fukuoka_yatai



日本式のラーメンもすっかり世界的に有名になりました。
中には日本に研究に訪れる人もいるようで、とあるアメリカ人が屋台ラーメンの研究をするために福岡に留学してたけど質問ある?というスレッドを立てていました。




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●yataiguy
ヘロー、僕の名前はデビッドで、アメリカ政府のフルブライト奨学金プログラムを使って福岡で屋台ラーメンの研究をしてたんだ。
素晴らしい冒険だったから、色んな話が出来ると思うよ。
僅かな人しか知らない事(あるいは誰も気にしてないか!)の研究のためにたくさんのお金を出してくれるんだ。

僕が研究してたのは2010~2011年の間だから、ちょっと時代遅れかも。

屋台は福岡じゃ凄く有名で、単に食事を売っているだけじゃないんだ。
この街の屋台は第二次世界大戦にまで遡る。
福岡の屋台は日本の他の街とは違う環境を作り出してるんだよ。
衛生上の問題やヤクザとの関係といった屋台の負の側面も本当に興味深い歴史的ケーススタディだったよ。
福岡で一番有名なのは豚骨ラーメンだ。
もし東京に住んでいるなら、一蘭や一風堂でその味をチェックしてみてくれ!

●Noir_
西海岸は午前4時で、君がどの位の質問をゲットしたかは分からないけど、凄くシンプルな質問をしようと思う。
その研究でどんな事を発見した?
何が面白かった?
何が予想外だった?
ヤクザから逃げた事はある?
ラーメンを食べたことで体重の変化はあった?

●yataiguy
↑僕が研究する事になったとっかかりは、屋台の数が急速に減っている事に関してなんだ。
これは”屋台の所有権は一世代に限定される”という法律のせいだね。
基本的に、もし僕の父親が屋台を持っていたら、彼はその権利を僕に売る事が出来て、売る事が出来るのは僕にだけなんだ。
ライセンスを売買する市場が無いって事。
研究の中で一番興味深かったのは、僕が滞在していた10か月の間に福岡市が法律を変えたことかな。
その世代では初となる、新たに選出された市長が屋台のオーナーが自分のライセンスを売買できるように法を変えたんだ。
これは僕の研究に一石を投じる事になったね。

屋台の営業が午後8時から午前4時に限定されている事も本当に興味深いかな。
屋台は夜にのみ経験できる事で、つまりたくさんのお酒とたくさんの御馳走を意味する事になる。

屋台でラーメンを食べている最中にヤクザを見かけたことは何度かあるよ。
彼らは基本的に僕を放っていたね。
僕はいつもテープレコーダーとメモパッドを持っていたから、彼らは僕は普通の旅行客じゃないと思ったんだろうな。

この研究の期間中に体重が10~15ポンド(約4.5~6kg)増えたよ。
始める前はほぼ菜食主義みたいな感じだったんだけどね。

●pooroldedgar
↑政府が屋台の数を少なくさせようとしてたって事なのか?
何でだ?

●yataiguy
↑福岡は公共の場でフードスタンドの営業が合法となっている日本で唯一の街なんだ。
午後4時半から準備を開始して、午前4時に店じまいをするのさ。
屋台はかなり論争の的になっていてね。
ゴミの不法投棄は多いし(廃油を通りに流したり)、歩道まで店を広げたり。
それに、お客も凄く、凄く酔っ払ってる訳で。
それから豚骨ラーメンは凄く美味しいんだけど、かなり臭うから。
福岡住人から見れば、屋台ってのはあまりお気に召さないわけだね。
屋台に対する反対の声の多くは、競合相手となるレストランからのものだよ。

●pooroldedgar
↑納得。
ビジネスってのは大変だ。

●rezoko
>福岡は公共の場でフードスタンドの営業が合法となっている日本で唯一の街なんだ。
その文を読んで、福岡城で目障りだったホットドッグ売りのバンが頭に浮かんだ。
大濠公園近くのも景観を汚してたな。
大阪は禁止してるんだけど、良い事だと思う。

●Chronoloraptor
屋台の料理を食べたことで病気になったりしなかった?
日本には屋台のための衛生基準とかあるのかな?
君の食べたラーメンの特徴は?

●yataiguy
↑日本人は凄く綺麗好きが多いんだ。
彼らの衛生基準は僕自身のそれを超えてると思うよ。
屋台の衛生に関する最初の法律は1955年に施行されたものだね。
(生の食事は駄目、寿司は駄目)
屋台は水(水道)やガス(ガス管)、電気を持ってはいけないんだ。
水道が無いというのは心配する人もいるかもね。

病気になった事はないよ。
屋台に行く場合は大抵酔っぱらってたから、それが胃袋を一番ひっくり返してたと思うな。
ラーメン+ビール=体重増加だね。

●h2g2Ben
水なし、電気もガスも無しでどうやって料理を保温してるんだ?
別の場所でラーメンを調理してるって事なのか?
他の場所で全部用意してから屋台に持ち込んでるって事?

