
ジョン万次郎(wikipedia)、日本人なら一度はその名を耳にした事があるのではないでしょうか。
土佐の漁師の家に生まれ、漁に出た時に嵐に会い遭難したところをアメリカの捕鯨船に助け出され、そのままアメリカへと渡り学問を納め帰国後は日本の開国に尽力した人物です。
そんな彼の半生をマギー・プロイスが十代向けの児童書として執筆し、『Heart of a Samurai』というタイトルで出版しました。
友人はおろか言葉も通じない環境にもかかわらず熱心に勉学に励み、周囲の信頼を勝ち得て日本への帰国を果たした彼の生き様はアメリカの子供たちに評判となり、全米図書館協会(ALA)による優れた児童書に贈られるニューベリー賞の2011年度オナーブックにも選ばれました。
今回はその『Heart of a Samurai』の米Amazonでのレビューを紹介します。(かなり短めです)
引用元:Heart-Samurai-Margi-Preus
ALA:ala.org
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●ニューブランスウィック、ニュージャージー州、アメリカ
★★★★★-ラトガース大学による子供と経済学のプロジェクト
8人中8人が参考になったと答えています
1841年、14歳の万次郎は他の4人の男たちと共に一番若い漁師として日本の小船で働いていた。
その小船は猛烈な嵐に遭い外海に流されて漂流した後、彼らは小さな無人島へと漂着した。
彼らは生きのびる事への挑戦だけでなく、救われた時には日本の政府関係者が彼らをどう扱うのかという心配もしなくてはならなかった。
その頃の政府は1600年代前半に外国に対して日本の国境を封鎖し、国を出て日本に戻ってきたどんな人間でも殺す事が出来たからだ。
6ヶ月の間漂流者として生き延びた後、万次郎と彼の仲間達はアメリカの捕鯨船に救い出され、ハワイへと連れられる事になった。
この間に万次郎と船長は父子のような関係を築き、万次郎は彼との旅路をマサチューセッツまで続ける事となった。
万次郎は船長の農場での暮らしを楽しんでいたが、唯一日本人の少年としてそこのコミュニティで直面した差別待遇にだけは馴染むことが出来なかった。
数年の後、彼はカリフォルニアのゴールドラッシュによって帰国するために必要なお金を貯める事が出来たが、日本の政府は彼がそのような長い間「野蛮人」と同居した後で入国を許可するのだろうか?
中学生の読者は無人島で飢餓と戦いながら生き延び、捕鯨船の荒くれ男達の敬意を勝ち取り、完全な異文化に順応し、日本に戻った際の危険を顧みなかった勇敢な子供の魅力的な物語を読む事になるでしょう。
この物語は仕事と貯蓄、天然資源に関する役立つ経済学のレッスンもセットになっているの。
歴史的背景は今日にも続いている問題、外の世界に対して排他的になる事への興味深い議論を行う機会も提供してくれるわ。
●アメリカ
★★★★★-古きよき心!
8人中8人が参考になったと答えています
ジーン・リー・レイサムによる『Carry On, Mr. Bowditch』と同じくらい素晴らしい本だわ!
(訳注:『Carry On, Mr. Bowditch』船員として働きながら独学を続け、近代航海術の基礎を作ったナサニエル・ボウディッチの伝記で、1956年のニューベリー賞大賞を受賞しています)
これは14歳の時に漁船で遭難し、アメリカの捕鯨船に救われた日本人の少年、万次郎の実話よ。
万次郎は英語を学び、船員になって世界中を旅して周り、アメリカの学校に通い、捕鯨船の一員になり、ゴールドラッシュ時のカリフォルニアで働きもしたの。
でも、この物語の真の意味は彼が250年もの間日本が西洋に対して閉ざされていた時、西洋文化を理解し感謝した最初の日本人であるという事なの。
日本の政治情勢が変化を始め、日本が自国の港にアメリカの船を入港させると決めた時、アメリカ人とは何者で、彼らが何を求めているかを理解し手助けしたのが彼なのよ。
残念な事にこのタイトルは少しミスリーディングね。
この本ではサムライについてはほんの少ししか触れられていないわ。
でもこれは青少年のための歴史小説で、希望や切望、文化を理解するための素晴らしい物語だわ。
●クレアモント、カリフォルニア州、アメリカ
★★★★★-エキサイティングな歴史小説/十代のための冒険小説!
