bagging_0
credit:deltachem.net

日本の果樹では桃や梨、ブドウやリンゴ等に虫や病気、実割れを防ぐために蝋引きの袋をかける事がよくあります。
海外で果樹を育てている人達が袋かけについて語っていました。

引用元:growingfruit.org

スポンサードリンク



●ワシントン州、アメリカ
別の掲示板にも投稿したんだけどこっちの方が有意義だと思って。
まず最初に概略から始めて詳細を書いていこう。
自分はこの方法をした事は無くて、今年育ててる果物のほとんどにやってみる計画だ。
今は果実も小さくて硬貨位の大きさだから袋かけをするベストの時期だと思う。
色んな種類の果物に行う木になっている果実への袋かけは病害虫を有意に低減する事が示されている。
中国や日本等の国では何世代も前から伝統的に行われてきていて、19世紀にはフランスでも行われていた。

袋かけは非常に安価
袋かけはとても簡単で、おそらく少し退屈だ。
自分の読んだ限りではかなりの数の果実に袋をかけるのでもかなり早く行える。
ホチキスで留める人もいれば端に穴をあけたジップロックタイプの袋を使っている人もいる。
自分はまだやった事が無いからよくは分からない。

有害な薬品は無し
袋かけはリンゴや無花果、梨(※以下西洋梨の事)のように大きな果実に有効だ。
桃に袋かけをするという記事も読んだ事がある。
袋かけは腐敗を呼び込むこともあり得るから紙の袋で試してみようかと思う。
中国では桃の着色を防ぐために半透明の紙袋をかけるとも読んだ事がある。
サクランボはあまりに大変過ぎるだろう。
プラムやポポー(北米原産の果樹)に関してはよく分からない。
自分の育てているプラムは病気知らずで、唯一害になっているのは近所の子供達位だ。
もしポポーの木をゲット出来たら袋をかけてみようと思う。
袋の中で日焼けしたり焼けてしまう果実はないようだ。
複数の病害虫を素晴らしく防いでくれる。

bagging_1
credit:growingfruit.org

自分はまだやった事が無いけど今年はリンゴや梨、無花果の果実がまだ小さい時期にやろうと思っている。
おそらく他の果物にも。
自分が育てている無花果は沿岸性の気候からくる涼しい雨季や寒い秋のせいで熟すのに問題があるから袋をかける事で熟すのを促進して雨を防いでくれないかと興味があるね。
鳥による食害も防いでくれると思う。
今の所冬の間に用意しておいたポリスチレン製のジップロックタイプの袋がある。
それから鋏と普通の袋も。
読んだ文によると排水の為に袋の隅をカットしておくらしい。
自分が読んだ限りだと隅をカットしても虫が侵入してくる事は無いとか。
底が開いた袋を使っている人もいたね。
この方法は自分のように果樹を丹念に面倒見ている人には試す価値があると思うね。

●ミズーリ州、アメリカ
昔に袋かけの記事を読んだ事があるな。
このアプローチは凄く興味深いと思う。
自分は有機農家ではないけど殺虫剤にはちょっと恐怖症気味だから。
(祖父が1950年代にコロラド州でリンゴ園を経営していた。彼は70年代初頭に肺気腫で死亡したんだけどこれは使っていた農薬に原因があるんじゃないかと言われてたから)
今の所科学的な理由は何もないけど農薬を使うのには今でもちょっと気が引けてる。
誰か桃に袋かけをした事がある人はいないだろうか?
どんな袋を使ってる?
桃に袋かけをすると色が淡くなると読んだ事があるんだけど、自分としては見た目よりも味の変化が気になるな。

●サンディエゴ、カリフォルニア州、アメリカ
私も今年無花果に袋をかけるつもり。
今年初めて実をつけた核果(梅や桃など中心に大きな種のある果物)にもひょっとしたら食べる事が出来るかもしれないから袋をかけてみようかな。
布製の袋が1箱あるんでこれを桃とネクタリンに使うつもり。
これなら鳥やリスやネズミの心配もないし。
果実への袋かけ、6個の大きなベイトステーション(毒餌用の容器)、マイラーテープ、プラスチック製の鷹と梟の凧で対処していく。
これなら今年はチャンスがあるかも。
リンゴには絶対に袋をかけようと思う。
特にフジには。

