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昔から日本で使われてきた刃物の1つに切り出し(切出し)があります。
とある海外のネットユーザーが切り出し風のナイフを作った様子を投稿していました。

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『切り出し風のナイフ作り』

まずは完成品。
刃は前から持ってた壊れたヤスリでこれが初めてのナイフ作りになる。
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まずは金属加工ができるように焼きなます。
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非磁性温度まで熱して(磁石がくっつかなくなるまで)から耐火煉瓦の上で冷ます。
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マジックで基本的な形を書く。
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グラインダーと切断砥石で余分な部分を除去。
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内側の曲面はまずスリットを入れてからグラインダーで切り飛ばしていった。
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ラフカット完了。
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1×30のベルトサンダーに80番(砥粒)のベルトを付けて形状を仕上げた。
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鉄が熱くなり過ぎたら水を入れたバケツで冷ます。
グラインディングでは普通の手順だ。
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ベルトを2本消費して内部の曲面をヤスリで仕上げてサンダーと形状仕上げは完了。
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次は角度出し。確かチゼルグラインドと呼ばれてたはず。
初めての経験だからかなり際どかった。
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まあまあだけど若干修正が必要だ。少し丸まってしまった。
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刃をドレスアップする助けになるように平らにするのには平ヤスリを使った。
完ぺきではないけどこれで十分。
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更にヤスリがけ。
これはナイフ作りで何度も繰り返されるテーマだ。
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ピンホール用にセンターポンチを打つ。
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ピンホールに穴をあける。
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焼き入れの時間だ。
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色の変化を見やすくするために照明を消した。
急冷する前に非磁性温度まで熱する。
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ピーナツオイルで急冷。
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残念ながら炎は出ないで煙だけだ。
ピーナツオイルの美味しそうな匂いもしてた。
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焼き入れ後に付いた滓を除去する前の状態。
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320番のサンドペーパーで掃除
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更に掃除。
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焼き戻しの準備が出来た。
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オーブンを400F(204.4℃)まで予熱しておく。
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刃をオーブンの真ん中においてタイマーを1時間にセット。
タイマーが切れたら素手で触れるくらいになるまでオーブンの中で自然冷却。
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焼き戻してる間に刃のScales/handles(正式名称は知らない)を作り始める。
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新しく出来た友達が凄く親切でハンドルの為のクルミ材の端材をくれた。
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ハンドルにするクルミ材
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焼き戻し後の刃。
カメラは色を正しく映してない。
もう少し色が濃くなるはずだったからおそらくオーブンの温度が正しくなかったんだろうけど、これはよくある事だ。
だから今後の作品のためにオーブン用の温度計を買って温度を調整する方法を考えるつもりだ。
刃を固定する方法を考えないと。
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焼き戻し後の刃の裏面
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焼き戻し後にサンドペーパーをかけて綺麗にした。
320番から始めて800番まで使った。
両面ともウェットサンドペーパーをかけた。
この時点で刃の部分の仕上げもして、まだ刃は付けてないけど綺麗にした。
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裏面
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ハンドルの形をトレースする。
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微かではあるけどハンドルの形が分かると思う。
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余分な部分をトリミング。
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ハンドルについては何も考えてなかったから何か良い感じの、何かいい感じになりそうな感じで進めてった。
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最終的な基本の形。
後でもっと金属部分を出すように削るかサンドペーパーをかける事に決めた。
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ハンドルに穴をあける。
テープでハンドルと刃を固定して穴をあけた。
裏面も同じように穴をあけた。
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ピンのフィット具合をチェック。
このピンは持ってた釘を使ったけどいずれはピン用にステンレスの棒を買おうと思ってる。
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サンドペーパーをかける時に固定できるようにテープで巻いてピンを通した。
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別アングルで見た所。
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ハンドルの形を仕上げていく。
何故こうしてるかというと接着する前に最終形状に近いハンドルを作っておかなくちゃいけないから。
これは予想以上に大変な仕事だったけどこの時点で大体の形状を作り上げた。
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更に仕上げ。
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更にサンドペーパー。
今回はカーブを上手くコントロールできるように木の丸棒を使ってる。
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ほぼ同じ形の2つのハンドル。
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接着する面をアセトンで洗浄。
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接着する前に汚れや油を全て拭き取っておく。
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接着には5分硬化のエポキシを使用。
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接着剤を塗るのは片側ずつ。
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ハンドルと刃をクランプする。
このサイズと形状なんで余分なエポキシは拭き取っておいた。
ペーパータオルとアセトンで拭き取ったけどアセトンの量は最小限にしておいたからエポキシの硬化に悪影響はないはず。
周囲をクランプするのはちょっと大変だったけど上手くいって硬化した後でエポキシがはみ出た部分も無かった。
それから接着剤で全部くっつけるのに熱中してたせいで刃の部分にマスキングをするのを忘れてた。
マスキングしておけば拭き取りがもう少し楽だったと思う。
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がっちりクランプ。
理想ではエポキシが完全に硬化するまで24時間待たなくてはいけない。
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クランプを外した所。
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今回はハンドルと刃の背を綺麗にするのに120番を使った。
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ハンドルはもう少し作業が必要で、良い感じの形になるまでサンドペーパーをかけた。
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小さいハンドルに更にサンドペーパーをかける。
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サンディング完了。
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1000番から2000番に上げながら刃を研いでいって、それから刃止め(小刃止め)をする。
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刃止め。
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ほぼ完成、後は仕上げ。
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ハンドルにはデンマーク桐オイルを三層に塗った。
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飾り用撮影!
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●comment
良い作品だ。
ヤスリの目をテクスチャとして残してるのが良いな。