6人中5人が参考になったと答えています
これは日本の小さな村で漁師をしてた14歳の少年で、後に初めてアメリカを訪れた日本人、中濱 萬次郎の実話を基にした魅力的な物語で、マギー・プロイスのデビュー作よ。
本の始まりは1841年、日本は鎖国政策を敷いていて、どんな外国人も死の刑罰によって日本に入ることは出来ず、また出る事も出来なかったの。
この政策は2世紀に渡って続き、日本の子供たちは西洋の人たちは青い目をした悪魔で野蛮人だと教えられてきていたわ。
でも、万次郎とその仲間たちが無人島で飢え死にしかかっているのを助けたのはアメリカの捕鯨船だったの。
日本人の漁師にとって、西洋の習慣は全て奇妙に映ったわ。
椅子の下で足を揺らすという風変わりな座りや方、食べるときにフォークを使い事、ボタンのついた服を着ることなんかがね。
万次郎は急速に言葉を覚え、親切な捕鯨船のキャプテン(ニューイングランド出身で名前はホイットフィールドと言ったわ)に思う様質問を投げかけていったわ。
彼はアメリカについて何も知らなかったの!
アメリカの船で万次郎はアメリカ式の捕鯨方法を知る事になるの。
捕鯨での彼の勇敢さを知った船長は彼にアメリカ式の名前をつけたわ。
ジョン・マンと。
ホイットフィールドは彼にチャンスの国、アメリカについて説明したわ。
そこでは誰もが夢を叶える事が出来ると。
万次郎は日本にいたとき、そんな事考えもしなかったわ。
漁師の息子に生まれたものは漁師になる、そうやって代々続いてきていたの。
船長は自分の養子になってアメリカに来ないかと彼を誘い、万次郎はそれを受け入れ、仲間たちとはサンドウィッチ諸島で別れることになったの。
万次郎はアメリカに到着すると偏見に遭遇する事になったわ。
少年たちは彼の背後で自分達の目を引っ張って彼を笑いものにした。
教会の大人たちは”こいつには黒人用の席が相応しい”と思っていた。
彼はまた、非寛容な学校にも慣れなければならなかったの。
船長とその奥さんは彼に優しかったけど、彼はホームシックにかかったわ。
でもどうやったら戻れるかしら?
彼は日本に帰る為の旅費を稼ぐためにたくさんの冒険をしたわ。
ほとんどの時間をカリフォルニアの金鉱山で過ごし、数年後日本近海に出帆する船に彼は乗り込んだわ。
遂に彼は自分の故郷へと帰りついたけど、思い描いていた家族との再会は果たせなかったわ。
その代わり彼は西洋のスパイとして逮捕され、投獄されてしまったの!
1852年まで彼は11年もの間日本から離れていたのに、まだ家族と再会できなかったのよ。そして、物語は万次郎が日本の君主に”野蛮人達”について教えるために侍になる、というところで結末を迎えるわ。
彼は貧しい漁師には途方も無い夢だった侍にすらなったのよ。
これは冒険がたくさん詰まった本当に面白い歴史/冒険小説だと思うわ。
しかも、日本が舞台の本をたくさん読んでいる西洋の若者たちが(例えば、私もレビューを書いている『ヤング・サムライ』シリーズとか)日本人の目から見たアメリカや西洋がどれほど奇妙に映ったかを想像するのは面白い事よね。
ここで繊細な読者へ警告:かなり詳細な捕鯨の描写があるから、若い動物愛護家は心を痛める知れないわ。
●セーラム、イリノイ州、アメリカ
★★★★★-中学生のための素晴らしい歴史小説
4人中3人が参考になったと答えています
19世紀の中ごろまで250年もの間、日本は外国人が日本人を扇動して日本の文化を破壊することを恐れて彼らを受け入れず、外国に行った人間を処刑することも出来た閉鎖社会だった事を知っているだろうか?