●スターリングハイツ、ミシガン州、アメリカ
他家受粉を避けるためにトマト、ピーマン、木苺の花に袋をかけてるよ。
もっと実をつけるようになったらクレイスプレーを使う事になるかな。
※アメリカでは害虫管理のためにカオリン粘土を噴霧して樹木全体をカオリン粘土で薄く覆うという方法を使っている所がある

●ウィスコンシン州、アメリカ
何年かリンゴに袋をかけてるよ。
問題は75%の果実が袋の中で落果して大変な状態になってしまう事。
シギゾウムシのせいかな?
今年は花から果実が1/4インチ(約6mm)になるまでの間は農薬を噴霧して、それから袋をかけようと思う。
確かに袋かけは退屈だね。
ある年なんか2000個くらいリンゴに袋をかけたのに熟す時期に全然リンゴが無かった事もある。
袋かけを楽しんでる友達もいるけどね。

●ペンシルバニア州、アメリカ
自分の理解してる所だと袋かけは果実が半インチ(約12mm)になるまで待った方が良いとか。
袋かけはシギゾウムシには効果が無いから自分はシギゾウムシ用の農薬を2回かけてから袋をかけてる。

●アラバマ州、アメリカ
昨日梨50個に袋をかけてきた所だ。
これで袋かけをするのは3年目で、今まで素晴らしい結果になってきたから他にやってる人がいないかと情報をシェアしようと思ってた所なんだ。
自分の経験も出来る限り出していきたいね。
今は袋かけをする梨が300個ほど残ってる。
みんながどういう袋かけをしてるのか見るのが楽しみだ。
お互いにとって利益があると信じてるよ。

>問題は75%の果実が袋の中で落ちて大変な状態になってしまう事。
自分も途中で実が落ちてしまう問題を抱えてるけど流石にそこまでではないな。
去年は梨が半インチ~3/4インチ(約1.9cm)まで育ったところで幾つかの袋が地面に落ちてたのにショックを受けた。
これは6月の落果と呼ばれているものだと思う。
自分は花のうちから袋をかけてるけど、今度は袋かけの時期を伸ばせるようにカオリン粘土を噴霧してみようと思う。

●マサチューセッツ州、アメリカ
自分がネットで会った人達は袋かけにジップロックバッグ、ナイロンのストッキング/靴下、オーガンザ(レーヨン、ナイロン、絹などを使った平織生地)の袋、手術用のヘアネットのどれかを使ってる事が多かったね。

・プラスチックのジップロックバッグ
リンゴと梨に使ってる事が多かった。
自分が育ててる白梅にもかなり良かったよ。
梨は皮が固いからコドリンガ(ハマキガの一種)やナシヒメシンクイ(ハマキガの一種)を自分で防げるんで袋はかけてない。
リンゴだけかけてる。

・ストッキング
白とブラウンがある。
リンゴとか桃に使われてるね。
自分はリンゴに使ってる。
両方使ってみたけど結果は色々だったね。
コドリンガやナシヒメシンクイはソックスの周りに卵を産んでた。
茶色の方が効果はあったかな。
ストッキングはかけるタイミングがシビアで、ある年はちょっと待ち過ぎて被害が出た。

・オーガンザ
ブドウに使ってる人がいた。
桃にも使えるかどうかは分からない。
隙間が大きすぎるかもしれない。

・手術用のヘアネット
梅なんかに使ってる人がいたね。
複数の果実をまとめてくるんでたよ。

自分は農薬を全然使ってないけど何百個も袋かけをするのは退屈だし大変だ。
ストッキングはまとめにくいし。
ジップロックバッグはその点簡単だけどやっぱり大変だね。

6月の落果は確かに気がかりだね。
果実が小さいうちに摘果をすると10~20%落果を防げることを発見したよ。
コドリンガやナシヒメシンクイが襲ってくる時期だから6月まで袋かけを待つのは大変だと思う。

自分の新しい戦略はカオリン粘土かカオリン粘土とスピノサド(とある土壌放線菌が生産する活性成分でダニなどに有効。日本だとスピノエース)を混ぜたものを噴霧してから袋かけをするというもの。

