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江戸時代に煙草や印籠を紐で吊るし、帯から落ちないように紐の先端に取り付けていた根付は今では世界中に熱狂的なコレクターがおり、高額で取引されているものもあります。
海外の根付ファンが集まるサイトで、根付を集めるようになったきっかけは何か語り合っていました。

wikipedia:根付
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●DSW90049
みんなで根付(と提げ物)に嵌った理由を説明しあうスレッドだよ。
自分のストーリーは幾つかコメントが投稿された後にしようと思う。

●fk
君の言っていることに関してなら、自分の場合は自作の彫刻をコレクションについてになるかな…

どのようにコレクトを始めたのかはブログに書いたことがあるんだけど、それを再度載せようと思う。
さて、如何にして私が根付に嵌ったのか?
私は子供の頃からミニチュアが好きだった。
父親の友人が根付を集めていて、私が10歳以下の頃から根付を教えてくれたんだ。
根付に触ることは許されなかったけど、ガラスのキャビネットに飾ってあった根付を何時間も見ることは許してもらえた。
根付を1つ手に入れることは私の憧れだったけど、それは数年後まで待つ必要があったよ。

我々はバスに乗って旅をしながら暮らしていて土曜日の午後はサウスケンジントン博物館からビクトリア&アルバータ博物館まで、根付や香箱、タペストリーや陶器のポットを見ながら過ごしていたんだ。
兄弟はもちろんそれを冷笑して、近くの自然史・科学・地学博物館に行ってたよ。
大学では父親が根付を集めているという友人と出会い、彼と一緒に過ごして根付がいつ作られたのか、誰が作っていたのかを教えてもらったんだ。
時々私達はクリスティ等のオークションを見学しに行って、今でも1983年のサザビーズのカタログを持っているよ。
数年間かけて国内外の博物館を巡り歩き、根付が展示されているか探し回りもしたね。
無かった時はがっかりしたよ。
今までにアンティークな物も、現代の良品も手に入れたことは無くて、安っぽい現代のコピーを幾つか持っているだけなんだが、中には彫刻スキルがよく残されているものがあったから、そこから技術を研究したり、自分の好きなタイプを決めていくことができたんだ。
私は過剰な彫刻が施されていなくて、素材の美しさを引き立たせるようなシンプルな形状で、彫刻者のスキルや試みが現されている根付が好みだね。
単なる製品で、製作者の技術や主題が表現されていないものは好きじゃないんだ。

10年前にアメリカへの休暇旅行から戻ってきた友人がニューヨークの博物館で買ってきてくれたエポキシ樹脂でできた猫と芸者のキャスト製品を見るまでは自分の中に彫刻をしようという欲求が生まれることは無かったよ。
フェイクは好きじゃないけど、そこには芸術的な試みをした跡があって、自分もそれを彫刻してみたいと思ったんだ。
工具や材木は幾つか集めたけど、家庭の事情により真剣に取り組むようになったのは2008年からだね。
それから彫刻の技法、鉄ブラシの使い方、国際根付協会のサイトを見つけたんだ。
どれもが初心者には凄く助かったし、材料の知識や彩色の方法や絵の具についての本を数冊入手してから彫刻を開始したよ。
今となっては30年前に始めてれば良かったと思ってるよ。

●chonchon
自分はかなり平凡だな。
曽叔母のマントルピースに魅力的な饅頭型の根付が飾ってあって、50年後にそれを継承することなど露知らず、子供心にその見事さに感心していたんだ。
10代の頃はコインや切手などを収集してたから、コレクターとしての本能はあったんだろうね。
1970年代前半、私は京都に住んでいて北野天満宮(あるいは天神市)で豚骨で出来たパイプホルダー(煙管?)と煙草箱を買ったんだ。
(奇妙なことに昨日それを手に取って眺め、今まで思いもしなかった自分がなんでこの道に進んだのか学んでおかなきゃ、と思ってた所だったよ)
それ以外のものは、1990年代に入って別の曽叔母が例の饅頭型根付を、他の家族は誰も欲しがってないしもし気に入ったのなら貰ってくれないかというまで手に入れたことは無かったね。
私が初めてこのサイトにきたのはその根付と日本で手に入れたものが気になったからなんだ。
残念ながらこのサイトで何を書いたのかは思い出せないけど、自分の知っている知識のおおよそ全てがこのサイトから来てる事は明らかだね。
以降で選んだ根付は全てここで得た知識や会員から学んだ目でもって選んだものだね。

