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Gotcha2 / Public domain

柔道は日本のお家芸と呼ばれていて全国に柔道場があります。
日本へ留学に来たついでに日本で柔道の稽古もしたという人が日本での稽古について海外の掲示板で投稿していました。

引用元:reddit.com

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●投稿主
日本で柔道の稽古をしてきたけど何か質問ある?
まずは簡単な自己紹介から。
自分はドイツで柔道四段とブラジリアン柔術の紫帯を持ってる。
ドイツの国内選手権AとBレベルに出場した経験もあるけど成績はそんなに振るわなかった。
ドイツの国内リーグでの戦績は中程度。
ドイツ国内のB級審判とB級コーチのライセンスを持っている。

2018年に名古屋大へ環境工学の勉強のために1年間留学した。
そして名古屋大と東大で高専柔道を、講道館と講道館大阪国際柔道センターで講道館柔道を、色んな大学、警察署、民間道場やコミュニティセンターで国際柔道連盟の柔道を稽古してきた。

講道館杯、大阪グランドスラム、ジュニア柔道、高校柔道選手権といった大きな柔道の大会も観戦してきたよ。
稽古をしてきた大学の小さなトーナメントのサポートもしたね。

あとは九州、中国地方、近畿、中部、関東、北海道を旅行してきた。
富士山や色んな山に登ったし、日本で一番高い建物や一番高い構造物にも行ってきた。
田舎を旅行して子供たちに写真を撮ってくれとせがまれた事もあったよ。
日本に11ある人口100万人都市のうちの9都市に行ってきた。

●comment
柔道の稽古のためだけに日本に引っ越した人に会ったことはある?
フルタイムで柔道の稽古をしてる人にあったことは?

●投稿主
↑講道館では柔道のためだけに日本に来た人が2人いたと思う。
(国名は忘れたけどヨルダンだったと思う)
でも他の場所では会わなかったな。
大学生は週6日間2~4時間の稽古をしてるけど他に勉強もしてる。

トレーニングキャンプではほぼ1日中柔道の稽古をしてる社会人選手の日本とカナダのハーフに会ったよ。
1日中稽古してるのは社会人選手だけだと思う。
警察官も仕事があるしね。

●comment
↑出口クリスタ(※wikipedia)かな?

●投稿主
↑有名人だったら分かると思う。

●comment
↑それもそうだ。
でも日本とカナダのハーフのフルタイム柔道家はそんなにいないはず。

●投稿主
↑少なくとも3人はいるね。
出口クリスタ、レイズ・カヨル、そしてもう一人自分が会った人物。
もっといるんじゃないかな。

●comment
日本で稽古する時の金額は幾ら位?
(平均、最高、最小)
日本に留学する時の費用は?
日本語の習得はどのレベルだった?

●投稿主
↑大学の稽古でお金を払ったことはなかったね。
講道館は1回につき800円だった。
柔道着と帯を持ってない場合は追加で200円。
入会費もあって、月額の稽古代は5000円だったかな。

日本の大学はドイツと比較して授業料が高いね。
アメリカと比較したら安いと思う。
大学によるけど日本だと年間1万ドル(※約107万円)くらいなんじゃないかな。
家賃や食費はドイツと同じ位だった。
最初は友達から日本語の文言を4~5個教えてもらって、それ以外は日本で勉強してかなりできるようになったよ。
バーでちょっとした会話をするという程度ではないけど、多少手助けしてくれたらバーでの会話ができるくらい。

●comment
ブラジリアン柔術で最も使う柔道の技は何?

●投稿主
↑大外刈か大外落をした時に自分がまだ袖を持っているのを気付かずに足でカバーガードしようとした時にアームバー(※腕挫十字固)に移行する。

●comment
日本の平均的な初段とドイツの平均的な初段を比べたらどんな感じ?
日本の初段はかなり若い(18歳以下)ことは知ってるから日本の平均的な2段か3段とドイツの平均的な2段か3段と比較した方が良いかな。

●投稿主
↑これはなかなか難しい質問だね。
今はドイツでも15歳から初段を取れる(平均は16歳)けど、これはかなり強い選手の場合がほとんどなんだ。
日本の大学だと2段がほとんどで何人かが3段。
日本だと14歳か15歳で初段を持ってるのはごくごく普通で、それより上の年で初段を取るのは例外的だ。
仮に一般的な答えを言うなら、ドイツの初段、2段、3段は技術の知識や柔道の歴史、セオリーに対する理解は日本よりも秀でてる。
日本は技術においてより成果を発揮してる。
日本は若い世代でもドイツの大人の選手よりも稽古をしてるから本当に上手い。
ドイツだと3段で大会に出る人はほとんどいないからむしろ自分が例外なんだ。
日本だと大学の3段といえばかなりいい選手だ。
次の段に進むためにはポイントが必要で3段は2段以上にポイントを取るのが難しくなる。
あとは大学にもよるね。
段を取ることを推奨する大学もあればそんなに気にしてない大学もある。

●comment
柔道とブラジリアン柔術、どちらが自分のグラップリングの役に立ってくれた?

●投稿主
↑柔道がベースになっているし柔道が強いね。
ブラジリアン柔術は寝技が強いから始めたんだ。
そのころ柔道で伸び悩んでいたのもあって再び情熱に火がともるまで別のことに目を向けることにして、それでブラジリアン柔術に嵌った。
体勢を恐れないとかスポーツや試合に対する心の持ちようとかブラジリアン柔術を始めるのに柔道は凄く助けになってくれたよ。
でも良いグラップラーになるために常に色んな事に目をむけるようにしてる。
どっちがどっちよりも良いと言うことはできないな。
違う部分もあれば同じ部分があって両者は始め方が全く違うね。

●comment
日本国内の柔道は追いかけてた?
未来のスターに何かアドバイスはある?
マスコミとか一般的な興味という点において日本の柔道はどの位の規模?