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モーターオイルじゃなくてピーナツオイルを使ってるは見たことが無かった。
匂い以外で何か特色があるのか?

●投稿主
↑自分が調べた限りだと発火する割合が低いんだとか。
それに匂いも良いしね。

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煙の中の発癌性物質も少ないぞ。

●comment
見た目が凄く良いじゃないか。
グッジョブ。

●投稿主
↑ありがとう。
上達してきてると思う。
まだまだ至らない点はあるけどやっていくよ。

●comment
良いな!
自分も金属加工に戻りたいと思ってた事を思い出した。

●投稿主
↑やらなきゃ!

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美しいな。
素晴らしい作品だ。
ミニマルで安価なツールで作ってる所が特に良い。

●comment
質問。
1.もっと作る予定はある?
2.シース(鞘)を作る予定はある?
もし1と2がイエスならオランダまで送れる?

●投稿主
↑安いヤスリが手に入ったらもっと作れるよ。
鞘も作る予定だけどまずはデザインを考えないと。
オランダ最高!

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↑投稿主の作る鞘が楽しみだ。
オランダに行った事ある?
それから自分はこういうクールなナイフが必要なんだ。

●投稿主
↑前にアムステルダムに行った事がある。
最高の街だね。

●comment
↑自分は4年前にアムスに引っ越したんだけど今でも何から何まで好きだ。

●投稿主
↑今度作ったら知らせるよ。

●comment
↑ありがとう。

●投稿主
切れ味はこんな感じ。

Slicing receipt paper with my first knife

●comment
プロとしての初めての仕事とか?
初めてにしては素晴らしい仕事だ。

●投稿主
↑ハハ、ありがとう。
まだまだ課題は多いけど嬉しいよ。

●comment
どこで作ったのか、工具はどうしたのか、トータルコストがどの位なのか興味がある。

●投稿主
↑作ったのは自分のガレージで工具は自分の。
必要な工具は全部持ってるんだ。
だから消耗品以外はコストはかかってないね。

●comment
やり方さえ知ってればヤスリからナイフを作るのはそんなに大変じゃない。
最近焼き戻しせずに作ったし。
削るのが大変だったけど。

●comment
使うならキュリー温度(wikipedia)だな。
ググれば出てくる。
焼き戻し曲線について議論してみたいね。

●投稿主
↑全くの初心者なもので磁力の無くなる温度に名前が付いてるなんて知らなかった。
サンクス。

●comment
ワオ、仕上がった写真は凄くゴージャスだな。
どの位の時間がかかった?

●投稿主
休日平日合わせて2~3日かな。
時間のかけ方とか、どの位の時間がかかるのかを見積もるのが下手なんだ。
ハンドルはもっと時間がかかってる。

●comment
良い出来栄えだな。
自分も切り出しを作ろうと思ってる。
焼き戻しはちょっと温度が高すぎかもしれないけど良い感じだ。

●投稿主
↑確かにもっと良いオーブン用の温度計が必要だね。

●comment
凄いアーティストだな。

●投稿主
↑そうなりたいね。
自分は郊外に住んでてyoutubeでやり方を見まくったただの平均的な奴なんだけど。

●comment
どこで買えるんだ?

●投稿主
↑すまない、これは自分の初めての作品だから売れないんだ。

●comment
↑それなら仕方がないな。
もし他の作品を売る気になったら俺の事を思い出してくれ。

●投稿主
↑そうするよ。
後は安いヤスリをゲットしないと。
好奇心から聞くんだけどどの位の値段なら気持ちよく出せる?

●comment
↑質の高い手作りの作品なら120ドル(約1万2000円)超は見込めるかと。
カスタム品ならもっとだ。

●投稿主
↑クール。
返答ありがとう。





切り出しは構造がシンプルなのでナイフ作り初心者には丁度いいのでしょうか。
海外のクラフト通販サイトEtsyを見ると結構手作りの切り出しが売られていて1万円位するものもあるようです。
海外は個人で鍛冶をするための道具が広く流通しているのが羨ましい。




アウトドアで活躍!  ナイフ・ナタ・斧の使い方
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