●DSW90049
自分のストーリーはシンプルで、他のスレッドでも書いたから簡単にまとめようと思う。
自分は生まれた時から収集の人生だったんだ。
子供の頃はコミック、それから切手、そしてコイン。
切手とコインは何度も引き戻されていて、数年前にそのコレクションを売った時は実に良い思いができたよ。
自分が根付を目にしたのは、数十年に渡る他のコレクションの物を見てる時に文字通り目の片隅に留まったという感じだったな。
当時はニューヨークへの出張中で、幾つか良いものがあったんだけど同僚に中断されて、結局それは手に入れられなかったんだ。
他の時はちょうど別のものを集めていて、対象外って感じだった。
政治的な記念品とかギターとか、広告用のペーパーウェイトとか(中に小さなダイスと宣伝文句が入っているようなタイプの)そういうのを集めてたから。

数年前、たぶん6年くらい前のある日、友人の結婚記念日のお祝いに妻と一緒に北カリフォルニアのメンドシーノ郡を訪れて時に、とあるショップでボストン美術館の根付のレプリカコレクションに目が留まったんだ。
(29.95ドルで、見ざる言わざる聞かざるの猿だったと思う)
そのショップを出る時に、妻がその根付を自分に買ってくれた。
その箱には根付と、ボストン美術館のコレクションの説明がついていて、それを元にググってこのフォーラムと国際根付協会の事を知ったんだ。
それは自分にとっての始まりだね。
根付を買い始める時はサイトや掲示板に書かれたもの、出版された書籍を読みまくって、出版されたものは全部読んでやろうと思ったものだよ。
結局、根付を買う準備ができたのは国際根付協会ジャーナルを全部読んだ1年後の事だったよ。
自分が買っていたのはここでも度々新入りが投稿しているようなNLO(Netsuke like object:実用されていた根付ではなく、西洋への輸出用に作られた根付)で、それから地元の街に住む凄く助けになってくれたディーラーを訪問するようになり、彼は午後の時間で私に根付の事を説明してくれて、2ダースほどにもなる根付のコレクションも見せてくれたんだ。
その内の1つを購入したよ。
走り出したのはそれからだね。
2009年にニューヨークで行われた国際根付協会のコンベンションが本当の意味でのターニングポイントだったと思う。
ディーラールームで可能な限りの時間を過ごしたよ。
コレクターやディーラー達みんなと時を忘れて語り合ったね。
今では子供達も大きくなり、いわゆる自由な時間を手に入れたから、ニッチな美術品を集めることが自分の好奇心を満たし、リラックスできるという失われたコンセプトを追い求めたいと思ってるんだ。

●netsukeamature
数年前に地元のアンティークディーラーから2つの根付を買ったのが初めてだね。
自分はアンティークの写真を撮るのも趣味なんだけど、偽物を掴まされたと思う。

●Tengu
初めて根付を買ったのは1977年の事で、家庭用品や家具を買うためによく訪ねてたミュンヘンのオークションハウスでだったな。

母親が私の家に来た時に箱の中の根付コレクションを並べて見せて、次の箱を出した時に、母親は昔と全く変わってないことを思い出したらしい。
私は子供の頃、おまるに坐る時は小さなものを持ってるのが好きだったんだ。
根付や置物位の小さなものを箱の中に入れていて、それを出しては床に並べて、眺めまわしては別の箱に入れてたよ。
箱が空になったらまた色んなものを入れて、それを取り出して眺めまわしてまた元に戻すという事を繰り返してたんだ。
何度もそれを繰り返して、おまるにお尻が嵌って泣き出したのは1時間も後の事だったよ。
自分がコレクションしてた3つのものも思い出したね。
金属製のケルン大聖堂、細かなヒビが入ったガラス製のペーパーウェイト、小さな穴(紐通し?)の開いた取っ手だ。
短くまとめると、私の根付コレクションは1歳の時からって事だね。

●GiantSquid
非常に面白く読ませてもらったよ。
自分についても追加しようかな。
私が根付に初めて触れたのは2003年か2004年にスコットランドの国立博物館を訪れた時だね。
(当時はエジンバラに住んでたんだ)
当時の私は貧乏学生で、根付は好きだったけどお金に余裕がなかったから何かを集めたりはしてなかった。
南下して仕事を持ってから、とある本屋で見つけた日本の美術に関する本にロンドンのディーラーの住所が載っているを見つけたんだ。
そこで次に妻と一緒にロンドンに行った時にそのディーラーを訪れてみた。
そのジュリア・ハットの本と、eBayで買った根付を持ってね。
その根付は角の生えた雄牛だったよ。
18か月後には私のコレクションは10個の根付と4個の印籠に増えてた。
幾つかの写真を撮ってるんだけど、それを紹介する絶好の機会かもしれないな。
2枚目の写真は最新のコレクションで、今朝コレクションに加わったほやほやの一品だ。
饅頭型の根付で、Yoyusaiとサインがしてあるんだけどこれは漆作家の名前だと思う。
それについては後で説明することにしよう。
みんなが自分の過去の経験が今の根付コレクションに繋がっていると言っているように、自分は未来についても繋がっているように思うんだ。
自分の将来の目標は、国際根付協会に加入して来年のロンドンコンベンションに参加し、根付コレクターGeorge Lazarnickのコピー品をゲットすることだ。
根付の買い付けに関して、私は18か月でかなり進歩したと思う。
知識は20倍に増え、好みも変わって買い付け速度は鈍化してる。
欲求を解消するために早く買うよりも、品質を重視するようになってきたんだ。
どうやら自分は動物や植物の根付が好きみたいだ。
それに蒔絵もかなり好きだね。
人間や神様の根付はさほど熱がないんだけど、日本の女性を模した根付は幾つか好きなのがあるね。

