hakase
credit:ynsuper/flickr.com

日本のメーカーが作る万年筆は海外でも評価が高く、多数のファンがいます。
とある海外の万年筆ファンが日本で万年筆ショップを巡った時の様子を紹介していました。


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●投稿主
明日日本を発って普通のルーチンに戻っていく。
万年筆を主眼に置いて東京、神戸、鳥取に行ってきた凄い一週間だった。
日本に行くのは2度目で前回はもう何年も前。
当時は万年筆に興味が無かったから東京や他の街のショップに行くのは今回が初めてになる。
日本の人々や文化が大好きだから飛行機から降りた瞬間にリラックスして静寂さを感じたね。

それから個人的な注記。
自分は近くにペンショップにない場所で4年間暮らしてるからほとんどのペンはオンラインで買ってる。
だからブリック・アンド・モルタルストア(実店舗の事)に行くのは凄く新鮮だった。
自分はニブ(ペン先)や特定のモデルについて幾つか誤解してて、実際に試してようやくその誤解が払しょくできたよ。
日本旅行のレポートはこの掲示板で人気があるし、どのレポートも楽しく読んでた。
このレポートを書く主な目的はこの旅行がごく最近のもので、来週とか来月とかに日本に行く予定の人にとって便利な情報になれればと思ったからだ。

東京
日本に到着してホテルにチェックインするまで数時間の空きがあったから最初の遠征をする事にした。
主に徒歩で。
実際4時間足らずで銀座と日本橋のペンショップはあらかた廻る事が出来た。
自分が泊まったのは東京駅の近く(北口側)だから自然と丸善オアゾから始まる事になった。
丸善はもちろん歴史的な本やチェーンでオアゾ支店は最近できた地下鉄と直結しているオアゾという複合商業施設の中にある。
そこにフロアの半分を使って文房具を扱っている所があった(それから喫茶店も)。
文房具エリアは有名ブランドを全て揃えたしっかりした万年筆コーナーがあった。
日本製もあったしパーカー(フランス)、デルタ(イタリア)、カランダッシュ(スイス)、モンブラン(スイス)等々…何から何までだ。
店員がフレンドリーなのは保証するし、好きなように試し書きも出来た。
(ナミキの蒔絵を使ったエンペラーシリーズは試さなかったけど、1000ドル(約10万円)レンジのペンの試し書きもさせてくれた)
特記的発見:ここはほぼ全てのセーラー(日本)のペン先のストックがある
中屋の万年筆を探してたんだけど残念ながら少ししか扱っていなかった。
(ほとんどが十角とピッコロだった)
このパターンは中屋万年筆を置いてた他の店でも繰り返しだった。(伊東屋、日本橋三越本店)
どうやら東京での中屋万年筆は既に売り切れてるかそれほど長期的な在庫が無いらしい。
それから十角は色んな所で見かけたからあまり人気が無いのかもしれない。

丸善から日本橋三越本店には続けていく事が出来て、ここには上階に素晴らしいペンのコーナーがある。
中屋も幾つかあったけどどれも定番の物だった。
インクはそれほど多くは無かったけど三越限定の赤インクはまだ売られてたね。
三越には徒歩かタクシーで行く事が出来る。
(タクシーは最低料金の720円位。地下鉄を使うと時間も掛かるし歩く距離も長くなると思う)

次は丸善日本橋と高島屋でこの2店は銀座の同じ道路にある。
丸善日本橋のペン売り場は地下にあってかなり広い。
が、中屋のペンも数本しかなかったしどうもあまり在庫な無いみたいだ。
ただしここにはセーラーのストーリアインクシリーズの新製品が置いてあった。
残念ながら予想通り昨年の3月に発売された限定版のパイロットカスタム845緑漆は売り切れてた。
それから高島屋についても述べたのは本格的なデパートには必ず複数の(モンブランだけじゃなく)ブランドを扱う大きなペンコーナーがある事に気付いたから。
そしてどのコーナーもペンやインクを試し書きしたり購入する顧客でごった返していた。
それが日本人と書く事の間に高度な交流がある事を物語っている。
(これでますます日本が好きになった)

同じ通りを下っていくと丸善のある側にモリイチという名前のお店がある。
残念ながらここにはパイロットのペンしかなかった。
(カスタム742、743が全種類あった)
通りの逆側にいけばパイロットペンステーション・ミュージアム&カフェに行く事が出来る。
(カフェはランチ時にはごった返している)
このミュージアムはペンの実物と様々なモデルの変遷を展示してある。
動画や道具で普段使っている筆記具がどのように作られているかも解説してる。
凄く楽しい場所だった!

