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日本には様々な包丁があり、その中の1つに菜切り包丁(薄刃包丁)があります。
野菜を切りやすいようになっており、海外でもnakiriという名前で知られています。
海外で父親のために菜切り包丁を作ったという人がその様子を投稿していました。

引用元:imgur.com

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『菜切り包丁と2本の包丁』

これはELMAXという鋼材で、世界で最も優れた鋼材の1つだ。
木材は安定化させた楓で、通常は真空パックで保存されてる。
※ELMAXはスウェーデン・ウッデホルム社の作る鋼材
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形状を出す
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熱処理。
Heat treatment, it's just like baking a cake ! (But at 2150F)
ケーキを作るようなもんだ(温度は2150F(約1176℃)だけど)

刃の部分を紙みたいに薄くする。
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エポキシで柄とピンを固定。
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包丁の方の柄は粗っぽく見える。
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ゆっくりと目当ての形状に削っていく。
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真ん中のが自分ので赤い柄の2本は父親用。
上の奴(菜切り包丁)は大喜びで、主に野菜を切るのに使ってる。
最初この形は意味がないんじゃないかと思ってたけど間違ってたみたいだ。
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柄の木目が素晴らしいね。
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猫のおまけ。
ラグドールの子猫、ティモシーだ。
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●投稿主
作り方とか気軽に聞いてってくれ。

●comment
↑自分のショップや作成機材を持ってる?
それともシェアタイプの作業場を使ってる?

●投稿主
↑今は家を買うためにお金を貯めてる所で、父親のガレージを間借りしてる。
機材は自分のだけどね。

●comment
自分の手に入れられる?

●投稿主
↑自分のを盗むんなら!
今のところ他のを作る時間がないから売れないんだ。
ネットで探したらいろいろ見つかると思うよ。

●comment
焼き戻しは1回?2回?
最終的な硬度を狙ってやってる?
ロックウェル硬さを調べた?
※ロックウェル硬さは金属の押込み硬度の尺度:wikipedia

●投稿主
↑これについては確か1回だけだったはず。

●comment
どの位焼き入れした?
1時間?
どうやって冷ました?

●投稿主
まず1500F(約815℃)まで予熱してから刃材を入れて、それから2000F(約1100℃)まで熱して、10分程熱してから冷却したな。
焼き入れした時の硬度はHRC(ロックウェル硬さ)62。
焼き戻し後はテストしてない。
テストするのは地元のお店まで車で行かなくちゃいけないから。

●comment
次に作る時はもっと詳しい写真を撮ってくれると嬉しいね。

●投稿主
↑そう思ってはいるんだけどね。
仕事中に写真を撮るのは邪魔になるし、三脚を持ってないから。

●comment
猫可愛いね。
本物?

●投稿主
2週間後にブリーダーの所に引き取りに行くからそうであってほしいね。
まだうちには来てないけどもう名前は付けてるんだ。

●comment
君のデザインの包丁を売ってる?

●投稿主
↑まだ売ってない。
デザインはネットの写真を見てそのまま使ったんだ。
だから売るには適さないって訳。

●comment
その鋼材はNanoSteel社のSHS7170と比べてどうなんだろうか?
どの位優れてる?

●投稿主
↑7170を聞いた事がないからなんとも答えようがないけど化学組成的には同じものなんじゃないかな。

●comment
この包丁でどんな料理を食べてるんだ。

●投稿主
↑彼女が作るものなら何でも。

●comment
薄くする時はハンマーで叩いてる?
それとも削ってる?

●投稿主
↑ベルトサンダーで削ってる。

●comment
熱処理炉は自分で作った?
それとも売り物?
電気炉を作ろうと思ってるんだけど投稿主のも良さげだな。

●投稿主
↑EVENHEATというブランドの中古を買ったんだ。

●comment
刃のバランスはどう?

●投稿主
↑うん、指周りが完璧だね。

●comment
ピンのデザインも自分でやったの?
もしそうならどうやって?

