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credit:Hiroki kawata

日本の住宅建築はデザインや機能などで海外でも知られています。
海外のサイトで日本の住宅建築が何故優れているのかを紹介していました。


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『何故日本の建築はここまで凄いのか』

建築に通じている者にとって日本が設計の強豪であることは秘密でも何でもない。
しかし、何が日本の建築を作り上げているのか、特に住宅において何がそこまでユニークにしているのだろうか?
日本は楽々とクールであり、日本のようなミニマリズムをマスターした国は他にない。
だか日本は洗練されたデザインだけでなく突拍子もない家を設計する事で知られてもいる。
滑らかでミニマリストなデザインから奇妙なブロック状の構造や幾何学的な形状まで、日本の建築は多様で独創的な機能が共通点となっている。

ここで日本の最高の建築の例と何がそこまで特別なものにしているのかを紹介し、クレバーで予想不可能な住宅を作る日本について、そして何故地球上全ての建築家が日本の作品を実践していく必要があるのかを明らかにしていこう。

■ミニマリストマスター
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credit:Masao Nishikawa, Koji Fujii / Nacasa&Partner

まずは無敵のM、ミニマリズムだ。
ミニマリズムの言葉無くして日本の建築を語る事は出来ない。
日本とミニマリズム、この2つはほぼ同義である。
ミニマリズムは第二次世界大戦後の東洋美術に端を発していて、これは当時の古くアカデミックになり過ぎた芸術世界に対するリアクションだった。
しかしながら日本のミニマリズムの例は更に数世紀前、15世紀初期の東山文化まで遡る。
儚さと不完全さを受け入れてより深い世界観を反映する詫び寂びの審美的な原則に導かれ、日本の建築は常に最も素晴らしい方法で自然さとシンプルさを育ててきた。


■空間の不足:ペット・アーキテクチャー・ガイドブック
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credit:Hiroki kawata

確かに日本のミニマリズム把握っぷりは誰にも引けを取らないが、日本の建築家が盤上に持っているのはそれだけではない。
東京や日本の年の高過密環境では空間が不足している。
小さく、使われていなかった空間もどんどん使われるようになってきている。
例えば、トラフィックアイランド(道と道の間に出来た空間)、三角地、ビルの間に出来た空き地などだ。

ペット・アーキテクチャーとは日本の有名な建築スタジオ、アトリエ・ワン(Atelier Bow-Wow)が提唱した言葉で日本の都市部に残された狭い空間に建てられた建物を指している。
こういう奇妙な立地は珍しい制約を生み出し、興味深い建物を作り上げる。
時には制約の中から形が生まれるのだ。
建物はミニマムなクオリティを持ち、制約に対応する革新的な解法を採用している。
我々の可愛いペットのように、こういうマイクロ建築は周りの建物の可愛い仲間のような外観を持って都市の外装を作り上げている。
これがペットと呼ばれる所以だ。

例を挙げてみよう。
上に紹介した写真は大阪にある扇町グローバル薬局だ。
この土地は第二次世界大戦後に農道に不法に建てられた家で占められていた。
近隣はこの小さな空白地帯を残して開発されていき、こうしてこの土地は数十年間残ってきた。
そびえたつ隣の建物の間に挟まる可愛らしい家の形をする事でこの土地の歴史を振り返られるようにと建築家ニンキペンとTKYがこの薬局を設計した。
 

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credit:Makoto Yoshida

ペット・アーキテクチャーのもう1つの例が上の写真であるアトリエ・天工人の手による東京のLucky Dropsだ。
小さな土地に建てるという点においてこの建物は特にユニークでもある。
細い土地に作るという厳しい制約の中、アトリエ・天工人はクレバーで風変わりな設計を行った。
奥行29.3m、図面ではフロントはわずかに3.2m、後方はそれより70cm広いだけだ。
境界から50cm離さなくてはいけない事は家のスペースの一部を地下に埋めることで回避し、結果独創的で遊び心のある家となった。


■30年のライフスパン
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credit:Toshiyuki Yano

