kanna

日本と西洋では木工で使う鉋も大きく違っており、日本の鉋が引いて使うのに対して西洋の鉋は押して使います。
海外の木工家が集うサイトで日本の鉋と西洋の鉋について語り合っていました。


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●日本在住
OK、自分は日本に住んでいて日本の鉋などにアクセスできる。
自分はみんなが使っているようなスタンレー/リー・ニールセンタイプの鉋(西洋鉋)をずっと使ってきてたんだけど、良い仕事をするのはどっちなんだろうか?
自分が言えるのは、日本の鉋は使うのに修練を要求するけど上手く嵌れば最高の仕事をするという事。
自分は間違ってるだろうか?それとも合ってる?

●ミネソタ州、アメリカ
木製鉋であろうと鉄製鉋であろうと引き鉋であろうと押し鉋であろうと切れ味が重要だ。
日本に住んでいて日本の鉋にアクセスできるならそっちを使えばいいんじゃないかな。
”ローマにおいては…”ってね。

●ローレンスタウン、カナダ
道具の性能は使い手で決まる。
日本の鉋を”手間が掛かる”と評する人もいれば西洋の鉋を”大雑把”と言う人もいる。
極論(且つ主観)を言えば、重要なのは結果であって道具ではないかな。

●ウェリントン、ニュージーランド
日本鉋と西洋鉋、それぞれの背後にある哲学は全く別物だ。
日本鉋の場合その価値のほとんどは刃が占めてるけど西洋鉋だと大きな価値はボディの中等にあって鉋全体に均等に分配されてる。
最近結構まともな日本鉋をゲットしたけど(常三郎土性骨)、自分は東洋の鉋に傾きつつあるかもしれない。
素晴らしい性能だし、個人的に金額に対して素晴らしい価値があると思うね。
しかも箱出しで使えるし、技術習得も必要なかった。

●カトゥーンバ、オーストラリア
実際の所はわからない。
が、実際使ってみた感じだと自分は日本の鉋の方がコントロールしやすいらしい。
調整がかなりの割合を占めるけど、それでも仕上がりがかなり早いんだ。
一度使ってしまえば自分の技術とかやってる事に気を付けなきゃいけない事もない。
ただ使うだけだ。

●ミネソタ州、アメリカ
鉋は哲学よりも物理学だ。
鋼の良さは世界的に同等で、木は木、人は人だ。
鉄にとって最良のベベル角(刃先角)、対象の木材に特化したベッドの角度は世界どこに行っても変わらない。
もしテーブルに西洋鉋と日本鉋があって同じ目的に使うとしたら、自分は刃が研げてる方を選ぶね。
それから、これは木製の鉋と鉄製の鉋の比較だけど、これは西洋の鉋単体でも実行可能なものだから問題を混同してはいけないのが重要だという事。
3つのパーツからなっていて木製のボディの西洋鉋を持っている友達がいるよ。

●ウェリントン、ニュージーランド
>鋼の良さは世界的に同等で
日本を除いてね。
日本の鋼はもっと良いよ!

●パース、オーストラリア
忘れがちなのは両者が異なる文化で使われてきたという事。
日本と西洋の木工家が伝統的に使ってきた道具には違いがあるんだ。
スタンレーの#4鉋を床に座って使ってみれば何故日本の鉋と鋸が作業ポジションにおいてより効果的かすぐに分かると思う。
何を切ったり鉋掛けするかによるけど、立った状態で作業するなら日本の鋸や鉋は効果的だけど、その逆は必ずしもそう(西洋の方が良い)とは限らない。

●日本在住
OK、じゃあ自分は横坂正人(横坂刃物工房)の鉋を探してみようと思う。
彼のようなトップクラスの職人達でそれぞれどういう違いがあるか知ってたら教えて欲しい。