で、このYoyusaiの饅頭型根付だけど、これはかなり気に入ってるんだ。
2頭の鹿が見事な漆絵で描かれている。
ディテールもしっかりしてるね。
(後ろの鹿の前足には個々に毛が描かれていて、角には傷1つ無い。この写真でそのディテールが撮れてるかはわからないけど)
内部はリング状の金属なんだ。

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●JimLewis
私の家族は根っからのコレクターで、(大使館勤めで)3年ごとに引っ越しをしていたというのもそれを助けてくれてたね。
父親は古書と古地図のコレクターだったよ。
私は海の貝殻を何年も集めていて、どこに行く時も持っていったよ。
(大きななキャビネットに3つ分だ)
私は手にもてる位の小さなものを集めるのが好きなんだね。
1953年、私達は日本に駐在していて、私は高校に通う年代になっていた。
当時は東京都のアンティークや本屋が立ち並ぶ地域である神田の上の方に住んでいたよ。
父親にとっては無論天国のような環境で、私も父親のブックハントに何度も付き合ったんだ。
その思索的トリップの過程で、木製の漆塗りがしてある小さなオブジェクトに出会ったというわけだね。
根付に関する私の読書スキルは非常に怪しいものだったから(英語で書かれたものもあったのに)、この手に持てる位の小さなオブジェクトそのものを購入する方向に向かったわけだ。
年代物で出来の良いものを見分けるのは父が手助けをしてくれたな。
私のコレクションの大部分は戦後の日本で過ごした4年間に集めたものだよ。
当時でさえ、アメリカ国内での価格は大学時代の私の懐事情を遥かに上回るものだったし。
それに仕事と家庭を持つようにもなったから。
今では根付よりも根付に対する書籍を買うようになったけど、むしろ今一番手をかけてるのは盆栽(これも日本で触れたもの)だね。
このサイトは日本の芸術、特に浮世絵に関するサイトを探してて見つけたんだ。
見つけて良かったよ。

●Vlad
自分のストーリーは他のみんなと違うね。
マンハッタンの5番街に『revilation』という真の芸術品を収集する余裕のある普通の人々の通えるアンティークショップがあったんだ。
それが私の国際根付協会コンベンションとの初めての出会いだね。

●Egret32
私がここに書くのは何か違うのは分かってるけど。
私の父は自分の楽しみのためだけに、1950年代前半頃に根付をコレクションしてたんだ。
その根付は何年もかけて贈り物としても使われてた。
その価値は分からずじまいで、コレクションを分けたことを後で後悔してたけどね。
私達にはその価値が分からなかったけど、興味を持っている人がたくさんいるのは無論の事だよね。
私の父は私達が日本に住んでいる時に友人のRay Bushellと一緒になってコレクションしてたんだ。
日本には愉快な人達がたくさんいたよ。
今は父がコレクションと呼んでいる物の記録をつけようとしてる所。
父は根付の本もたくさん持っていて、それもほとんどを人に贈ってしまってた。
父はほとんど読んでなかったけどね。
作者を調べることもしてなかったな。
父にとっては”ピュア”である事が興味の対象で、感じやラインといった芸術品としての価値が好きだったんだね。
母はそれを”いい感じ”と呼んでいた。
私もそう。
(今では私達がいわゆる”味”を好きだという事を知ってるよ)







江戸末期には大量の根付がヨーロッパに輸出されたとか。
実用的な根付ではなく、輸出向けの根付も盛んに作られ(ここで言われているNLO)それすらも職人が技巧を凝らしたもので価値があるとか。
ニューヨーク自然史博物館やメトロポリタン美術館の日本コーナーにも根付が展示されています。
今でもヨーロッパの民家の納屋には価値のある根付が眠っているのかもしれません。


おまけ:根付色々