平行する通りを下って遂に伊東屋に到着。
ペンは本店から1ブロック下った分館にある。(本店は工事中だった)
ワオ、日本や世界の極上のペンが2フロアに満載だ。
2階は蒔絵や限定版を扱うエリアになっている。
今回も丁寧な店員が自分の英語を理解しようと頑張ってくれた。
2階ではリペアをしてる所も見た。
ようやくここで中屋のロングの紫色を見つける事が出来た。
凄くリーズナブルな値段だ。
興味がある人がいるか分からないけど数年前に伊東屋限定で作られたナミキ・バニシングポイントの漆緑が今も売られてた。(5万円)

そこからあまり遠くない所にあるのがもちろんEurobox、中古の万年筆を扱うお店で有名だけど、そこに行く時間は無かった。
それからKingdom Note(閉まってた)、Pen Boutique 書斎館など他のホットスポットにも行けなかった。

Tokyo Pen Shop Quillに行くために鉄道を幾つか乗り継いで(合計45分位)東京の郊外にも行った。
このお店は素敵なカップルが運営していてここでパイロット845の特製の漆赤を買ったよ。
このお店はパイロットのペンと幾つかの紙製品のみを扱っている。
お店を経営している店主はペン先調整の経験が確かなようで彼は自分の持っていたインク漏れの知識を修正してくれた。
ここは凄くリラックスできる場所で、どんなペン先も腰を据えて試す事が出来る。
パイロットのWAニブには本当に感心したよ。


鳥取
今回の旅行のハイライトは鳥取県にある万年筆博士のショップに行く事。
ここでペンマスターの山本竜と出会った。
竜は自分と同世代で凄くフレンドリーな人物だ。
彼が自分の個人的なメールに応えてくれて、彼と会話まで出来た事は本当に驚きだった。
(自分が頭に思い描いていた寡黙な職人とは正反対だった)
彼は私のおかしな書き方を観察し、自分の買った博士のペンは自宅に届くのを待っている…2016年3月だ。
幾つか彼のペンを試させてもらったけど、このうち何本かは今まで書いた中で最も滑らかなペンだったと言いたいね。
最終製品を見るのが楽しみだ。

鳥取に行くということ自体も1つの体験だった。
ここには鳥取砂丘というアトラクションがあり、海産物も最高に美味しかった。
東京から鉄道を使って5時間(新幹線、のぞみで姫路まで行って姫路から鳥取までは特急スーパーはくとで1.5時間)
姫路は日本で最も豪華な城のお膝元だから行った事が無ければお勧めだ。


神戸
東京へ戻る道の途中で神戸に立ち寄った。
ここは立ち寄る価値がある街だ。
神戸では三宮センター街にあるナガサワ文具センター・ペンスタイルデンに行ってきた。
何という驚き!
このお店は巨大な書店の一部で素晴らしい在庫があってしかもビンテージものや中古も展示してあった。
中屋万年筆の種類も豊富(ここで2本目を買ったよ)。
もちろんここにもショップ限定のインクが売られてて、セーラーをモデルにしたショップ限定ペンもあった。
買ったペンのペン先を交換する事も全く問題なしだった。
ナガサワは神戸の文房具メーカーで他にも幾つかの店舗がある。
ペンスタイルデンはナガサワのペンの旗艦店だ。

来年また日本に行きたいね。出来れば桜の咲く3月に。
日本は旅する理由のある最高に美しい国だ。
このレポートが東京や他の街を旅する予定のペン愛好家にとって助けになる事を期待してるよ。

●香港
詳細なレポートをありがとう!
凄く楽しく読んだし次に日本に行く時に東京以外のペンショップに行くのが楽しみになってきた。
どんなペンを買った?