●アラバマ州、アメリカ
↑自分もその方法だ。
次回は梨にカオリン粘土を噴霧しようと思ってる。
ここだとコドリンガが梨に与える被害は最小だけどリンゴが狙われてるね。
春に何回かカオリン粘土を撒けば梨には袋かけをしないでもいいかもしれない。

●レドモンド、ワシントン州、アメリカ
袋かけは烏にも有効かな?
東洋梨の木を持ってるんだけど去年は1/4位のサイズの時点で全部やられてしまったんだ。
あるいは木全体をネットで囲おうかと思ってる。
まだ木が小さいからそんなに難しくもないし。

●シカゴ圏、イリノイ州、アメリカ
自分はほとんどの果実に袋かけをしてるな。
ブドウ、東洋梨、桃、さくらんぼ、苺。
鳥、リス、アライグマが盗みに来るのを防ぐためで、効果があったのは東洋梨位。
残りは袋ごと持ってかれた。

bagging_2
credit:growingfruit.org

●レイク・バルボア、カリフォルニア州、アメリカ
鳥やげっ歯類がたくさん出る所は手製の金属製ネットをかけてる。
刺す虫や足のでかい葉虫なんかも防いでくれるね。

bagging_3
credit:growingfruit.org

●レドモンド、ワシントン州、アメリカ
↑このポーチは効果ありそうだね。

●マサチューセッツ州、アメリカ
>あるいは木全体をネットで囲おうかと思ってる。
木をネットで囲った方が良いと思う。
袋かけはとにかく退屈だから。
もし木をたくさん持ってるならそれぞれに何百も実をつける訳だし。
自分は木の数を減らしたよ。

●サンディエゴ、カリフォルニア州、アメリカ
>鳥やげっ歯類がたくさん出る所は手製の金属製ネットをかけてる。
どこでその網をゲットした?
見た感じホチキスで留めてるみたいだけど実が熟したらホチキスの針を外すわけ?

●レドモンド、ワシントン州、アメリカ
>木をネットで囲った方が良いと思う。
サンクス。
とりあえずネットで囲うか袋をかけようかな。
サイズがサイズだし、1ダースも実をつけたら成り過ぎってことになるから。
とりあえずは別の木を囲うネットを入手しようと思う。

bagging_4
credit:growingfruit.org

●アラバマ州、アメリカ
早くやる方法を編み出した。
トラックの荷台に乗って110個の梨の袋かけをしたよ。

bagging_5
credit:growingfruit.org

●ワシントン州、アメリカ
↑なんかモダンアートの作品みたいな梨の木だな。
トラックの荷台を使うのは良い手だね。
収穫もそれで出来るし。
自分の持ってるプラムの木は高過ぎて手が届かない事を思い出した。

●オランダ
ここ何年も理想的な果実保護としてパン用のパッケージを使ってるな。
ベンチレーション用の穴が幾つも開いてて大小さまざまなサイズがあって耐候性にも優れてる。
アメリカでは売ってないかもしれない。

bagging_6
credit:growingfruit.org

ネクタリン
bagging_7
credit:growingfruit.org
bagging_8
credit:growingfruit.org
bagging_9
credit:growingfruit.org

西洋梨
bagging_10
credit:growingfruit.org

●サンディエゴ、カリフォルニア州、アメリカ
パイナップル・ピア―(梨)の木。
花が咲いて結実したのは12~13個だったからかけるのは凄く楽だった。
4~5分だったかな。
素晴らしいアイディアをありがとう。
実際この梨の木から実を4個収穫して食べたよ。
今度はピンクパールアップルにもかけるつもり。
鳥からも防げるし、上手くいけばリスからも防いでくれるかも。
金属製の網をホチキスで留めてる。

bagging_11
credit:growingfruit.org
bagging_12
credit:growingfruit.org






果実への袋かけが一般的な日本だと専用の袋が安価で売っていますが海外ではそうもいかないのであの手この手で袋かけをしています。
知り合いの果樹農家は今年アライグマにサクランボが食われまくりだったとこぼしていました。
アライグマ許すまじ。






果樹の上手な育て方大事典―1240点の写真と340点のイラストで解説!
果樹の上手な育て方大事典―1240点の写真と340点のイラストで解説!