より良い質問:
ラーメン屋台がどのように運営されているのか教えてもらえないかな?
今までこういう屋台には全然馴染みが無かったから興味があるんだ。

●yataiguy
↑屋台で料理する場合、バッテリーとガスストーブで料理を作ってるよ。
水は大きな入れ物にいれてる(バケツやボトル)

屋台の設備はかなりその場しのぎ感が強いけど、彼らは基本的にモバイルレストランであって、設営の方法なんかはかなりクレバーだね。
麺はどれも新鮮だし、豚骨スープは長時間煮込まなきゃいけないんだ。
それこそ何日も。
屋台のオーナーは基本的に屋台で料理してるけど、スープや麺なんかは家で作ってるんじゃないかな。

屋台は基本的に2人の作業者に1人のオーナーというスタイルだね。
屋台には色んなバリエーションがあるんだ。
中洲にはオーナーがスーツを着ていて、飲み物はカクテルだけというお店もあるよ。
屋台の営業時間は午後6時から午前4時まで。
福岡市内での屋台の正の側面は観光客誘致、文化的理由、地方雇用の創造なんかがあるね。
福岡には屋台のための団体が3つも存在するんだ。

屋台にはトイレが無いよ!
もししこたま飲んで屋台料理をたらふく食べたら大変な事になる。
そういう場合、僕は大抵近くのコンビニか公園の公衆トイレに行ったよ。

屋台の画像はこんな感じ
fukuoka_yatai

●h2g2Ben
↑納得いった。
君のいう水・電気・ガスってのはいわゆる持ち込んだものじゃなくて、公共の物って意味だったんだな。
それなら納得だ。

●icanhazbudget
研究で何が一番興味深かった?
ラーメンの作り方も勉強した?
それともそれは研究の範囲外?
屋台のラーメンは麺を作る所からやるのかな?
特に有名な屋台とかあった?
それとも基本的にはみんな一緒?

●yataiguy
↑こんなに小さな産業なのに3つも組合がある事が興味深かったかな。
現状だと福岡で屋台として登録されているのは150位なんだ。
一晩だと稼働してるのは120~130位だと思う。
(週末は増えて、週中は減る)
屋台1つにつきオーナーが1人とすると、組合の会員数は150人って事になる。
1つの組合で年間200万~300万ドル(約2~3億円)を売り上げてると思うよ。

ちなみに僕は料理が下手だよ!
食事専門って事で。
料理に関してはあまり注目してはいなかったけど、屋台ごとのメニューの差は分析してたんだ。
豚骨ラーメンの料理プロセスは自分の家でやろうという気になれない位長いよ。
もし屋台に行くことがあれば、バリカタを注文してくれ!
(エクストラ・アル・デンテという意味)

屋台で有名なのは長浜だね。
長浜は福岡の小さな一角で、大体10個の屋台があるんだ。
僕が好きなのは中洲かな。
中洲の屋台はなんというか…本格的な感じだ。

基本的にどの屋台も同じメニューは同じ値段だね。
これは組合によるものだと思う。

●icanhazbudget
↑返答ありがとう。
凄くクールだな!
次に福岡に行くときは中洲を覚えておこうと思う。

●Loonga
日本を離れた後はどうやってラーメンへの飢えを癒してた?
自分の場合、自作する以外で良いラーメンを探すのはほぼ不可能なんだけど。

●yataiguy
↑僕は研究のためにラーメンを食べまくってたからね。
何というか馬鹿げてる位に。
一週間に屋台でラーメンを2~3杯食べて、おそらく一週間で5~6杯はラーメンを食べてたと思う。
だから…ちょっと飽きた?
今は仕事に戻って(ほんの2週間前の事)、多分ラーメンを食べたのは5回くらいかな。
でも、まだ満足するものはないね。
僕は塩や醤油はそれ程ファンじゃないんだ。
豚骨や味噌の方が好きだね!
これを見つける事が出来たら、我が家にいる気分になれるだろうな。

●OhNoBees
↑君はニューヨークの一風堂について言ってなかったっけ。
今週頭に行ってきたところなんだ。
今までで一番のラーメンだったよ。
アメリカにあるラーメン屋で日本のに近いお勧めの店とかあるかな。

●yataiguy
↑僕はここ数年アメリカの他の年に行く機会がなかったんだよね。
今はワシントンD.C.に住んでるんだけど、ここにあるラーメン屋は4店舗くらいじゃないかな。
アダム・モーガンにあるSakuramenはまあ良かった。
一風堂には近くないけど。
日本人の友人は凄く良いとは思わなかったみたいだね。
デュポン・サークルにあるSushi-taroは時々スペシャルメニューで豚骨ラーメンを作る(月に1、2回)けど、それは美味しかったな。
一風堂は本当に凄いよ、ニューヨーク店以外で福岡で食べた味に近いものは無かった位だ。




高菜、食べてしまったんですか?(違)
ベジタリアンを変えてしまうとは、豚骨ラーメン恐るべし。
本場では一度も食べたことが無いので一度食べに行ってみたいものです。

追記:誤訳を修正。ご指摘ありがとうございます。