1人の青年の経験と努力が、その全てを変える手助けをしたんだ。
1841年、万次郎は日本の四国に住む14歳の少年だった。
漁師だった父は既に亡く、彼は4人の仲間たちと漁に出た時に嵐に遭い、無人島に流れ着いた所を後に万次郎を引き取ろうとするホイットフィールド船長率いるアメリカの捕鯨船、ジョン・ハウランド号に救い出されたんだ。
万次郎は名前をジョン・マンと改め、捕鯨船で働き始める。
船はハワイのホノルルに停泊し、そこで仲間達は船を降りる事になったけど、万次郎は彼をマサチューセッツ州のニューベッドフォードに連れて行きたがっていた船長と共に船に留まり、フェアヘブンの側にある彼の農場に落ち着く事になったんだ。
彼はオックスフォード学校とバーレット・アカデミーに通い、そこで差別と偏見に直面する事になる。
彼は日本へのホームシックにかかり、日本人が彼らの偏見に打ち勝つ事が出来るように願うんだ。
フランクリンは彼に捕鯨船に乗れば日本に帰れると約束したが、それは本当の事じゃなかった。
24歳頃、万次郎は日本に帰る旅費を稼ぐためにカルフォルニアの金鉱山へと旅立った。
彼は出来ただろうか?そして生き延びる事が出来たのだろうか?
『Heart of a Samurai』は中学生の読者のための本当に素晴らしい歴史/伝記フィクションだよ。
起きた出来事と出てくる人々のほとんどが本当にあった事だ。
作者は何人かの人物と事件について「日本の鎖国政策に万次郎を向かせるため、また偏見や悪意との戦いを供給するための」創作であると言っている。
日本語を含めた役に立つの用語集も後ろに載っている。
捕鯨船や船員の用語や、併せて読みたい図書目録なんかだ。
イラストのほとんどは万次郎自身によって描かれたものだ。
アクションが詰まっている冒険小説としても素晴らしいし、日本の文化に興味を持っている人や捕鯨の歴史としても魅力的な本だよ。
今の日本史の解釈だと鎖国は無かった(そもそも江戸時代に鎖国という言葉が無かった)というのが一般的ですが、やはり海外(アメリカ?)にとって江戸時代の日本というのは海外への門戸を開かない閉ざされた王国という印象が強いようです。
そんな時代において難破という一大事件を機に西洋文明に触れた漁師の少年が冒険の末に日本に戻り、開国の手助けをする侍になるという物語は、なるほど確かにおとぎ話のような展開です。
(というか、改めて読んでみると恐ろしく波乱万丈な人生ですね)
『逝きし世の面影』を読むと江戸時代でも海外から人たちが日本を旅し、豊かな文化や人々に出会った様子が描かれています。
他国を阻み閉鎖的な時代だったのか、日本に来た外国人を笑顔で受け入れるおおらかな時代だったのか、外から見るのと内から見るのとではまた違った印象だったのでしょうか。
管理人雑記:
『逝きし世の面影』はボリュームがありますが、とても面白い本でした。
この本で江戸時代への認識を改めた人も多いのではないでしょうか。
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●ニューブランスウィック、ニュージャージー州、アメリカ
★★★★★-ラトガース大学による子供と経済学のプロジェクト
8人中8人が参考になったと答えています
1841年、14歳の万次郎は他の4人の男たちと共に一番若い漁師として日本の小船で働いていた。
その小船は猛烈な嵐に遭い外海に流されて漂流した後、彼らは小さな無人島へと漂着した。
彼らは生きのびる事への挑戦だけでなく、救われた時には日本の政府関係者が彼らをどう扱うのかという心配もしなくてはならなかった。
その頃の政府は1600年代前半に外国に対して日本の国境を封鎖し、国を出て日本に戻ってきたどんな人間でも殺す事が出来たからだ。
6ヶ月の間漂流者として生き延びた後、万次郎と彼の仲間達はアメリカの捕鯨船に救い出され、ハワイへと連れられる事になった。
この間に万次郎と船長は父子のような関係を築き、万次郎は彼との旅路をマサチューセッツまで続ける事となった。
万次郎は船長の農場での暮らしを楽しんでいたが、唯一日本人の少年としてそこのコミュニティで直面した差別待遇にだけは馴染むことが出来なかった。
数年の後、彼はカリフォルニアのゴールドラッシュによって帰国するために必要なお金を貯める事が出来たが、日本の政府は彼がそのような長い間「野蛮人」と同居した後で入国を許可するのだろうか?
中学生の読者は無人島で飢餓と戦いながら生き延び、捕鯨船の荒くれ男達の敬意を勝ち取り、完全な異文化に順応し、日本に戻った際の危険を顧みなかった勇敢な子供の魅力的な物語を読む事になるでしょう。
この物語は仕事と貯蓄、天然資源に関する役立つ経済学のレッスンもセットになっているの。
歴史的背景は今日にも続いている問題、外の世界に対して排他的になる事への興味深い議論を行う機会も提供してくれるわ。
●アメリカ
★★★★★-古きよき心!
