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ⓒ十角館の殺人/綾辻行人

世界各国の言語はそれぞれに特徴があり、翻訳する時はその特徴が故に可読性を妨げることもあります。
日本語の文章における人名と指示語について海外の掲示板で語り合っていました。

引用元:reddit.com

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●投稿主
日本の殺人ミステリーが好きなんだけど登場人物名でいつも混乱してしまう。
『十角館の殺人』は名著だし『容疑者Xの献身』は大好きな作品。
今は『占星術殺人事件』を読んでいてかなり気に入ってる。

ただ日本語の登場人物名が読み進める時に分からなくなってくる。
登場人物は名字か名前で表されてるんだけど、その人物が男性なのか女性なのかわからなくなるんだ。
で、今読んでる本は気が遠くなるくらい登場人物が多い。
幸いなことに大抵のミステリー小説は巻頭に人物紹介が載ってるんだけどKindleだとその都度参照するのが難しい。
日本のビジュアルノベルの場合はキャラの画像があるから問題ない。
これが自分の問題だということはわかっている。
それでもミステリーは大好きなんだけどこのせいでストーリーを追うのが難しくなるんだ。

●comment
日本の小説や映像作品を読み込んでいけば慣れるぞ。
人名や命名規則、文化的な要素に慣れていくから。

●comment
↑女性名/男性名についてはいずれ慣れると思う。
でも登場人物が多くなると覚えきれないことが問題なんだと思う。
仮にキャプテン・フィリップ・グレイという登場人物がいたとしよう。
ある登場人物は彼のことをフィリップと呼び、別の登場人物はグレイと呼ぶ。
これも混乱をきたすことになると思う。
あるいは外国の名前だからより覚えにくくなっているとか。
いずれにせよ読み込めば解決する可能性は高いだろうね。
今のところは自分で人物リストを作るのが良いんじゃないかな。

●comment
氏名に関しては外国の氏名だからわかりにくいというのはあるだろうな。
例えばグレイは名字かニックネームだとわかってるからその登場人物のことをよく知らなくてもある程度把握できるから問題にはならない。

●comment
↑名前がグレイの場合もあるぞ。
珍しいけどね。

●comment
日本語だと最初に名字が来るんだけど翻訳の際に名字と名前の順序が逆になることも覚えておく必要がある。
例えば今の日本の首相は英語の表記だとFumio Kishidaだけど日本語だと岸田文雄になる。

●comment
ドストエフスキー作品に登場するロシア人の名前で同じ問題が起きたな。
全員にニックネームを付けることで多少は助かったけど結局のところは歯を食いしばりながら慣れるしかない。

●comment
↑どうやってニックネームを付けた?
作中にニックネームを持つ登場人物が出てるしニックネームにニックネームが付くこともある。
例えばアレクサンドルはアレックス、サーシャ(理由は聞かないでくれ)、シュリンク(以下同文)、レックス、 サーニャ、リョーカなどになる。

●comment
↑レックスとリョーカはアレクサンドルではなくアレクセイのニックネームだな。
慣れてくれるとありがたい。
シュリンクについては自分もなんでそうなのかわからない。
英語でも同じことがある。
ロバートはロブ、ボブ、ボビーになる。
現アメリカ大統領はジョー・バイデンだけどこの名前はフランクすぎるとジョセフ・バイデンと呼んでる人もいる。
単純にそのニックネームを聞き慣れてるかどうかなんだよな。

●comment
アレクサンドルがサーシャになるのは”サ”にアクセントが付くから。
後ろにつく”シャ”は接尾辞。

●comment
自分もドストエフスキー作品が頭に浮かんだな。
凄くたくさんの登場人物がいたはずだけど覚えきれなかった。

●comment
ロシア語は性別がある(形容詞や動詞で女性か男性かわかる)から英語のように中性的な言語に翻訳すると読むのが難しくなるのは想像に難くない。
それでも(※ガブリエル・ガルシア=マルケスの)『百年の孤独』の登場人物を区別することに比べたら楽だけどね。

●comment
日本の人名の命名規則についてはある程度知ってるけど改めて確認してみた。
Cultural Atlasによると、
>名前の末尾にヒコ、スケ、ヘイが付くものは基本的に男性名(フミヒコ、キスケ、コウヘイなど)。
>男性名は末尾がオやシの場合も多い(テツオ、ヒロシなど)。
>名前の末尾がエ、ヨ、ミ、ナ、コ、カの場合は基本的に女性名(イサエ、カズミ、フミナ、アユカ、マリコなど)

●comment
自分の場合これは英語の名前じゃないからとは言えない。
『ギデオン―第九王家の騎士―』(※ニュージーランドの作家タムシン・ミュアのファンタジー小説)はこれが非常に深刻だった。
全ての登場人物がお互いを名字、名前、ニックネーム、肩書きで呼び合っていて、しかもよく似た名前の登場人物が多かった。
(※スチュアート・タートンの)『イヴリン嬢は七回殺される』に登場するカニンガム、コールリッジ、コリンズ、カーバーも厳しい。

●投稿主
↑『ギデオン―第九王家の騎士―』は読むの無理だった。
大好きなジャンルだから1年くらいかけて読もうとしたんだけど結局何が起きてて誰が誰なのかわからなかった。

