昔から日本には様々な怪奇現象が言い伝えられてきました。
海外のサイトでそういった日本の怪奇現象を10個紹介していました。
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昔の日本では敵に遭遇して身を護るために廃屋に逃げ込むのは必要な手段だったが、今日でもそうであるようにそこは予想外の体験が待ち構えていたようだ。
昔の日本の伝承によると動物は普段の姿以上のものを持っていることが多かった。
人間が突然転ぶのは日本の言い伝えでは理にそぐわぬ事だったようで、人々はそれを妖怪の仕業だと考えていた。
他の国と比べて日本では金縛りがかなり一般的で、日本人のうち40%が何らかの形で金縛りを体験しているという。
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■夜に道に迷う
民間伝承によると夜に旅をする者にとって超常現象は野生生物や盗賊と同様に脅威だったという。
ランタン(提灯)を持っていない限り道を照らすのは月と星あかりのみだから、多くの旅行者が夜に道に迷うのは当然のことと言えた。
しかしそれはモンスターの仕業とも言い伝えられている。
それは壁のような形をした日本の妖怪塗り壁が旅行者の前に立ちはだかるためだ。
基本的に姿は見えず、旅行者の周囲に立ちはだかって完全に道を塞いでしまうという。
他の多くの妖怪と同様に塗り壁はいたずら好きだ。
もし別の道を行こうと思っても細長く伸びたり何故か立ち上がって移動し、道を塞いでしまう。
こうして塗り壁に出会った人は丸一日道に迷ってしまうのだという。
突然塗り壁が現れ旅行者の前に立ちふさがったという初めての記録は日本に残されているが、日本以外でも遭遇したという記録が少なくとも1か所ある。
人気妖怪漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の作者は自書の『日本妖怪大事典』で従軍していたパプアニューギニアのジャングルで塗り壁に遭遇した話を載せている。
遭遇した時のために1掴みの塩を持ち歩こう。
『日本妖怪大事典』の作者(水木しげる)の足跡を辿ると彼は参照の無い妖怪話を幾つか残しており、塗壁の姿も彼が考案したもののようだ。
■人のいない部屋から聞こえる謎の足音
昔の日本の家屋は障子で部屋が区切られていた。
様々な音が障子越しに聞こえ、それはしばし不思議な場所からも聞こえてきたのだ。
誰もいない部屋から足音が聞こえてくるとき、それは”座敷童”と呼ばれる精霊が家に来たのだと言い伝えられている。
”座敷童”はざっくり訳すと”parlor child”という意味で、空の部屋に住み着く子供の姿をした精霊だ。
12歳くらいの子供の姿をしている事が多く、家に間借りするという形で現われる。
座敷童のたてる物音はミステリアスで家族のほとんどがショックを受ける事になるが座敷童はその家に幸運をもたらし、一族を繁栄に導くのだ。
残念ながら座敷童が去ってしまうとその家も没落してしまう。
座敷童は気に入った家から家へと渡り歩いているのだ。
2人の座敷童が住んでいた事で繁栄していた家が座敷童が去った途端使用人がうっかり毒キノコを料理に使ってしまい家族のほとんどが死んでしまったという話もある。
それからその2人の座敷童は隣の家にやってきて、途端にその家は豊かになったのだとか。
そういった運命と関連するなら、座敷童は急な繁栄と没落を説明付けるための論理装置であると言えるだろう。
■消えた子供達
子供達が行方不明になるのには幾つかの理由が考えられるが、古代日本では子供達が消えるのはほとんどが姑獲鳥と呼ばれる妖怪の仕業だと言い伝えられてきた。
姑獲鳥とは鳥の形をした妖怪で、羽が落ちて人間の女性の姿となり子供達を誘拐する。
姑獲鳥とは子供を産むときに死んだ女性の霊とも、妊娠中に死んだ女性の霊とも考えられている。
いずれにせよ彼女達の失われた子供に対する執着は死後も続き、子供達を攫うことでその妄執をなだめているのだ。
姑獲鳥には夕暮れ時の交差点に現れる赤ん坊を抱いた上半身裸の女性という化身もあり、用事があるので少しの間子供を抱いていてくれないかと通行人に尋ねてくる。
赤ん坊は通行人が抱いた途端にどんどん重くなっていき、通行人がお経を唱えるまで体重が増え続けている。
その後姑獲鳥は戻ってきて、赤ん坊を生者の世界に戻してくれたことに感謝を告げるという。
他の説では彼女は死んだ後に自分の赤ん坊の面倒を見てくれる人を探しているのだとも、生活用品を買うために街に訪れたのだとも言われている。