8人中8人が参考になったと答えています
ジーン・リー・レイサムによる『Carry On, Mr. Bowditch』と同じくらい素晴らしい本だわ!
(訳注:『Carry On, Mr. Bowditch』船員として働きながら独学を続け、近代航海術の基礎を作ったナサニエル・ボウディッチの伝記で、1956年のニューベリー賞大賞を受賞しています)
これは14歳の時に漁船で遭難し、アメリカの捕鯨船に救われた日本人の少年、万次郎の実話よ。
万次郎は英語を学び、船員になって世界中を旅して周り、アメリカの学校に通い、捕鯨船の一員になり、ゴールドラッシュ時のカリフォルニアで働きもしたの。
でも、この物語の真の意味は彼が250年もの間日本が西洋に対して閉ざされていた時、西洋文化を理解し感謝した最初の日本人であるという事なの。
日本の政治情勢が変化を始め、日本が自国の港にアメリカの船を入港させると決めた時、アメリカ人とは何者で、彼らが何を求めているかを理解し手助けしたのが彼なのよ。
残念な事にこのタイトルは少しミスリーディングね。
この本ではサムライについてはほんの少ししか触れられていないわ。
でもこれは青少年のための歴史小説で、希望や切望、文化を理解するための素晴らしい物語だわ。
●クレアモント、カリフォルニア州、アメリカ
★★★★★-エキサイティングな歴史小説/十代のための冒険小説!
6人中5人が参考になったと答えています
これは日本の小さな村で漁師をしてた14歳の少年で、後に初めてアメリカを訪れた日本人、中濱 萬次郎の実話を基にした魅力的な物語で、マギー・プロイスのデビュー作よ。
本の始まりは1841年、日本は鎖国政策を敷いていて、どんな外国人も死の刑罰によって日本に入ることは出来ず、また出る事も出来なかったの。
この政策は2世紀に渡って続き、日本の子供たちは西洋の人たちは青い目をした悪魔で野蛮人だと教えられてきていたわ。
でも、万次郎とその仲間たちが無人島で飢え死にしかかっているのを助けたのはアメリカの捕鯨船だったの。
日本人の漁師にとって、西洋の習慣は全て奇妙に映ったわ。
椅子の下で足を揺らすという風変わりな座りや方、食べるときにフォークを使い事、ボタンのついた服を着ることなんかがね。
万次郎は急速に言葉を覚え、親切な捕鯨船のキャプテン(ニューイングランド出身で名前はホイットフィールドと言ったわ)に思う様質問を投げかけていったわ。
彼はアメリカについて何も知らなかったの!
アメリカの船で万次郎はアメリカ式の捕鯨方法を知る事になるの。
捕鯨での彼の勇敢さを知った船長は彼にアメリカ式の名前をつけたわ。
ジョン・マンと。
ホイットフィールドは彼にチャンスの国、アメリカについて説明したわ。
そこでは誰もが夢を叶える事が出来ると。
万次郎は日本にいたとき、そんな事考えもしなかったわ。
漁師の息子に生まれたものは漁師になる、そうやって代々続いてきていたの。
船長は自分の養子になってアメリカに来ないかと彼を誘い、万次郎はそれを受け入れ、仲間たちとはサンドウィッチ諸島で別れることになったの。
万次郎はアメリカに到着すると偏見に遭遇する事になったわ。
少年たちは彼の背後で自分達の目を引っ張って彼を笑いものにした。
教会の大人たちは”こいつには黒人用の席が相応しい”と思っていた。
彼はまた、非寛容な学校にも慣れなければならなかったの。
船長とその奥さんは彼に優しかったけど、彼はホームシックにかかったわ。
でもどうやったら戻れるかしら?
彼は日本に帰る為の旅費を稼ぐためにたくさんの冒険をしたわ。
ほとんどの時間をカリフォルニアの金鉱山で過ごし、数年後日本近海に出帆する船に彼は乗り込んだわ。
遂に彼は自分の故郷へと帰りついたけど、思い描いていた家族との再会は果たせなかったわ。
その代わり彼は西洋のスパイとして逮捕され、投獄されてしまったの!