●投稿主
↑日本国内の柔道を追いかけてはいたけど、未来のスターになにかアドバイスができるほど身近に追っていたわけではないね。
マスコミや一般的な興味は驚くほど低かったな。
インターハイや大学の大会、講談館杯はテレビ中継もされてた。
国際柔道連盟の日本国内の試合もテレビ中継されてたけど1日中どころか毎週中継するということもなかったな。
一般的な興味も低くて、これはみんなが柔道は知ってるけど日本で一番人気のスポーツじゃないし、一番人気のマーシャルアーツでもないからだと思う。

●comment
↑日本で一番人気のマーシャルアーツは何だと思う?
(大人と若者で違いはある?)

●投稿主
↑恐らく相撲だろうね。
1回だけ観戦に行ったけど平日で席料も高いのに人でいっぱいだったよ。
大阪グランドスラムの観客席はガラガラだった。

若者はマーシャルアーツよりも球技の方が人気だな。
野球が一番でそれにサッカーが続いている。
マーシャルアーツに関してだと子供たちが一番やっているのは柔道だと思う。

●comment
柔道とブラジリアン柔術はどの位やってきた?
今はどっちが好き?
好きな投げ技や好きなコンボは何?

●投稿主
↑柔道は22年でブラジリアン柔術は7~8年。
一本取ると快感だから柔道の方が好きだな。
それに自分にとって柔道の方がアクセスが良いというのもある。
自転車でちょっと行けば稽古ができるからね。
ブラジリアン柔術は公共交通機関を使わないと行けないからここ5年はやったりやらなかったりが続いてる。
好きな投げ技は内股になるかな。
好きなコンボは大内刈からの内股。
見たりかけてみて良かったコンボは隅落からの肘抜きもろ手背負投かな。

●comment
人によって肉体やタイプ、能力は様々だから技量も違ってくるだろうけど、日本で体験してみて試合や柔道のスタイルに違いはあった?

●投稿主
↑日本の選手はほとんどが襟と袖を持って強烈な内股、背負投、大内刈や大外刈をかけるスタイルだったね。
腰回りを掴むスタイルの人はごく少数で、捨身技を見ることはかなり少なかった。
これはスペースやカウンター技が少ないからだと思う。
谷落は結局見なかったような気がする。
直立のスタイルで常に奇麗に大きく投げようとしてくる。
稽古は組み稽古と形稽古が支配していて体勢が悪いとすぐに投げられる。

●comment
警察署での稽古はどうだった?
体重別ではどのカテゴリ?

●投稿主
↑良かったよ。
典型的な日本の稽古方式で軽くウォーミングアップをしてから打ち込み、乱取りをたくさん。
良い人達だったし良い柔道だった。
これは人の紹介で行ったんであって道場にふらっと行ったという訳じゃないけど。
体重は73kg級。

●comment
高専柔道の稽古ってどんな感じ?
普通の柔道と何が違う?
日本で稽古した道場ではどこが良かった?
ブラジリアン柔術のトレーニングはどんな感じだった?
日本で柔道やブラジリアン柔術の試合に出場した?

●投稿主
↑高専柔道は寝技主体だね。
ウォーミングアップをしてからブラジリアン柔術でもよく知られている寝技のためのストレッチをたっぷりやる。
打ち込みは転身や相手と合わせた体の動かし。
乱取りは立った状態から始めるけど寝技ではプルガード(片襟片袖)もできる。
乱取りの後はみんなで技術や対処方法などのディスカッション。
季節によるけど1回の稽古時間は2~3時間だった。
ほとんどが大学の道場だったんで民間の道場はあまり知らないんだけど興味深かったのは(※大阪の)大新柔道接骨院かな。
ブラジリアン柔術は数セッションしかしなかった。
試合はしなかったよ。
柔道のオープン戦はあまりなくてブラジリアン柔術はきちんとトレーニングせずに試合をしたくなかったから。

●comment
柔道の稽古はドイツやヨーロッパと違う?
自分のコーチは初段(もっと上かも。帯は黒)で彼女は現在他のコーチに教えてもらっているところ(パウエル・ナツラといえばわかるかも)
※パウエル・ナツラはポーランドの柔道家でオリンピック金メダリスト:wikipedia
あとたまにポーランド柔道の父と呼ばれている人(富田弘美)に稽古をつけてもらっていたのだとか。
日本にもよく行っているよ。
コーチは柔道の名選手と稽古ができたと言ってた。
でも一緒に稽古した日本人柔道家の強さや稽古レベルには心構えができてなかったとも言ってた。
あとコーチによるとこっちで趣味で始める柔道はかなり進みが早くて(退屈させないために)、講道館ではかなり長い時間受け身だけの稽古をするのだとか。
そういうような違いはあった?

●投稿主
↑乱取りは違ったね。
ドイツだと乱取り4分の休憩2分を6~10ラウンド行う。
日本だと5分乱取りで15~25秒の間に相手を変えて再び乱取りというのを4~8ラウンドやって、それから長めの休憩をして再び乱取りをする。
稽古は乱取りが主で状況ごとの稽古は少なかったな。
とにかく厳しくて上手くやらないと投げられてしまう。
上手い選手が多いから楽に済ませられるラウンドというのはないね。







柔道の本場ということで世界各国から日本に稽古に来る柔道家は多数います。
稽古も日本と他の国では色々違っているようです。




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