姑獲鳥が買う時に使った紙幣は彼女が消えた後に枯葉に変わってしまうらしい。
■消えた行灯の油
古代日本では夜なべ仕事は行灯の光の下で行われてきた。
夜に仕事をしていた人にとっては残念なことにその行灯に使われていた油は魚油で出来ており、鼠にとってもゴキブリにとっても大好物のものだった。
害虫は油を飲み、人間はそれを捕まえるために時間を無駄にするからだ。
しかし害虫が盗んだにしてはあまりに大量の油が消えることも時々あった。
そんな時は火間虫入道が油を盗んだのだと怪しまれていた。
火間虫入道は簡単に訳すなら”oil licker(油舐め)”という意味で、だらだらと時間を無駄に過ごし夜に働いている他の人を邪魔してきた人間の霊が化けたものだと言われている。
とは言うのもの、妖怪カテゴリーの中でゴキブリとの関係性は失われておらず、この妖怪はしばしゴキブリの象徴として描かれてきた。
この虫は業によって生まれてきたと信じられており、火間虫入道はしばしゴキブリと一緒に描かれ、虫を遠ざけるといわれているヨモギや鶏と一緒に描かれることもある。
この関連により火間虫入道は擬人化した巨大なゴキブリとして描かれることにもなった。
■汚れた天井と夜間の悪寒
近代の暖房や気密が無かった昔の日本の家は冬になるとかなり寒くなった。
そして高い天井は夜間になると更に闇を増大させていた。
そして冬の寒さと天井の暗さは天井舐めと呼ばれる妖怪の仕業だと思われていたのだ。
このクリーチャーは部屋の中に浮かんでいて部屋内の気温を下げて天井をぼかしてしまうという。
背の高い、天井を舐めるための長い舌を持った怪異だ。
天井舐めが天井を舐めると綺麗にしていても天井が汚れてしまうというのだ。
言い伝えはあるものの汚れた天井と冬の寒さと闇に浮かぶ妖怪はいささか不条理でもあるので実際この言い伝えがどれ程信じられてきたのかは不明だ。
天井舐めが最初に現れたのは『百器徒然袋』で、事前に信じられてきた訳ではなく作者の創作ではないかとも考えられている。
■誰かに見られているという感覚
昔の日本では敵に遭遇して身を護るために廃屋に逃げ込むのは必要な手段だったが、今日でもそうであるようにそこは予想外の体験が待ち構えていたようだ。
廃屋で一夜を過ごし、そこで目には見えない何かに見られている感覚を受けたと記録が多数残っている。
単なる想像力がそういう感覚を呼んだのだとは言うまい。
これは家自体に見られていたのだと言い伝えられている。
何百もの目が生えた目目連という廃屋のお化けが侵入者を絶え間なく監視していたのだ。
家鳴りに驚くのと同様に目目連の謂れはなかなかに皮肉めいている。
この妖怪の姿は火間虫入道と同じ作者が創作したものだといわれている。
以前の姿はもっと醜悪で目目連の目は不可思議というよりも不吉な感じだったらしい。
作者であり蒐集家でもあった鳥山石燕はこの家の持ち主は碁を遊んでいたと考え現在の姿にしたようだ。
このボードゲームの盤上の四角も石も日本語では”目”と呼ばれており、目目連の数え切れないほどの目と洒落になっているのだ。
石燕は80以上の妖怪を創作しており、ほとんどが当時の僧等の風刺になっているという。
■家から聞こえる謎の音
近代日本では家鳴りは地震等で家が揺れたり震えることを意味している。
しかしその言葉自体の元祖は民間伝承だ。
昔は家の奇妙な音は家鳴りと呼ばれる妖怪が家を揺すったり壁を叩いているのだと考えられていた。
昔から日本は地震が多く、知覚出来ないほどの低レベルの地震は知られていなかった。
そこで明白な理由が無く家が音をたてているのは家鳴りという妖怪の仕業だと考えられたのだ。
しっかりした基礎の上に建てられた現代の家ですら夜間の温度低下で素材が変形して音をたてることがある。
昔の日本の家は竹や木、藁や土で出来たものが多くかったから夜間は音がなりやすかったのだろう。
風でなることもあれば動物が侵入した時の音だったりもしただろうから家鳴りはかなり騒がしく忙しい妖怪だったはずだ。
■失踪
昔の日本の伝承によると動物は普段の姿以上のものを持っていることが多かった。
特に狐は超常現象的な様々ないたずらに関与していたらしい。
基本的には普通のいたずらをしていると考えられているが、放火や誘拐など更に不穏な攻撃にも関係している可能性もあるという。
一般的には夜になると狐は美しい女性の姿になって男性を魅惑し、家から連れ去ってしまうと言い伝えられている。
とある男が夜の街を歩いていると若く美しい女性が現れ、男はその女性の家に誘われて2晩を過ごしたという。
翌朝、彼はその女性に永遠の愛を近い、それまでの暮らしはすっかり忘れてしまった。