美しくミニマリストな住宅と風変わりな副生成品的デザインと並んで日本には最も前衛的な家のホームでもある。
何故美的境界線上にあるような家が超金持ちだけでなく中流階級の家庭からも支持されているのだろうか?
この革新的且つクリエイティブな傾向は日本の住宅市場の類を見ない経済品質によって駆動、あるいは支持されていると映っている。
西洋世界だと家は時間を掛けて価値を増していく事が予想されていて、これは日本とは正反対だ。
日本の家は消費財のように減価して行き、平均してわずか30年後には解体されてしまう!
日本では冷蔵庫の方が家よりも持つと考えられているのだ。
※資産価値が0になるのを誤解していると思われる

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credit:Daici Ano

西洋の家は所有者の投資を失敗させる恐れがあるから過剰にワイルドな工事をする事はできず、現在住んでいる住人の為だけではなく将来のバイヤーの好みを考えて一般化される傾向にある。

しかし、日本のように売られた時点から価値が減少していく可能性が高い場合は個人の好みや偏重を重視させることができる。
この現象は不要な建築廃棄物を生み出す事にもなるが、家を投資としての住宅から個人の好みや価値を表現した人生で最も親密なコンテナとして見る事が出来るのは新鮮でもある。

日本の住宅建築がプロの世界の最前線にいるのは何故かという理由と美しい例を幾つか挙げてみた。
この空間を見て欲しい。
日本の建築家はミニマリストの傑作やマイクロ建築、風変わりな家で常に我々を驚かしてくれる。
そして将来も更に素晴らしい物を期待させてくれる。


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credit:World Architecture Map



●オマハ、ネブラスカ州、アメリカ:男性
日本は常に次のレベルにいるな。

●ビクトリア州、オーストラリア:男性
日本に引っ越せないかな?
最高だ!

●男性
↑誘惑しないでくれ!
日本は最高だ。
いつか旅行に行かないと。

●オークランド、ニュージーランド:男性
これは凄い。

●男性
↑日本人は職人だな。

●シドニー、オーストラリア:男性
建築空間か。

●男性
凄過ぎ。

●メルボルン、オーストラリア:男性
これは気が遠くなるな。

●男性
日本人はあらゆるディテールに手をかけてる。

●男性
俺らが話してた事そのままだな。

●アンベルク、ドイツ/日本在住:男性
↑これは凄く興味深い。
特に住宅ライフスパンの違いに関してが。

●シュトゥットガルト、ドイツ:男性
ちょっと前にこの事に関して話をしたな。

●ハッセルト、ベルギー:男性
日本人は(売る事なんかを)気にしてないんだろう。

●カルガリー、アルバータ州、カナダ:男性
ブルータリズム(wikipedia)だな。

●女性
日本に行くのが待ちきれない!

●ニューヨーク市、ニューヨーク州、アメリカ:女性
↑時間を作らないと。

●男性
まさに日本だ。

●女性
完全に同意する。

●クレルモン=フェラン、フランス:男性
これは素晴らしいな。

●女性
シンプルさは何時だって素晴らしいからね!

●モアナ、オーストラリア:男性
これは良いな!

●アデレード、オーストラリア:女性
30年のライフスパンというのは興味深いね。

●デルタ、ブリティッシュコロンビア州、カナダ:男性
これは本当だ。
都市部は空間に乏しいけど建築は素晴らしいね。

●メルボルン、オーストラリア:男性
日本の建築はとにかく最高。

●男性
休暇で日本に行こうかな。

●オスロ、ノルウェー:女性
今やってるプロジェクトのコンセプトがまさにこんな感じ。

●女性
日本人は強いね。

●ブラウンシュヴァイク、ドイツ:男性
この記事に出てくるアトリエ・ワンの講義を大学で受けた事がある。
凄く楽しかったし、快活で有益だったな。

●ビスタ、カリフォルニア州、アメリカ:男性
厳しい状況が良い物を作る事はままある。

●男性
これは心に響いた。

●メキシコシティ、メキシコ:女性
知ってた。
日本の建築はずっと前から好きだった。
建築の為だけに日本に行きたい位!







空間の狭さ、高温多湿による経年劣化の早さが日本建築のユニークな部分を作り上げているという事でしょうか。
それに加えて地震や台風などの自然災害も多く建築には厳しい土地柄ですが、それ故に日本の建築は発展してきたとも言えます。
都市部への人口流入は世界的な流れとなっており、タイニーハウスとも呼ばれる狭小住宅も世界的なブームになっています。
空間利用において一日の長がある日本の住宅建築も注目されているようです。



Casa BRUTUS特別編集 死ぬまでに見ておくべき100の建築 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS)
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