●投稿主
↑注文のみだった博士のペン以外だと
1)中屋のロングライターの紫
2)中屋のロングシガーのオレンジ(合うデスクスタンドが必要だ…)
3)ナミキ・バニシングポイント2014年限定カッパー
4)Tokyo Pen Shop Quillで買ったパイロット845朱漆

インクも買ったけど成田空港のチェックはインクボトルに関して並々ならぬ興味を示すと聞いてたからごく少数しか買わなかった。
買ったのは3本だけ。
次の買い物は2016年の予定!

●テキサス州、アメリカ
自分が日本に行けるわけじゃないけどこのレポートは楽しかった!

●カナダ
情報をシェアしてくれてありがとう。
また日本に行きたくなってきた!

●セントポール、ミネソタ州、アメリカ
日本へのバーチャルトリップをありがとう!

●不明
金沢や岡山、高松などあまり知られていないペンショップの事を知るまでもうちょっと待ってほしかったかな…

●ベルギー
素晴らしいレポートをありがとう!
日本旅行を計画する時に凄く参考になると思う。

●ルーマニア
レポートをありがとう。
自分は数週間前に大阪のお店に行って来ただけだ。
中屋のペンもあったけど多かったのはセーラーとパイロットで蒔絵や漆塗りの万年筆もあったよ。

●ワシントンD.C.、アメリカ
レポートサンクス。
6月に日本に行くから買い物遠足に行く助けになると思う!

●インドネシア
自分も同じ旅行が出来たら。
凄く羨ましいぞ。
日本語は話せないけどいつか自分の旅行で同じルートを辿ってみたいな。

●ニューヨーク市、ニューヨーク州、アメリカ
素晴らしい記事だった!
投稿主がペンの買い出しをメインに日本旅行しただけじゃなく(投稿主は東海岸出身に違いない)日本で万年筆文化がしっかり息づいている事にびっくりした。
ニューヨーク市だと本格的なペンショップは1店しかなくて在庫もないしニューヨークの紀伊国屋のカウンターに売られてるペンは値段が高い。
時々この惑星で万年筆を使ってるのは自分1人だけなんじゃないかと思う位だ。
イタリアでもペンショップに行ったけどメーカーの中には廃業した所もあると知ってこれはもう情熱は死んだと思ってた。
だから万年筆復活の兆しがあると聞けたのは嬉しいね!
それから実店舗はオンラインとも競合できると思う。
(特に試し書きに意味がある万年筆は)
サンクス!

●投稿主
↑自分は今東南アジアに住んでるんで東京までは飛行機で5~6時間位。
でも出身はイタリアで、当時は普通にペンショップに通ってたぞ。
街には4~5軒のペンショップがあった。
自分が国を出る時には3軒に減ってたけど。
今はたぶん2軒になってるだろうな。
イタリアと日本のペンショップの大きな違いは日本では基本的に定価で値引きが無い事だね。
でも円安になってるし、そんなにきつくはない。
とにかく、日本は色々な理由の元に行く価値がある素晴らしい国だ!

●不明
素晴らしく詳しいレポートだった!
素晴らしい情報をありがとう。
投稿主が羨ましくなるペンショップを堪能しててハッピーだよ。

●サンフランシスコ・ベイエリア、カリフォルニア州、アメリカ
ペンを買うなら日本は最高。(他のものも)
しかも東京に行くのはそんなに高くないし。

●シンガポール
先週出張で東京に行ったから幾つかのペンショップに行く事が出来た。
銀座の伊東屋は絶対に行くべきだな。
ただ見て廻るだけでも良いし、好きなペンを買ってもいい。
渋谷東急の3階にある伊東屋で色彩雫インクの小さなボトルを買ったよ。
ボトル3つのセットで好きな色を組み合わせられて2100円。
しかも日本は追加料金がかからずに素晴らしいラッピングまでしてくれる。
アサヒヤ紙文具店とTokyo Pen Shop Quillにも行ってきた。
ここはパイロットペンの専門店でナミキと紙製品も少数扱ってる…でも凄く素敵なカップルが経営してるんだ。
ここでパイロットの823WAを買ったよ。
次に東京に行った時も行こうと思ってる。






万年筆は密かなブームになってきていて、日本の万年筆は海外でも高く評価されています。
自分な好きな物の製造国に海外旅行をするというのは憧れるものがあります。



万年筆のすべて (趣味の文具箱特別編集)
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