そして男の新しい妻は妊娠し、9ヵ月後に赤ん坊を産んだという。
一方で男の家族は2週間彼を探し続け遂にはもう死んでしまったのだと諦め観音様にせめて遺体だけでも戻して欲しいと願った。
観音様はその願いを聞き届け、そのすぐ後に男は納屋の床下から這い出してきた。
男を誘拐していた狐の一家は逃げ出したという。
■転倒
人間が突然転ぶのは日本の言い伝えでは理にそぐわぬ事だったようで、人々はそれを妖怪の仕業だと考えていた。
鎌鼬(sickle weasels)は風に乗ってやってきては罪の無い人々に切り傷を負わせる巨大な鼬の群れだ。
鎌鼬は3匹一緒になって行動し、その動きは眼で追えないほどに早い。
1匹目が被害者を転ばし、2匹目が鎌で切りつけ、3匹目がその傷を治す。
あらゆる転倒はこのモンスターの仕業とされ、立ち上がった時に怪我をしていたら鎌鼬にやられたと主張していたのだ。
説明できない切り傷や打ち身も鎌鼬の仕業だといわれていた。
自分達のせいだと認めずに鎌鼬のせいだと文句を言っていた人々の記録も残されている。
■金縛り
他の国と比べて日本では金縛りがかなり一般的で、日本人のうち40%が何らかの形で金縛りを体験しているという。
しかしこれは遺伝的というよりも文化的な側面が多いと思われる。
これは金縛りと呼ばれ、ざっくり訳すなら”to be bound by metal(金属で縛られる)”という意味になり、日本ではよく知られている現象だ。
金縛りについて書かれたブログや金縛りを紹介するテレビ番組も多数あり、日本の睡眠者は他国に比べて金縛りを認識しやすくなっている。
寝ている時に半覚醒状態になって動き回ることも霊の仕業だと考えられる時もある位だ。
子供から大学生まで幽霊か何かが部屋に侵入してきて眠っている自分を寝床に張り付けにしたと説明している。
寝る時に抱いていたぬいぐるみが幽霊を呼び寄せて自分の背中に乗られたという子供もいれば勉強のし過ぎでなったという者もいる。
金縛りに魅了され、幽霊に取り憑かれたという恐怖を引くためのテクニックとして使うものもいる。
●awakentaken
ゲーム『大神』に出てくるモンスターもこういう言い伝えをベースにしてるものがあるな。
●Zommie
鎌鼬はナルトのテマリが使う術にあったな。
ここで挙げたそれ以外の言い伝えも他のアニメやゲームに出てきてると思う。
●awakentaken
↑『大神』だと鼬はポルターガイストと呼ばれてて(訳注:日本版ではそのまま鎌鼬)属性攻撃を使う。
それぞれに対応した方法で倒すんだ。
こんなルックス。
●lvl 23 rogue
消えた子供達というのは『千と千尋の神隠し』を思い出すな。
もう一度見てみるか!
●Check
自分の妻はラーメンを食べる時に短く噛み切るなと言ってた。
日本では麺を短く噛み切るとその分寿命が縮むと信じられているらしい。
実際日本人は箸で掴んで啜ってるもんな。
自分でそれが出来るかどうかは分からないけど。
●lonelydisco
↑ラーメンだけじゃなく東洋の麺類は啜るものだな。
●Teamlightskinned
↑だから日本人は寿命が長いのか。
●kat
マジか。
金縛りに何度かあった事あるぞ。
どれも真夜中に何者かが部屋に忍び込んできて起こるんだ。
顔が見た事ないし声も聞いた事が無いんだ。
一度自分が死んだ日本人女性の横にいたという夢を見た事もある。
どの夢でもその人物は色んな方法で自分を殺そうとするんだ。
一度自分が自分の真横に横たわっていた時もあったな。
他の時は自分の胃袋の上あたりに乗ってた。
これで自分が見てた奇妙な夢の正体が分かったよ。
●Hobiron
子供の頃色んな言い伝えを聞いてきたけどこれはもう別レベルだな。
●Hanjab Sanji
一度金縛りにあった事があるけど楽しい体験じゃなかったな。
●Hillyard
ギリシャ神話なんかは自然現象を神の仕業と解釈してたな。
日本だと妖怪の仕業という訳か。
面白いリストだった。
●Moon Musician
13日の金曜日の伝説も大概だ。
金縛りという現象は数は少ないながらも日本以外にも存在する模様。
そう考えるとなかなかに興味深い現象であります。
追記:文言修正。塗壁の部分の誤訳を修正。ご指摘感謝です。
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追記:文言修正。塗壁の部分の誤訳を修正。ご指摘感謝です。
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