●投稿主
↑こういうピンを買えるんだ。
1フィート20ドル(約30㎝で約2270円)位でピンが5~6本作れる。

※モザイクピンと呼ばれるナイフの柄等に使われる飾りピンが売られている
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credit:pintrest.com

●comment
無知を許してほしいんだけど、もし刃を切れるようにするとしたら研ぐ以外に鋼材に何かをするわけ?
なんで鍛造をしてるの?

●投稿主
↑買った時点の鋼材は柔らかいんで良い刃にするには硬くしなくちゃいけないんだ。
写真のは鍛造じゃなくて炉だね。
鍛造も熱くはするけど正確な表現ではない。
バーベキューで綺麗なケーキを焼こうとは思わないだろ?
そういうような違いだね。

●comment
棚のオーブンは何?
値段は?
馬力は?
プロパンガス?

●投稿主
EVENHEATという会社の電気炉だ。
小売りで1000ドル(約12万円)の所を中古で600カナダドル(約5万円)で買った。
素晴らしいよ。

●comment
売ってる?

●投稿主
↑売る程は作ってないんだ。
いずれそのつもりではいるけどね。

●comment
缶は切れる?

●投稿主
↑ジュースの缶?
普通のナイフと同じように切れると思うよ。
刃は悪くなるかもしれないけど。

●comment
冷却はどういう方法を使った?
焼き戻しの温度と時間は?

●投稿主
↑冷却には1インチ厚のアルミプレートを使った。
炉から出してすぐにそのプレートに立てたんだ。

●comment
(菜切り包丁の)刃は上の先端まで続いてる?
前がフラットで湾曲した刃なんて見た事がない。

●投稿主
↑カーブ部分の中間くらいまでだね。
奇妙な形だとは思うけどこのデザインが良いんだと言われた事がある。

●comment
怪我した?

●投稿主
↑1回ベルトサンダーで指を削った。
爪が結構えぐれて痛かったな。

●comment
材料費はどの位掛かった?
どうやって柄を削った?

●投稿主
↑素材だけで200カナダドル(約1万6000円)は見といた方が良いな。
かなりハイエンドな素材だから。
もっと安い素材でもまともなナイフは作れるけどね。

●comment
O1スチールはどう?
※イギリスのウェストヨークシャースチールが作る鋼材

●投稿主
↑O1スチールの問題はステンレスじゃない事かな。
それ以外に関しては刃材として素晴らしいよ。

●comment
楓瘤のブロックは自分が見たのだと25ドル(約2800円)~だったな。
ELMAXも同じく位の値段だった。
カナダの値段は酷いもんだな。
※ナイフの柄には木の瘤になった部分が使われる事が多い

●投稿主
↑全く、弱いカナダドルには死にそうになる。
安定化した瘤材が1個35アメリカドル位(約3900円)で鋼材は1枚80アメリカドル位(約9100円)した。

●投稿主
刃と柄はベルトサンダーで削った。
それぞれでベルトの粒度を使い分けてね。
速度を変えられるベルトサンダーを持ってるんだ。

●comment
柄はパープルハート?染めた楓?
※パープルハートはマメ科の広葉樹で心材が紫色をしている

●投稿主
↑楓の瘤を安定化して染めたものだね。
初めて使ったけど凄く簡単だし見た目も凄く良かった。

●comment
包丁しか作ってない?

●投稿主
↑いや、ピーリングナイフやマチェーテ(山刀)なんかも作ってるよ。
包丁は自分の専門ではあるけど。
(とはいえまだ10本しか作ってないけどね)




菜切り包丁は海外では馴染みがない形状なせいかちゃんと使えるのか疑問だったようですが無事使えたようです。
海外はナイフ作りが趣味として人気なので様々な道具が揃っています。



貝印 関孫六 ダマスカス 菜切包丁 165mm AE-5206
貝印 関孫六 ダマスカス 菜切包丁 165mm AE-5206