1852年まで彼は11年もの間日本から離れていたのに、まだ家族と再会できなかったのよ。そして、物語は万次郎が日本の君主に”野蛮人達”について教えるために侍になる、というところで結末を迎えるわ。
彼は貧しい漁師には途方も無い夢だった侍にすらなったのよ。
これは冒険がたくさん詰まった本当に面白い歴史/冒険小説だと思うわ。
しかも、日本が舞台の本をたくさん読んでいる西洋の若者たちが(例えば、私もレビューを書いている『ヤング・サムライ』シリーズとか)日本人の目から見たアメリカや西洋がどれほど奇妙に映ったかを想像するのは面白い事よね。
ここで繊細な読者へ警告:かなり詳細な捕鯨の描写があるから、若い動物愛護家は心を痛める知れないわ。
●セーラム、イリノイ州、アメリカ
★★★★★-中学生のための素晴らしい歴史小説
4人中3人が参考になったと答えています
19世紀の中ごろまで250年もの間、日本は外国人が日本人を扇動して日本の文化を破壊することを恐れて彼らを受け入れず、外国に行った人間を処刑することも出来た閉鎖社会だった事を知っているだろうか?
1人の青年の経験と努力が、その全てを変える手助けをしたんだ。
1841年、万次郎は日本の四国に住む14歳の少年だった。
漁師だった父は既に亡く、彼は4人の仲間たちと漁に出た時に嵐に遭い、無人島に流れ着いた所を後に万次郎を引き取ろうとするホイットフィールド船長率いるアメリカの捕鯨船、ジョン・ハウランド号に救い出されたんだ。
万次郎は名前をジョン・マンと改め、捕鯨船で働き始める。
船はハワイのホノルルに停泊し、そこで仲間達は船を降りる事になったけど、万次郎は彼をマサチューセッツ州のニューベッドフォードに連れて行きたがっていた船長と共に船に留まり、フェアヘブンの側にある彼の農場に落ち着く事になったんだ。
彼はオックスフォード学校とバーレット・アカデミーに通い、そこで差別と偏見に直面する事になる。
彼は日本へのホームシックにかかり、日本人が彼らの偏見に打ち勝つ事が出来るように願うんだ。
フランクリンは彼に捕鯨船に乗れば日本に帰れると約束したが、それは本当の事じゃなかった。
24歳頃、万次郎は日本に帰る旅費を稼ぐためにカルフォルニアの金鉱山へと旅立った。
彼は出来ただろうか?そして生き延びる事が出来たのだろうか?
『Heart of a Samurai』は中学生の読者のための本当に素晴らしい歴史/伝記フィクションだよ。
起きた出来事と出てくる人々のほとんどが本当にあった事だ。
作者は何人かの人物と事件について「日本の鎖国政策に万次郎を向かせるため、また偏見や悪意との戦いを供給するための」創作であると言っている。
日本語を含めた役に立つの用語集も後ろに載っている。
捕鯨船や船員の用語や、併せて読みたい図書目録なんかだ。
イラストのほとんどは万次郎自身によって描かれたものだ。
アクションが詰まっている冒険小説としても素晴らしいし、日本の文化に興味を持っている人や捕鯨の歴史としても魅力的な本だよ。
今の日本史の解釈だと鎖国は無かった(そもそも江戸時代に鎖国という言葉が無かった)というのが一般的ですが、やはり海外(アメリカ?)にとって江戸時代の日本というのは海外への門戸を開かない閉ざされた王国という印象が強いようです。
そんな時代において難破という一大事件を機に西洋文明に触れた漁師の少年が冒険の末に日本に戻り、開国の手助けをする侍になるという物語は、なるほど確かにおとぎ話のような展開です。
(というか、改めて読んでみると恐ろしく波乱万丈な人生ですね)
『逝きし世の面影』を読むと江戸時代でも海外から人たちが日本を旅し、豊かな文化や人々に出会った様子が描かれています。
他国を阻み閉鎖的な時代だったのか、日本に来た外国人を笑顔で受け入れるおおらかな時代だったのか、外から見るのと内から見るのとではまた違った印象だったのでしょうか。
管理人雑記:
『逝きし世の面影』はボリュームがありますが、とても面白い本でした。
この本で江戸時代への認識を改めた人も多いのではないでしょうか。
ということは、東海道中膝栗毛とか南総里見八犬伝とかを海外の人が読んだらどう思うのやら…。