●オーストラリア
東と西、名品か安物か、一番の差は押すか引くかだね。

●バンクーバー、カナダ
横坂正人の鉋は手で鍛えた刃物を使ってるし、素晴らしい使い心地だろうな。
大きな違いは使ってる刃の素材にあると思う。
西洋鉋も同じだけど、高い鉋はたいてい滑らかな鉋だね。
自分は使い方を習った人から買ってる日本鉋の方が馴染みがあるかな。
ほとんどの西洋鉋/鉄製鉋は日本鉋に同等の働きをする物があるし、日本鉋には多彩な調整方法がある
だから、自分としての提案は正しい調整をすれば素晴らしい性能を発揮する低価格帯の工具を買う事かな。
そうすればより高い工具を買った時によりその性能を引き出せるしきちんと管理できるようになるからね。

●アデレイド・ヒルズ、オーストラリア
柔らかい木を加工する時は日本の鉋を使うのが好きかな。
日本の高炭素鋼は焼きが入っているから西洋鉋で使われている高炭素鋼よりも長持ちするしね。
ハードウッドになると(オーストラリアには世界最硬の木がある)焼の入った高炭素鋼でも刃が立たなくて、高速度工具鋼(HSS)ですら苦労する事もあるんだ。
日本の刃物メーカーは高速度工具鋼の鑿を作っているけど、高速度工具鋼の鉋はなかなか無いね。
だからハードウッドには自分の使ってるHNT Gordonの60°鉋とか高速度工具鋼の刃がある西洋鉋の方が良い選択肢になる。
ピッチ(角度)を付けたHSSブレードはそういう木に対してかなり良いね。
木製のボディの鉋(日本鉋)は一度知ってしまえば調整に掛かる時間は鉄製鉋よりも短くて済む。
本体と刃の調整と違って刃その物はまた別の問題。
(日本の)鉋(と鑿)の刃は準備とメンテナンスにかなりの努力を必要とするけど、柔らかい木や中程度の固さの木の時は仕上げ面のクオリティや刃の寿命などでその努力は報われるね。
自分は東西の鉋をどっちも持ってるけど西洋の鉄製鉋よりも(日本の)木製ボディの鉋を使う事が多いかな。
西洋鉋を使うのは超ハードウッドを加工する時だけだ。

もし自分が日本にいたら(あるいは北半球にいたら)絶対に日本の鉋を使うだろうな。

●ニューキャッスル、オーストラリア
どっちがどっちよりも良いという事は無いと思う。
自分は東西どっちの工具も持ってる。
ハンマー、鋸、鑿、鉋、チョークライン(墨壺)等々。
これらは結局弓に対する弦に当たる訳で、その時々の材料で最高の働きをする物を選ぶだけだ。

●ローレンスタウン、カナダ
↑その通り。
どっちが良いとか悪いではなく、違いがあるだけ。

●ブリスベン、オーストラリア
疑問を喚起する良い方法は、日本とヨーロッパの職人、どちらが己の工具を上手く使ってるか?だと思う。
どちらにしろ議論が出てくるだろうな。

●メルボルン、オーストラリア
東洋の工具に西洋の材料保持方法を組み合わせたらどうなるんだろうかと思った事がある。
自分はまだちゃんとした工作代は持ってないから鋸はソーベンチか床で使ってるんだ。
今は鉋掛け(自分の西洋鉋)が効果的にできないから色んなステージに対応した西洋の工作ベンチを作ってみたいね。
自分は日本の鋸を3丁持ってて、自分の持ってる鋸に関してだと両刃鋸は柄が床に向かっている時がベストだと思った。
つまり重力を利用して真っ直ぐにカットすると。
材料の下に潜り込んでカットしたい位。
別に材料をバイスに挟んだ時にしゃがんだり屈んだりする必要があるという訳じゃない。
日本の鋸と西洋の作業台を一緒に使った事のある人は他にいないだろうか?
何か問題はあった?

