思うぞ。
確かに平凡なアニメも多いけど、一旦素晴らしい作品に出会ったら度肝を抜かれるぞ。
もちろんアニメに嵌っているという前提での話だけど。
それから、日本のアニメがたくさんの視聴者が支持する事で成り立っているのは称賛するような事じゃないという主張だけど、”(日本でアニメが人気なのは)みんながアニメを好きだから”という言葉で却下する事は出来ない。
それはあまりにナイーブだ。
マーケットが存在するのはアニメスタジオがクオリティ高い作品を豊富に提供し、業界が自分達の製品のデザインや場をしっかりと管理してるからなんだ。
それにアメリカに大人向けのカートゥーンが無いという事もない。
シンプソンズ、ファミリーガイ、サウスパーク…どれも明らかに子供向けじゃない。

●Ortega
>それってアメリカのテレビ番組(ドラマ)でも同じことが言えないか?
イエス、でも自分が言いたいのはそこじゃない。
自分が言いたいのは、西洋のアニメ賛美者が日本のアニメは独創的で高品質なメディアで西洋のそれよりも遥かに優れていると喧伝されているという事なんだ。
日本にだって『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ブレイキング・バッド』が好きな人は大勢いるはずなのに、そういう人達はアメリカのドラマを周囲に褒めちぎったり、アメリカドラマオタクにはなっていないはず。

>それにアメリカに大人向けのカートゥーンが無いという事もない。
>シンプソンズ、ファミリーガイ、サウスパーク…どれも明らかに子供向けじゃない。
そう言うアニメを見てるのは間違いなくほとんどが20歳以下だよ。
どういう人間が見てるのかは知らないけど

仮にそういうアニメを大人向けだとカテゴライズするとしても、そういうカートゥーンの内容的にアメリカのカートゥーンが子供向けであるという考えを改めるつもりはないな。コメディじゃない、十代後半やそれ以上年上の視聴者を対象にしたアメリカのアニメがどの位ある?

●lolipedofin
アメリカの娯楽文化は世界的に普及していて、好きでってもアメリカ娯楽のオタクだとは言えない状態になってる。
自分は毎年ハリウッド映画たくさん見てるしコメディドラマも見てるけど、もしこれがアニメだったら自分の事をオタクだと言ってただろうな。
そう、メインストリームではないから。
アニメはニッチだからファンはもっとアニメを広めなきゃと考えてる。
これは凄く自然で理解できる考えだと思う。
それから、アニメのメリットは凄くクリエイティブなメディアだという点もあるね。
アニメは西洋のメディアよりも遥かに制約が少なくて、厄介な論争や議題から距離を置く事が出来るし、アメリカの様に過剰にチーム製作しているのではなく製作者の個々の希望が反映されていていて、製作者がより自由に作れるようになってるから。
それに日本と他国の文化の違いが視聴者にとって興味深さを生んでると思う。






日本のアニメや漫画は今では世界中にファンを持っていますが、作品自体は特に世界を意識しているわけでもなく日本の習慣や文化、伝統を盛り込みまくっているのは特徴と言えるかも。
それでいて海外のネタもバンバン入れているし。
今では日本で放送された直後に同じアニメが全世界に向けて配信され、少年ジャンプの人気作品も日本と同じ週に海外で電子配信される等、数年前から比べても著しく情勢が変わってきています。
『ベイマックス』だけでなくハリウッドは日本の漫画やアニメを原作にした映画化を数々発表しており、この傾向はしばらく続く事になりそうです。
追記:一部訳と文言を修正。ご指摘感謝です。



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