●comment
↑自分以外にも分からないと思う人がいて良かった。

●comment
自分も『イヴリン嬢は七回殺される』のCで始まる名字の人物は把握しきれなかった。

●comment
その本に人物紹介が付いてない時は自分で作ってる。

●comment
東野圭吾作品はあまり苦労した記憶ないな(少なくとも初期の3作品は)。
今は『白夜行』を読み終えたところだけど登場人物を全員覚えきるのはちょっとした悪夢だった。
(投稿主と同じ理由で)
20年に渡る物語だから誰が誰なのかを追いかけるのが大変だった。

横溝正史作品は巻頭に人物紹介が載ってるからありがたい。
綾辻行人と東野圭吾が好きならお勧めだよ。
(一番好きなのは東野圭吾だけどね)

●comment
↑横溝作品は素晴らしいよね。
次の翻訳作品が出るのをいつも指折り数えてる。

●comment
↑横溝作品は先週から読み始めたんだけど既に2冊読んだ。
悲しいことに地元の本屋が『本陣殺人事件』を置いてないから刊行順に読めないんだけど。
正直言って最近英訳が始まったことが驚きなくらいだ。
本当に面白い。

●comment
↑刊行順に読まなくても大丈夫だと思うよ。
というか英訳されてるのが日本の刊行順に沿ってるのかも知らない。

●comment
↑おかげでネタバレなしで読めるのはありがたいけどね。
まだ読んだことのない登場人物に関することが文中に出てくるのは知ってる。

●comment
その名前を日本語で読むと理解しやすいんだけどね。
ほとんどの名前は使われてる漢字によって意味を持ってる(例えば河月)。
ネットで検索しても男性か女性か調べられるよ。
日本語だと名字が最初に来る。
あと敬称が使われてるから登場人物は地位や年齢によって呼称が変わる。
敬称は”君”、”さん”、”先生”なんかが使われるけど他にもある。
上で挙げた3作品は読んだことがないからどういう敬称を使ってるかはわからないけど。

●comment
自分はまず人名リストを作ってるな。
最初の数章を読めばリストは概ね完成するからあとはそれを参考に読んでる。

●comment
『容疑者Xの献身』は自分も好きだ。

●comment
氏名や住所の表記順が逆になる国があるんだよね。
日本もそうだから慣れるのにはかなり時間がかかることもある。

●comment
↑自分の場合は英訳した際に指名の順序が英語式になると混乱する。
個人的にこれは語訳の可能性も高くなると思ってる。
氏名の順はそのままでローマ字にするだけでいいんじゃないかと。
順序を変えるのはやり過ぎだと思う。

●comment
『占星術殺人事件』は名作だね。
英訳版を読んだけど恐怖と困惑が完璧に表現されてた。

●comment
音声ブックを読むと良いぞ。
『容疑者Xの献身』の音声ブックは素晴らしい。
これなら登場人物の名前や性別が追いやすい。

●comment
日本の殺人ミステリーって他にもある?
『十角館の殺人』と『容疑者Xの献身』は買ってあって『占星術殺人事件』はリストに入ってる。
こういうのにジャンル名があるということを今まで知らなくて、凄く惹かれてる。
『容疑者Xの献身』はシリーズものの1作目だと知ったんだけど続編もお勧め?

●comment
↑『十角館の殺人』と『占星術殺人事件』は日本のミステリー黄金時代の作者が書いたもので京都大学推理小説研究会の出身。
(『十角館の殺人』はその研究会をモデルにした合宿中に事件が起きる)
これらの作家はアガサ・クリスティやジョン・ディクスン・カーの小説を読んで育ってきたからミステリーに対する具体的なルールを持っている。
すなわち、読者が自分で事件を解けるだけの手がかりが作中に提示されていること。
こういう小説の多くは解決部分の手前で読者に事件を解けたかどうかを問いかける幕間ページが設けられている。

東野圭吾は比較的新しい作者だけどこういうった推理小説作家の影響を大きく受けている。
興味があるならまずは『容疑者Xの献身』を読むと良いよ。
同じ探偵が出てくる作品が他にもあるけど、どの順で読んでも問題ないようになってる。
(”去年解決したあの殺人事件を覚えているか”程度の台詞は出てくるけど)

『占星術殺人事件』も凄く良い作品で自分が一番好きなのはこれかな。
この作者は『斜め屋敷の犯罪』も書いてる。
『十角館の殺人』の作者、綾辻行人の『水車館の殺人』は最近新約版が出たね。

横溝正史の探偵ものは毎年新約版が出てる。
(70作くらいあるんだけど今のところ英訳されてるのは数冊だけ)
今好きなのは『獄門島』。
推理物が好みじゃないとしても戦後日本の描写が凄く魅力的だよ。

●comment
東野圭吾のガリレオシリーズはアガサ・クリスティの名探偵ポワロに似てるよね。
どの作品も単体で独立してるからどの順に読んでも良い。

●comment
600ページくらいあって登場人物が膨大なファンタジー小説を読み慣れてるからメモ帳に登場人物名を書きながら読んでる。

●comment
『犬神家の一族』を読んだけど巻頭に登場人物の相関図が載ってたな。

●comment
恩田陸の『ユージニア』も良いぞ。

●comment
人物紹介が載ってる小説は良いよね。





日本語の文は彼/彼女があまり使われないので漢字表記がなく人名規則に慣れていないと把握に苦労するのかもしれません。
日本語に限らず他言語の小説、あるいは母国語の小説であっても登場人物が多かったり似た名前が多いと苦労することはあるようです。




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クスノキの女神