●キャンベラ、オーストラリア
↑自分も日本の鋸を持ってるよ。
持ってるのは小さなアリ継ぎ用の鋸だけだけど。
何度も使ってみようとしたけどアリ継ぎの場合はバイスで挟んで小さなPax Gents鋸の方が正確に切れるかな。
理由は単純で、子供のころから父親が西洋の鋸を使うのを見てきたし、ずっと西洋の鋸を使ってきたからだ。
何度となく押し切りで切ってきて、それから引き切りに変えようとした訳だな。
難しいのは今までやって来たことを全て無視しなきゃいけない事だね。

●シドニー、オーストラリア
自分はエキスパートではないけど西洋の鋸と日本の鋸を何年も使ってきた。
日本の鋸で切り離したり一部を切り取ったりする時は凄く低いソーホース(鋸台)(高さ20cm位)を使って立って足で材料を押さえて使ってたね。
柄は上を向けて、重力に逆らって使ってた訳だ。
継ぎ手を作る時は西洋のバイスに材料は垂直に挟んで水平に鋸を使ってた。
(柄は水平か若干下向き)

●メルボルン、オーストラリア
↑興味深いね。
自分が会った日本人木工家、オダテ・トシオ(アメリカで活動している日本人木工家)だったかな?は君と同じように凄く低い鋸台に足で材料を押さえて板を切ってたな。
もし自分が真似しようとしたら伝統的な西洋のソーベンチでは(足を乗せるには)背が高過ぎるし、立って使うには低すぎるだろうな。

考えてみると近代木工はおぼろげに大量消費に抗ってはいるけどリー・バレー(工具会社)のカタログ的思考に陥ってる気がする。
両者の製品の機能が一目で分かるのが良いと、常に工具を”機能”で考えざるを得なくなってるんだ。
でも、この方法で工具を比べるのが良い事かどうかわからない。
リンゴとオレンジどっちが優れているかのように意味のない質問なんだよ。
日本の鋭い工具が西洋式の工具よりも優れているとか劣っているという事じゃない。
どちらも大体同じくらいの時間で同じ様な結果が得られるんだ。
凄く鋭い日本の鉋で作ったものと凄く鋭い西洋の鉋で作ったもの、出来た物はどちらを使ったのか判別できる人はいないと思う。
大事なのは使う人間がどっちを使えばより楽しく快適かという、好みの問題なんだ。
(その人の体験や練習が重要な要素になってくるのはそのため)
とはいえ、どちらかの方が好みという事はあると思う。
自分は西洋鉋が好きで、それは手に入るという事とレストアが楽しいから、それに緑青と製品に込められた職人魂、古い製品の歴史が好きだからだ。
鋸は東洋の鋸が好きで、これは安いのと背筋を大きく使って切るのが凄く直感的だと気付いたから。
もし安い日本鉋がゲットできるなら絶対に使ってみると思う。

●アデレイド・ヒルズ、オーストラリア
自分は鉋と同じように鋸も日本の鋸と西洋の鋸を頻繁に切り替えて使ってる。
どちらにもそれぞれの強みがあるからね。
引き刃の鋸で切っても切るラインに切り屑が乗る事もないし。
これは押し刃の鋸を使っても同じ事。
自分の場合は刃全体を使って引き切れるようにアウトドアテーブルみたいに高い位置で材料を固定してる。
でも、自分は実に西洋人だからオダテ・トシオの本に書いてるように床に近い位置で鋸を使うのは快適ではないんだよね。

●オースティン、テキサス州、アメリカ
日本鋸と西洋鋸をどちらも使った事がある。
色んな作業台でアリ継ぎから切り離しまで色々。
12年前にオダテ・トシオのセミナーを受けてから日本鋸を使い始めたな(それまでは40年間電動も手動も西洋の工具を使ってた)。
日本の鋸は早くて(3/4インチ(約1.9cm)厚のアリ継ぎが3ストロークで切れる)軽くて、扱いやすくて垂直でも水平でも真っ直ぐ切れると素晴らしい体験を提供してくれる。
ハードウッドでもソフトウッドでも使えるし。
これは日本の鑿や金づちでも同じだったな。




実際どちらが優れているかというよりもどちらを使いなれているかの方が重要なのかも。
余談ですが海外のホームセンターは日本と全く違う製品が売られてて(当たり前だけど)、結構楽しい。



角利 ミニ鉋 芯樫 42×150mm
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